世界最大の家電ショーを見て断言「2020年までに絶対ヒットするガジェット」

『CES』を見れば、数年後の未来が見えてくる──。
というわけで、今年は弊誌連載陣としてもおなじみ、携帯電話研究家の山根康宏氏が『CES 2017』の取材を敢行。独自視点で、2020年に間違いなく我々の生活に入り込んでくるガジェットについて予測してもらった。

ガジェットの進化は止まらず。自宅にいながら何でもできる時代へ

“ちょっと先の未来には買えるようになるプロダクト”の展示が目立った『CES 2017』。数年後の近未来を先取りしたような製品が目白押しだった。なかでも家電のめざましい進化ぶりは、時代が新たなステップに突入したことを感じさせてくれる。音声認識に対応し、スマホを使わずとも操作可能な製品が増え、ショッピングをしたい時も声をかければ注文が完了。スマホの代わりに執事ロボットが家の中にあれば、身の回りのことが何でもできる。

しかもその中心に位置するのはグーグルやアップルではない。『CES 2017』ではアマゾンのAI(人工知能)音声認識技術『Amazon Alexa(アレクサ)』対応の製品が各社から続々登場。ショッピングだけではなく、情報収集や家電コントロールまでアマゾンに依存する時代が到来しそうだ。冷蔵庫の扉は情報への入り口となり、テレビの薄型化は壁と一体化するほどに進む。あらゆる家電から自動車や自転車までもがネットに繋がるIoT時代を迎えることで、必要とする情報がどこにいても入手できるようになる。こうした時代には、個々の嗜好を判断するためにAIが活用されることになるだろう。今後もアマゾンの動きには要注目だ。

もはや日用品となったスマホは、性能よりも使い勝手を重視する動きが加速化。両画面化やキーボード搭載、合体分離など、本体の形状はますますバリエーションが増えていく。ソフトSIMの普及で国内・国外どこでも最適な料金を自在に選ぶことができるようになるだろう。一方、スマホと連携するスマートウォッチは、デジタル時代に反してむしろアナログ時計風の外観に回帰。常に身に着けるツールとして、デザインや性能が強化される。

VR(バーチャルリアリティ)やAR(拡張現実)はエンタメのみならず、洋服の試着など、いたるところで使われる技術となる。体感センサーを身体に装着し、自宅にいながらリアルな体験を味わうことも出来るだろう。空撮や物流の現場にドローンが普及することにより、見たこともない景色の映像を見たり、自宅にいながら24時間いつでも荷物の受け渡しが可能になる時代も近い。

2020年には家から一歩も出ることなく何でもできるようになるだろう。大画面テレビやVRを通し、現実とほぼ変わらぬコミュニケーションを図ることだってできるのだ。

冷蔵庫がスマートホームの中心に!

冷蔵庫正面の大型ディスプレイのタップ操作や、話しかけることでの情報収集やオンラインショッピング、スマホや家電との連携ができる冷蔵庫が次々に登場。

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Samsung
『Family Hub 2.0』は、TizenOSが動く約30型の大型ディスプレイを備える。自社技術の音声認識で、ネット注文やアプリの起動も可能。テレビやスマホの画面をミラーリング投影することもできる。内部カメラにより、スマホからの庫内監視も可能。キッチンを家庭のITハブ化する高機能冷蔵庫だ。

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LG
29型ディスプレイをダブルタップすれば画面が透け、冷蔵庫内を見られるように。WebOSが動作し、各種アプリを利用可能。『Amazon Alexa』に対応しており、音声による操作もお手の物だ。

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Haier
中国の大手家電メーカーもスマート冷蔵庫に参入。独自OSが動き、ネットからの情報収集や食品注文をアプリで行える。同社の家電と接続すれば、冷蔵庫で家庭内の家電操作も可能。

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Aribaba
中国国内で大手ECサイトを運営する『アリババ』が、スマート冷蔵庫を参考出展。外部カメラで利用者を撮影し、体形に応じた料理レシピや食品を薦めるなど、AI的な機能も搭載する。

スマホが再びハードウェアの進化を競う

単純なスペックアップ競争ではなく、ギミックや機能を強化した製品が次々に登場。従来のスマホの使いにくさを補うハードウェアの進化は、まだまだ止まる気配がない。

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GraalPhoneの4 in 1タブレット
まさかの4in1デバイス。開けばノートPC、畳めばタブレット、横からはスマホが飛び出し、背面には3D撮影対応ズームカメラが。これ1台であらゆる用途をカバーするスグレモノ端末だ。

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Android搭載BlackBerry
自社ハードウェア開発から撤退したBlackBerryは、中国TCLが引き続き製造販売することに。さっそく登場したキーボード端末は質感も高く、キーの押し具合も最高。BlackBerryの魂は永遠に不滅だ。

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Hisenseの両面ディスプレイ搭載機
裏側に電子ペーパーディスプレイを搭載して、二画面を自在に使える(写真左が表面で右が裏面)。裏面には電子書籍を楽しんだり飛行機に乗るときのe-チケットを表示可能。画面の使いわけで長時間利用が可能だ。

