緊急提言! 男たちよ、今こそ“薄毛”に立ち向かえ【パート2】

今、若い世代の薄毛の悩みが深刻だ。加齢や遺伝といった抗いがたい要因で薄毛・脱毛は進行するが、近頃はそれ以外に栄養不足やストレス、環境要因も密接に関係していることがわかってきた。そこで前回に引き続き、多くの男性が気になる「AGA(男性型脱毛症)」について探ってみよう。

前回の記事: 緊急提言! 男たちよ、今こそ“薄毛”に立ち向かえ【パート1】

「通常、男性がめったに触れないであろうコスメや身だしなみの最新情報や技術などを紹介し、日々の生活を新しい視点から見直せるようにしたい」という、男性美容研究家・藤村岳が、一流男子の所作や振る舞い、装いを身につけることの大切さを毎月綴る。今回のテーマはズバリ“薄毛”について、パート2。

 
前回はAGA(男性型脱毛症)の治療薬について解説を行った本連載。今回はその第2弾として、髪にまつわるアイテムやサービスについて考えてみたい。ちなみに、なぜ私がこんなにも髪に執着するのかというと、今まで「男が薄毛に抗うのはカッコ悪い」とされてきた風潮に疑問を感じたから。はたして、本当にカッコ悪いことなのだろうか?

自分の有り様をよくしたいと願うことがみっともないわけはない。毛髪だけではなく、スキンケアなど見た目を向上させるすべての行為は、人生を充実させる素晴らしい行為にほかならないからだ。まあ、前置きはここまでにして、早速始めよう。

シャンプーで髪は生えない、しかし……

この手の話題でよく質問されるのが「薄毛にいいシャンプーは何か?」ということ。身も蓋もないが、シャンプーやドライヤーで毛髪は生えない。ただし、脱毛に加速をかけないというものはある。つまり、好ましくない成分が入っていれば、薄毛を促進することはあり得るということだ。

頭皮は背中などの皮膚よりも経皮吸収率が高いと言われている。石油由来の強い界面活性剤や乳化剤、防腐剤など刺激物質が多量に入っていればそれだけ負担となり影響も大きくなる。そうするとよい成分のものを選ぶ方が賢いというのは自明の理。

たとえば、サロン専売の知る人ぞ知るブランド「イーラル」。ここの最高級ライン「イーラル プルミエ バランシングシャンプー(400ml/1万円)」が飛ぶように売れているという。というのも混合肌、ゆらぎ肌、乾燥肌と3つの頭皮の肌質に分かれ、それに合わせて成分が吟味されているから。しかも、サロンでスタイリストから自分の肌質や状態を見極めてもらった上で購入するので、最適なものを使える利点もある。ドラッグストアで安売り製品を買うのはもはや過去のもの。皮脂を根こそぎ取るのだけをウリにしている脱脂力の強いシャンプーは、あなたの薄毛を加速しているのかもしれない。

また、アウトバストリートメントも注目を集めている。これは入浴時のシャンプーなどのインバスとは異なり、浴室の外で行うケアのこと。男性もドライヤーで乾かす前に髪に塗布して熱や風の刺激から守り、栄養を与えるアイテムを使う方がよい。それにはヘアサロン「ツイギー」の設立者・松浦美穂さんがプロデュースする新製品「TWI ヘアオイルリッチ(30ml/4200円)」が最適だ。風呂上がり、タオルドライをした湿った髪にサッと塗布してから乾かすと若々しく見えるツヤを与え、冬の乾燥にも負けないなめらかな指通りが得られる。

イーラル プルミエ バランシングシャンプー(左)、TWI ヘアオイルリッチ(右)
イーラル プルミエ バランシングシャンプー(左)、TWI ヘアオイルリッチ(右)

