くれぐれも本家を体験してから訪問を! 横浜の絶品焼き鳥「美鶏」

梶原由景の「間違いだらけのアプリde飲食店選び」

食にも精通するクリエイティブディレクター梶原由景が、足で見つけた”間違いない名店”を毎月紹介する。

 
今月の間違いない名店

美鶏(みどり)
神奈川県横浜市(焼き鳥)


 
※一度「里葉亭」の絶品メニューを食した上で行って欲しいという梶原氏のこだわりを受け、店舗データは非掲載とさせていただきます。
 

横浜は関内にほど近い、ちょっと淫靡な雰囲気のエリアに焼鳥の名店「里葉亭」はある

メニューはない、基本お任せ。まずは食前酒が供され、続いてお新香。この時点で涙が出てしまう。年月を重ねたぬか床が醸す滋味。特に山芋は商品にして売り出して欲しいほど。いつでも食べたいから。もつ煮、手羽先揚げと間断なく焼き物の前に一品料理が続く。そして前半の真打ちたる燻製が出される。卵の燻製の濃厚な旨味たるや。白レバーがあったならラッキーだ。

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いよいよメインの焼き鳥。手間を惜しまず、丁寧な仕事が施された一串一串は掛け値無しに感動に値する。ただ単に素焼きにされたかのような佇まいのピーマンは、中に美味しいスープを蓄えている。こぼさないように食べるべし。いちいち趣向が凝らされていてまったく憎らしい。

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そして最後には「フライライス」と名付けられたカレーチャーハンが用意される。レモンを絞って、付け合せの福神漬と食べる。焼き鳥の〆としてこれ以上のものを僕は知らない。最近はお店の提案で卵の黄身を乗せてもらったりする。これまた言葉を失うのみ。焼き鳥としては決して安いとはいえないが、値段以上の満足は得られる横浜の至宝なのだ。

さて、こんな「里葉亭」だがこの夏二号店ができたという噂を聞いた。適当なワードを並べ検索すれど情報は出てこない。あの巨大グルメ情報サイトにすら記載がない(※記事初出時)とは尋常ならざる事態だ。何とかして訪ねたいと思っていた矢先、横浜出身の知人が訪れているのをSNSで発見した。尋ねるとなんとFacebookの「里葉亭」のページで告知されているという。

「美鶏(みどり)」、それが「里葉亭」の二号店だ

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「里葉亭」二号店である「美鶏(みどり)」はコースオンリーで串7本と1、2品の料理が出てきて3500円。もちろん飲み物は別だが、食べログでも「里葉亭」の予算が8000~9999円と記載されている(お酒を楽しみすぎると往々にしてそれを軽々超えてしまうけど)ことを鑑みれば、なんとも魅力的な価格設定だ。

場所は横浜日本大通りあたりの、ミシュラン掲載店でもある焼鳥店「さいとう」と同じ路地にある。この最強の二店が並ぶとはなんとも凄いストリートになったものだ。

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まずは本家譲りのお新香を頂き、コースの7本へと続く。プリプリなハツは食べただけで元気が出てくる。新ネタ・アキレス腱はねっとりした触感が楽しい。ともすれば固くなってしまいそうなつくねは焼き手の腕前を推し量るに十分な優しい仕上がり。スープたっぷりのピーマンも健在。もちろんこれで終わるのはもったいない。お好みで2本ほど追加してもらう。メニューには載っていないけれど、最後には当然「フライライス」だ。

この記事が掲載されることろにはもうネットにも情報が様々出ているかしれない。だが、あえて今回は住所や問い合わせ先は伏せておこう。できれば「里葉亭」へ行き、その世界を体験した上でFacebookをチェックするなりして「美鶏」を訪れて欲しい。

「里葉亭」の味を継承しつつも、如何に新たな魅力を放っているかを実感してほしいからだ。リーズナブルなだけではない、本家に勝るとも劣らない串の一本一本はまさにプライスレスだ。

●ちなみに編集担当がアプリで調べてみた…

本原稿が執筆されている最中に、梶原氏の思いとは裏腹に「食べログ」に掲載されてしまったようだ。だが、本原稿でも記されている梶原氏の提案とおり、ぜひ本家 「里葉亭」の味をしっかりと確かめてから「美鶏」に行ってみてほしい。その味の魅力の理解が深まるはずだ。

 
文/梶原由景

幅広い業界にクライアントを持つクリエイティブ・コンサルティングファームLOWERCASE
代表。Webマガジン『honeyee.com』、デジタルメディア『Ring of Colour』などでオリジナルな情報を発信中。

※『デジモノステーション』2016年12月号より抜粋

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