執事ロボットが一家に一台の時代到来

天気予報や日々のスケジュールを確認するのに、スマホはもはや不要。AIを搭載した執事ロボットが、豊かな表情やアクションを織り交ぜながら、求める情報を自動的に教えてくれる。

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LG HUB ROBOT
顔の部分はディスプレイ。AI機能を搭載し、豊かな表情やネットの情報を表示。家電とも連携でき、エアコンのオン/オフといった指示を対話形式で行える。『Amazon Alexa』に対応し、音声指示による買い物も可能だ。

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Panasonic たまご型卓上パートナーロボット
必要な時だけたまごが開き、内部からプロジェクターが現れる。このプロジェクターが情報を机上や壁に投影してくれる。上下左右に踊るように動き、子供のような声で語りかけてくれる。

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BOSCH Kuri
料理のレシピや今日の予定などを、会話しながら教えてくれる。必要な情報は本体内蔵のプロジェクターが壁に投影。本体は動かないが顔部分は360度回転する。

ドローンの商業利用もいよいよ始まる

一部の愛好者が楽しむツールだったドローンだが、いよいよ一般消費者への普及や商用利用が当たり前の時代になる。小型サイズから大型モデルまで、見上げれば常にドローンが飛んでいる時代がやってくる。

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Mercedes-Benzデリバリー用ドローン
専用配送車のルーフトップにドローンを装備。住宅地まで車で荷物を運び、そこから個々の家庭まではドローンで配達。荷物の集荷も可能だ。

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セルフィー用Hover Camera Passsport
スマホケースに超小型ドローンを収納。ケースは充電器にもなる優れもの。撮りたい時にさっと取り出し、空中に浮かべて撮影できる。

テレビはさらに薄く、インテリアに調和する

バックライト不要の有機ELテレビは、薄型化に拍車をかける。外部との接続もケーブル1本で、まるで壁紙のようにどこでもテレビを設置することができるように。

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壁紙並みのLG SIGNATURE OLED TV Wシリーズ
「壁紙テレビ」というコンセプトで厚さはわずか2.57ミリ。ドルビーアトモスも搭載し、この薄さからは想像できない臨場感あふれる音声を再生する。

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画面から音が出るSonyのBRAVIA A1E
ディスプレイパネルが振動しで音を出す「アコースティックサーフェス機能」によりスピーカーレスに。映像と音が一体化した、リアル感あふれる映像再生が可能。

あらゆるモノがIoT化されて、もはや普通になる

身の回りの日用品がインターネットにつながるのは当たり前に。「こんなものまで」と思える製品までスマホと連携し、毎日の生活がより快適で便利になる。

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マイク内蔵のヘアブラシ
髪をとかす音をブラシ内側のマイクでモニタリングし、髪の健康状態をチェック。アプリで髪のケア方法を教えてくれたり、適切なシャンプーの注文も可能。

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AI搭載のヘッドフォン
イヤーパッド内部に多数のセンサーを搭載し、気温などその場の環境に応じた音楽をネットから自動検索してストリーミング再生。個人の好みを学習するAI機能も。

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Android内蔵の電動自転車
走行位置や走行距離を自動でトラッキング。ライトのオン/オフもアプリから。4G通信機能を搭載しており、モバイルホットスポットにもなる。盗難時の追跡も簡単だ。

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カメラ内蔵の目覚まし時計
時計部分はディスプレイにもなり、SNSの通知やニュースの表示などができる。また、カメラを通じて家族や恋人との映像コミュニケーションも可能だ。

ようやくスマートウォッチもスタンダードに

多種多様なアプリが使える「超小型スマホ」的な製品、メインの時計として使うことを考え機能を厳選したモデルや、デザイン重視のモデルなど、スマートウォッチ製品の多様化がはじまる。

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CASIOのPRO TREK
最新のOS「AndroidWear 2.0」を搭載。カラー地図と低消費電力GPSを内蔵し、スマホと接続していない状態でも測位や地図の表示が可能。時計単体での利用なら、1カ月以上充電が不要だ。

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体温でチャージできるスマートウォッチ
スマートウォッチを使っていて面倒に感じる、日々の充電作業から解放してくれるのが『PowerWatch』。熱電発電技術を使い、腕にはめているだけで発電してくれる。

VRの楽しみは“見る”から“感じる”へ

専用のヘッドマウントディスプレイを通して、映像を見るだけではなく、身体を通してVRコンテンツを楽しめる様々な種類のウェアラブル機器が登場。

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CerevoのTaclim
腕にはめるグローブと足にはめるシューズのセット。VRコンテンツの動きに応じた細かい振動が手のひらや足に伝わり、バーチャル体験をよりリアルなものに。VRの入力機器としても利用可能。

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VRセンサー内蔵シャツ
薄手のシャツに身体の動きを細かく検知するセンサーが織り込まれている。洗濯もできるので、全身を使ったゲームやフィットネス系VRコンテンツでの利用にも最適だ。

文・撮影/山根康広

山根康広/携帯電話研究家
香港在住の携帯電話研究家・ジャーナリスト。世界の携帯電話事情を中心に取材をする。携帯電話1400台、SIMカード500枚以上を所有するコレクター。本誌では『ケータイ西遊記』を連載中。

※『デジモノステーション』2017年2月号より抜粋