この快感を待ってた。PS Vita『サガ スカーレット グレイス』組み立てがいのあるバトルと“ひらめき”が再び!【ミニレビュー】

念願の新作、遊んでよかった!

さる12月15日、人気RPG「サガ」シリーズの最新作『サガ スカーレット グレイス』が発売されました。制作発表から約2年、リメイクなどを除く純粋な新作としては10年以上ぶりということもあり、まさにファン待望の一本です。対応ハードはPlayStation Vita。

先日、PlayStationの公式ブログにて本作の発売を記念したプレイレビュー座談会が実施され、DIGIMONO!編集部からは筆者も「スタッフY」としてこっそり(?)参加。「サガ」ファンなりに思いのたけを語ってきました。

 
この座談会でもプッシュさせてもらいましたが、遊んでみると“サガらしさ”が随所に感じられるゲーム。そして “サガらしさ”って何だっけ? ということを思い出せてくれる作品でした。今回は、実際にプレイしてわかった本作の見どころを本サイトでもかいつまんでご紹介します!

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組み立てがいのあるバトルと“閃き”。パズルゲーム的な楽しさも

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バトルシステムに定評がある「サガ」シリーズですが、『サガ スカーレット グレイス』(以下『サガスカ』)でも第一に注目すべきはバトルの楽しさ。状況に応じキャラの行動回数に制限がかかるターン制バトルで、命令ひとつひとつに重みがあるシステムです。チェスとか将棋のような戦略性をはらんでいるというと分かりやすいかも。

「サガ」シリーズでおなじみの「ひらめき」システムが健在なのはうれしいところ。行動順が回ってきたキャラがランダムに新しい技を取得・披露するというもので、ひらめいてくれるかどうかは運次第。これに加え、バトルをスリリングにする新システム「連撃」では、各ターン内で味方or敵の行動順が連続した瞬間に強力な連続技が発動します。こちらはパズルゲームによくある「連鎖させてつなげて消す」しくみに近い楽しさ

また、特にバトルに関しては、『Sa・Ga2 秘宝伝説』(1990年)以降で多数のシリーズ作品を手がけてきた伊藤賢治さんによるBGMも外せません。ヒロイックでハードロック色の濃い“イトケン”サウンドが、カッコいい演出・グラフィックとともにバトルを盛り上げます。

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▲技の“ひらめき”システムは『ロマンシング サ・ガ2』(1993年)以降で採用されている。(写真はスーパーファミコン『ロマンシング サ・ガ3』(1995年)のもの。電球の効果音の小気味よさはシリーズでも随一!)

極端なまでの“省略”=メリハリがもたらす意外な効果

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オーソドックスなRPGを想像して『サガスカ』に触れると驚くのが、世界が広大なフィールドマップのみで完結しており、“街やダンジョンの探索”の概念がないこと。ほとんどの会話やイベント、敵とのバトルなどは、フィールドマップ上にポップアップするオブジェクトに触れることで始まります。

あまり多くを説明せず、ユーザーの想像力に委ねるシナリオもあいまって、序盤は戸惑うこと必至。思わず不安を覚えるほどの極端な割り切りぶり……しかし、しばらくプレイしていると「あ、色んなことに気をつかわなくていいからバトルに集中して遊びやすい!」と気づかされます。バトルに結構頭を使うゲームである分、結果的にこの割り切りがメリハリとして効いている。

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なお、本作では男女4人の主人公キャラそれぞれに異なる物語が用意されています。主人公は任意で選ぶこともできますが、ゲーム開始直後に現れる流れ星からの問いかけ(2択の心理テストのようなもの)に答えていくことで、よりプレイヤーの性格に合ったパラメータの主人公が選ばれるという仕組み。冒頭にこれといった説明がなく急に2択が始まるので面食らいますが、こういうラフさもいい意味で“サガっぽいな”と感じられるところです。

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▲ちなみに、こちらは『ロマンシング サ・ガ3』の主人公キャラ選択画面。宿星(星座)の選択によりステータスが決定するという、占い要素の強いシステムはこの頃から存在した。

“サガらしさ”=快感へのこだわり。「ロマサガ」世代はぜひプレイを!

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「ひらめき」を始め、歴代「サガ」ファンの思い入れが深い部分は継承しつつ練り込まれたバトルシステム。「連撃」の発動など、勝敗を分ける一発逆転要素の数々は本作のバトルをスリリングにしています。これらの新システムを使いこなし、ギリギリのかけひきを経て勝利できたときの快感が本作の楽しさのクライマックスに。

過去を振り返れば、これまで作風が次々に変わってもコアな“快感”の部分が大事にされていたのが「サガ」シリーズ。『サガ スカーレット グレイス』は、バトルに重点を置き、待たされたり、作業っぽいことは極力省略。ゲーム本来の“快感”をあらためてクローズアップしたRPGになっていました。

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▲『サガスカ』初回生産特典には、ゲーム内アイテム「ねんがんのアイスソード」のプロダクトコードが付属。これは『ロマンシング サ・ガ』(1992年)の名台詞「ねんがんの アイスソードをてにいれたぞ!」に由来するもので、「サガ」ファンが「ゆずってくれ たのむ!!」という思いをこめて特典を予約したであろうことは想像に難くない。

短い時間ごとに刻んでもプレイしやすい設計は、携帯機であるPS Vitaとの相性も納得。あらゆる要素がてんこ盛りの、いわゆる超大作指向のゲームには手を出しづらくなってしまった……という人にこそ遊んでほしい一作になりました。特にスーパーファミコン時代の「ロマンシング サ・ガ」3作に熱中した世代のプレイヤーには、筆者の実感もこめておすすめします。

文/柳 雄大(編集部・「ロマサガ」直撃世代)

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関連サイト

スクウェア・エニックス『サガ スカーレット グレイス』公式サイト

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