PSVR、本当の楽しみ/THETA SCのススメ/6秒動画のVineが終了へ【インターネット鵜の目鷹の目】

ネット上に溢れる情報の旬をお届けする「インターネット鵜の目鷹の目」。第二回です。今回のお題は『PlayStationVR』(以下PSVR)、『THETA SC』、『Vineの終了』です。

世永玲生の「インターネット鵜の目鷹の目」: マーケティングコンサルタント世永玲生が、自身のFacebookのフィードに流れてきた、
インターネット界隈の気になるトピックを独自視点で分析、レポートする。

【話題1】
VRの真打ちである『PSVR』、本当の楽しみ

05yonaga02

各地にVR体験型アミューズメントが開設され、全国的に高まる“VR熱”のなか、ついに出ました『PSVR』。このハードは『PS4』の周辺機器なのですが、とにかく凄いの一言です。いわゆる“VRヘッドセット”って、すでにいくつも登場しているのですが、まさに真打登場と言って間違いないでしょう。最大の特徴として、体験するためのセッティングが他の競合に比べて、“マニア向けのガジェット”から“おもちゃ”レベルにまで昇華されてきていることがあげられます。

次に、装着感に優れ、レンズを意識することなくVRの世界に入り込める点が見逃せません。カメラで言うところの“ケラレ”的にレンズ枠が視界に入ることもなくなりました。

つまり、簡単に、そして違和感なくVRの世界に入り込める“おもちゃ”がついに家庭内にやってきたのです。

さらに、シネマティックモードでの体験も圧巻。これは、最大226インチ相当のバーチャルスクリーンで動画やVR非対応のゲームを楽しむことができるモードなのですが、“座ったまま別の世界へ”という、VRへ皆さんが求める欲求を一番わかりやすく体感できるのは、このモードかもしれません。なにしろ、部屋のソファーの前に大画面が突然登場するのです。『Netflix』や『Hulu』や『Amazonビデオ』、そして『DMM』など、大手動画配信サービスのほとんどが対応しているので、映画好きの人には特におすすめです。このモードに関しては『PS4』がなくても、手持ちのHDMI端子搭載機器を接続しても楽しめます。

そして、この連載のテーマでもある「繫がり」を利用したバイラル力が強烈です。通常、皆が集まって話題のゲームをやる場合、見ている人は“順番待ち”なのですが、『PSVR』ではプレイしている人を見ている側こそ面白い、最高のパーティーツールです。目隠しをした友人が、悲鳴を上げたり、椅子から落ちたりするのを眺めながら皆で楽しむことができるゲーム機、それが『PSVR』なのです。

普通ゲームを購入する際に人々が参考にするのは、実際のゲームの画面であったり、プロモーション用の動画だったりだと思います。しかし、『PSVR』はSNS上に溢れる動画を見ればわかると思いますが、友人たちの悲鳴であったり、驚いている様子だったりがメインコンテンツです。

これらをみた人々は口々に「欲しい!」「買いたい!」と購買意欲をくすぐられ、購入後は友だちを呼んで動画を撮影してアップ。こうして無限に口コミの輪が広がっていくのは圧巻のマーケティングエコシステムです。

【話題2】
PSVRとの連動により高まった、『THETA SC』の価値

05yonaga03

全天球画像=上下左右全方位の360度パノラマ画像が簡単に撮れる『THETA SC』。シリーズ最上位モデル『THETA S』の廉価版という立ち位置です。既に出ている商品の新ラインナップである『THETA SC』に注目している理由は、先に上げた『PSVR』との連動による新しい体験があるからです。

『THETA SC』で撮影した全天球画像や動画は、『PSVR』との連動によって、将来まるでその場に居合わせているように追体験することが可能です。子供がいる家庭では、子供との思い出作りに何より最適ですし、例えば入院中のご老齢の方に対して、家族全員の元気な姿を見せることもできるのです。20年後に今見ている風景をそのまま思い出として残して、子供に「繋ぐ」ことが可能なのです。そんなガジェットって今までありそうで無かったと思いませんか?

なお、『PSVR』以外にも、既に発売済みの各種VRガジェットでも、外部の全天球画像や動画に対応しているものでは再生可能です。VR世代の“鉄板セルフィーカメラ”として1台持っておいて損はありません。

【話題3】
急成長からの急降下。「Vine」のサービス終了

05yonaga04

2013年1月にスタートし、爆発的なユーザーの伸びを見せていた『Vine』。いわゆる6秒動画を使ったSNSです。これからの時代は動画、しかも6秒などと随分持て囃されていたものです。その『Vine』が終了することがついにアナウンスされました。『Vine』はその急成長同様、その衰退もあまりに急でした。MAU(月間アクティブユーザー)は2015年3月をピークに、現在は半数になっています。2年で急成長し、1年間で半減したということになります。

すでに全ユーザーのうち約85%が『Vine』にログインするのを辞めており、回復の兆しが見えないといったとこでしょうか。2016年7月には開発の中心メンバーが既に辞職していたのですが、この『Vine』崩壊の兆しは、実はもう既に2015年末には明らかになっていました。

『Instagram』や他のサービスへの投稿者の流出に危惧を抱いていた『Vine』は、トップクリエイターと呼ばれている投稿者に、年1億円以上の報酬を引き換えに定期的な作品の投稿を取り付けていたのですが、その試みもニュースサイト『BuzzFeed』にすっぱ抜かれ頓挫しました。その結果、多くのトップクリエイターは投稿の主戦場を『Snapchat』や『Instagram』といった他のサービスへと切り替え、さらに求心力を失った『Vine』はクローズすることになったわけです。

『Vine』の創業者は「あなたの会社を売ってはいけない」と、Twitterでつぶやいていました。『Vine』は独自SNSの中でも特に「繫がり」が一方的なサービスで、人気者と観客にユーザーが分かれてしまいがちです。しかも、フィーチャーやピックアップがローカライズされておらず、サービス自体に国境も無いことから、階層間の格差は解消されることがなく、拡大に次ぐ拡大を続けることのみで、サービスが成立する仕組みになっていました。

一方で、画像SNSの『Pictory』のように、2年間で50倍のPVにまで成長するサービスも出てきてます。その差を「繫がり」の構造と質の面で見てみるのも、今後面白いのではないでしょうか。

文/世永玲生

※『デジモノステーション』2017年1月号より抜粋

関連記事

インターネット鵜の目鷹の目・記事一覧