今や、植毛とウィッグも選択肢のひとつ

実は植毛やウィッグも驚くほど進化している。まず植毛。以前は後頭部から一直線に畝のようにかなり大きな面積で植え込む苗となる髪と毛根を採取していた。これだと空いた部分を縫い合わせる必要があり、大掛かりな手術だった。が、最近はスポットで採取することができ、負担は激減。植え込む際のマシンも改良が進み、ひとつの毛穴から出ている髪の本数まで選べる。通常、生え際などは毛穴に対して1本が自然に見え、頭頂部などは2~3本毛がよいとされる。それを無視して、とりあえず今ある苗を植えてしまおうとする従来のものより自然に仕上がるのは当然だ。

そして、植える際に現在かろうじて残っている毛穴に植えるのではなく、新しく頭皮に穴を穿って植え込むことでより定着率もよくなった。ここで、植毛と言っているのはあくまで自毛植毛であって、人工毛ではない。異物を植毛するのはアメリカでは禁止された。拒絶反応があるので、絶対に避けたほうがいい。

さらに、ウィッグも以前のイメージとは異なる。カツラというと帽子のように被ってしまうものとお思いかもしれない。しかし、最近は地毛を生かしつつ、足りないところに付けるスポット使いのものも豊富に出てきた。これは女性用のウィッグに多く見られるタイプ。その人の髪の色や毛質などときちんと合わせれば、不自然にはならない。

ただどちらの方法も費用が掛かるのはたしか。植毛は体への負担があり、ウィッグはこまめなメンテナンスが不可欠。しかし以前のようなとってつけたような不自然さはなく、薄毛に抗う男性が選び得るものとなっているのも事実だ。

短い・薄いからこそ、ヘアスタイルにこだわる

女性はパーティやデートの前に髪をセットする。アメリカでは家でシャンプーをせず、シャンプー、ブロー、ドライだけのサロン「JET SET DRY BAR」が人気に。2年前に日本にも進出し、東京・広尾の1号店は予約が取れないほどにまで話題を呼び、先日、麻布十番に2号店を構えた。

JET SET DRY BAR  麻布十番店 (東京都港区元麻布3-10-2 VENT VERT1F&B1F TEL: 03-6804-2107)
JET SET DRY BAR 麻布十番店
(東京都港区元麻布3-10-2 VENT VERT1F&B1F TEL: 03-6804-2107)

一般的に短髪の男性ほど、ヘアスタイルを重視していない。しかし、見た目の印象をよくするために実はとても重要だ。分け目をいつもと変える、前髪を上げたり下ろしたり、ヘアアイロンでパーマ風に仕上げるなど、短いなりにいろいろと遊ぶべきだ。

さらに、髪が少ないからなどと気後れしなくていい。それを踏まえて、自分では思いもつかなかったデザインをするのがプロ。どんなに服装をキメてもヘアスタイルがきちんとしていないと魅力は半減する。だからこそ自分で適当に済ませるのではなく、プロによるセットを一度体験して欲しい。きっと新たな自分を発見できるはず。 シャンプーとドライ、セットで3950円。これを高いと考えるかどうかは美意識次第だ。

再生医療が新しい道を提案する

最後にさらなる朗報をひとつ。実は、資生堂や京セラが自己の後頭部から幹細胞などを採取して培養し、それを移植する毛髪の再生医療の研究を進めている。治験も実施されており、早くて2020年頃の実用化を目指すとのこと。これも大いに期待が高まる。

前述した植毛では採取数=植毛数だが、細胞を培養するので採取する数がはるかに少なく負担も減る。また、内服や外用など医薬品を用いた治療では、一旦薬をやめると薄毛は進行するが、再生医療ならばその効果は持続。また細胞のガン化などの点をクリアできれば、副作用も減る。

だから、男たちよ、今や積極的に薄毛に抗うことはみっともなくない。むしろイマドキの美徳なのだ。

文/藤村岳

※『デジモノステーション』2017年1月号より抜粋

関連サイト

男性美容研究所 藤村岳 danbiken.net