髪はきちんと乾かそう。薄毛と悪臭の原因になるぞ【ドライヤーの正しい使い方】

藤村岳の「男美均整のミナオシ」

「通常、男性がめったに触れないであろうコスメや身だしなみの最新情報や技術などを紹介し、日々の生活を新しい視点から見直せるようにしたい」という、男性美容研究家・藤村岳が、一流男子の所作や振る舞い、装いを身につけることの大切さを毎月綴る。今回のテーマは“男性のための美容クリニック”について。

ヘアドライヤーを使わないことで被る「2つのデメリット」

よく聞いてほしい。ドライヤーは確実に進化している。

髪の短い男性にはあまり縁がないかもしれないが、実にその技術の躍進はすさまじい。今回はそんなドライヤー事情と男の髪の問題について話していきたい。「オレには関係ない」と思っている読者諸兄がいたとしても、ちょっとだけでいいので耳を傾けて欲しい。もしかすると、あなたの髪と頭皮のトラブルはドライヤーを使っていないことに起因するのかもしれないといったら、驚くだろうか。

シャンプー後にドライヤーできちんと乾かしていないと頭皮で雑菌が繁殖する。洗濯ものの生乾きと同様に、濡れたままの状態が続くと髪と頭皮は悪臭を放つ。そして髪はニオイを吸着して次に洗うまでなかなか取れない。しかも、毛髪で覆われている頭皮は常在菌たちの天国。適度な湿り気と温度に加えて、頭皮から分泌される汗や皮脂、フケである角質など、エサまでもが豊富に存在する。もし、洗髪後に放っておいたら、そんな彼らのせいでニオイがたちまち発生してしまう。また、ニオイだけではなく頭皮環境が悪くなれば、健康的な毛髪も育たない。まるで畑が悪いと、作物が育たないように……。

かように男の悩みの2大巨頭ともいうべき悪臭とハゲがきちんと乾かさないことにあるとしたら、のんきに構えていられないはずだ。

ドライヤーの基本、正しい乾かし方を学ぶ

坊主もしくは、スキンヘッドでもない限り、ドライヤーは男性にも必須。洗髪後に速やかに髪を乾かすことが何より大切だ。

字数を取ってしまうので、シャンプー・コンディショナーの正しいやり方はここでは省くが、まず、風呂から上がったら、タオルであらかた水分を吸収させよう。髪を擦り合わせず、包むようにするだけでよい。水滴が伝ってこなくなる程度でOK。そして、ドライヤーの出番だ。濡れた状態が長く続くと、髪にも頭皮にもよくないので、最初は強めの温風で一気に攻める。毛先というよりも頭皮と髪の根元に風を入れて乾かしていこう。

半分くらい乾いたら、風量を下げてセットを始めるとよい。ドライヤーの熱と風でクセをつけるとスタイリングが格段にしやすくなる。7割方乾いたら、最後に冷風でクールダウンする。

こうすると水分と熱で開いていた髪表面のキューティクルがグッと締まってくる。髪が長いようなら少しかきあげて頭皮にも当てるとよい。熱がこもると汗の要因にもなるから。だいたい、この時点で9割ほど乾いているのがベストな状態。決してやってはいけないのが、完全にカラカラにしてしまうこと。湿っているのと同様にダメージが大きいのだ。

最新ドライヤー事情。今注目の3製品

正しい使い方がわかったところで、ここからは現状で注目する3つのメーカーのドライヤーとその特徴を紹介しよう。

パナソニックは何といっても「ナノイー」が魅力だ。長い髪の女性がもっともその恩恵を受けるだろうが、男性にもよいことが多い。マイナスイオンの体積比で1000倍以上の微粒子イオン・ナノイーとミネラルマイナスイオンの2つが髪に付着し、その結果うるおいとツヤを得ることができる。たしかに、使ってみると指通りがよく、サラサラになった。

こちらに向くのは、カラーやパーマをしていたり、ゴルフなど屋外で過ごすことで紫外線を浴びて傷んでいたりという人。乾かしつつ、ケアできるというのが最大の特徴だろう。トリートメント的な使い方ができるのは、男女ともにうれしく家庭でシェアするのに便利だ。

次に、話題のダイソン。以前にも記事化されているが、こちらはその見た目から機構に至るまですべてが画期的だ。ドライヤーなんて関係ないと言っていた男性でも、CMで見かけるたびにギア好きの魂がうずいていたのではないだろうか?

何よりも特筆すべきは、風の強さ。風に角度をつけることで、髪をかきあげなくとも頭皮にまで届く。そのおかげで短時間で乾かすことが可能なのだ。また、標準で約62度と低めのため、過度な熱による髪と頭皮へのダメージが圧倒的に少ないというのもうれしい。忙しいビジネスマンにとって、この時短というのは判断の基準となるであろう。

そして、これらとは違うアプローチを試みたのが美容機器で有名なヤーマン。 前二者は主に風を利用するものだが、こちらは遠赤外線の熱で頭皮を乾かそうとする。そこに新作が登場した。従来、ヘッド部分の素材はセラミックだったが、新作ではブラックシリカを採用。これは遠赤外線の中でも 6〜20μmの波長を出し、育毛光線と呼ばれることもあるとか。何でも人体の細胞と共鳴作用があり、身体や髪を美しくすると言われているのだという。

また、乾かす以外にも温冷の2種類の振動をも加えられる。毎分3700回もの刺激を頭皮に与えられるので、例えば、乾かした後に育毛剤とともに使うのもいいだろう。エステ機器に強いメーカーならではの発想だ。
 

これからのドライヤーに求めたい要素とは?

さて、これはドライヤー全般に言えるのだが、機能としてはこれ以上ないほど充実している。しかし生活に落とし込まれているかというと私は常々、疑問に思っている。というのも日本の狭い洗面・脱衣所において不必要に大きな存在感をもってしまい、収納に困る場合が多々あるのだ。出しっぱなしにしておくとどうにも見た目が悪いし、ホテルなどのように引き出しにしまいたくとも、その大きさゆえ入らないこともある。ましてやアタッチメントなどがあればなおさらで、機能優先で、どうも使用シーンのシミュレーションがなされていない気がする。

女性のように髪が長ければどうしても必要なので、使わざるを得ない。しかし短髪の男性であればめんどくささが先に立つ。そんな状況でどこかから引っ張りだしてくるなど収納やアクションがしにくいとなると、余計に男性にドライヤーを使わせしめるのは難しい。こんなことも阻害要因となっているのは否めない。ぜひ、メーカーにはもっと工夫をしていただきたいと切に願う。

しかし、そう考えると、まだまだドライヤーの進化は望めそう。将来が楽しみにさえなってくる。

文/藤村岳

※『デジモノステーション』2016年11月号より抜粋

関連サイト

男性美容研究所 藤村岳 danbiken.net