電動SUV『テスラ モデルX』試乗レポ「クルマというか宇宙船レベル!?」

まるで宇宙船に乗ってる気分!?

テスラ『モデルX』を試乗した感想を一言でいうと、そんな感じでしょうか。ガルウィングならぬ「ファルコンウィングドア」が注目を集めるテスラのSUV『モデルX』ですが、近未来的なのは外観だけじゃありませんでした。もちろんテスラらしく、100%電気で走る電気自動車でもあります。

ドアが自動で開いて迎えてくれる

まず、クルマに乗り込むところからして未来的。

運転席側からスマートキーを持って近付くと、自動でドアが開きます。片手にバッグ、片手にコーヒーを持った状態で乗り込もうとしても大丈夫。ドアには超音波センサーが内蔵されているので、不用意に近付いたとしてもぶつかってしまうことはありません。これは、後ろのファルコンウィングドアも同様で、天井の低い場所でドアを開いてもぶつかることはありませんでした。

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しかも、ドライバーズシートに乗り込みブレーキペダルに足を載せると、運転席のドアは自動で閉まります。確かにブレーキを踏むということは、これからモーターを起動するということなのですから、その操作でドアが閉まるのは非常に合理的です。

運転席に座って上を見上げると、フロントウィンドウが頭上まで伸びていることもあって開放感は抜群。宇宙船的な雰囲気の演出には、このウィンドウも一役買ってくれている印象。適度に身体を包み込むようなシートと相まって“コックピット気分”が高まります。

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試乗当日は日差しが強かったので、車内はかなり暑くなるかもしれないと危惧していましたが、上部に行くに従いガラスがサングラスのように黒くなっているため、車内が高温になることはありませんでした。

電気モーターの強烈な加速は健在

試乗したのは前後にモーターを搭載した「P90D」という4輪駆動モデル。前後モーターを合わせた最高出力は471PSで最大トルクは830Nmです。出力などは以前に試乗した『モデルS』と同等ですが、『モデルX』は車体が一回り大きいのが大きく違うところ。クルマが動き始めると、確かに車体のサイズが大きいことは感じられるものの、『モデルS』と比べて加速感が鈍ったような印象はありません。アクセルを一踏みすれば、ガソリン車では感じたことがない弾かれたかのような加速を味わうことができます。音もなく(正確には少しだけモーター音がしますが)、シートに身体が押し付けられるようなGを感じながら加速していく様も宇宙船っぽいです。

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ここまでハイパワーだと、車体がちょっと重くなったくらいでは走りのフィーリングにあまり大きな差は感じられませんね。SUVらしく車高も上がっていますが、床下に重量物であるバッテリーを搭載しているおかげで重心の腰高感はなく、地面に貼り付いたような安定感。振動もないので、ほかのSUVではなかなか味わえない乗り心地を体感できます。

タブレット感覚で車体の操作が可能

テスラ車のインテリアとして象徴的な、センターコンソールに搭載されたタブレット状の17型タッチパネルは『モデルX』でも健在。本当にタブレットのように画面をタッチしたりなぞったりするだけで、ドアの開閉や車高の上下、エアコンやシートヒーターの調整など、ほぼ全ての操作ができてしまいます。

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車高もタッチパネルで操作が可能。

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前後のドアもタッチパネルの操作で開閉できます。

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シートヒーターの効き具合も選べます。

自動運転機能も進化

『モデルX』の市販バージョンには、「バージョン8.0」というソフトウェアが搭載され、自動運転機能も大きくバージョンアップされる予定です。残念ながら今回試乗した車両はまだアップデート前のものでしたが、今年5月に試乗した『モデルS』よりもいくつもの点でブラッシュアップが図られています。

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以前の試乗時からバージョンアップされていたポイントの一例。周囲のクルマなどが画像で表示されるのですが、トラックやバイクなども個別の特徴をとらえた形で表示できるようになっていました。

こうしたバージョンアップが通信回線を介してワイヤレスで行えるのもテスラ車の特徴。17型タッチパネルを操作して、一晩寝ているうちに自分のクルマに新たな機能が追加されているなんてワクワクしますね。

『モデルX』はもはやクルマではない!?

今回の試乗では高速道路を中心に往復約300kmの道のりを走りました。振動の少ない電気自動車で、しかも自動運転機能を駆使して走行すると、思いのほか疲れが少ないことに驚かされます。大げさにいうと、普通のガソリン車に比べて疲れが半分くらいになる印象。この感覚は以前、『モデルS』で北海道往復約1600kmを走破した際にも感じたことですが、それでもまだ『モデルS』はクルマを運転しているという感覚がありました。でも、今回乗った『モデルX』はSUVではあるものの、クルマではない何かに近付きつつある雰囲気を強く感じたのです。宇宙船というのは言い過ぎかもしれませんが、ちょっと昔の未来予想図に登場する「チューブの中を走る未来のクルマ」を操っているような感覚。テスラはすでに未来への扉を開けつつあると予感させてくれる試乗体験でした。

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文/増谷茂樹 撮影/下城英悟(GREEN HOUSE)

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テスラ・モデルX

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