家電アナ・吉田尚記、ラスベガス「家電のコミケ(?)」潜入レポート
NVIDIAが大躍進
VRラインナップも充実
昨年末、コミケで己の欲望を満たし家族を真顔にさせていたニッポン放送アナウンサー・吉田尚記は、正月休みを沖縄で過ごしバッチリ家族サービス。なんとかポイントを稼いだパパは、再び己の欲望に突き動かされ単身ラスベガスへと飛んだ。

「目的は世界最大級の家電見本市“CES 2017”参戦! 今年のトレンドは“自動運転”。自動車メーカーはもちろん、パナソニックなど家電メーカーも電気自動車向けの製品やコンセプトの発表で沸くなか、最も輝いていたのがGPUメーカーのNVIDIA。自動運転のAIシステムには高速演算が必須。高性能GPU製造で培った高速処理技術を持つNVIDIAは、世界有数の人工知能メーカーへと成長したんだ」と、最先端技術に触れた夢のような時間を振り返る家電アナ。

「今回のCESでは体に様々なデバイスを装着することが多かった。ハイエンドVRデバイス『HTC Vive』では手袋型のコントローラや、バーチャル空間でドラムを叩くとライブハウスで自分がドラムを叩いているような映像を同時出力してくれる、現実とVRを融合させるような試みもあった。また、ヘッドマウントディスプレイは主流のゴーグル型の次の流れとして、よりカジュアルなメガネ型を考えるところにきているんじゃないかな? 現在のVR系のギアはどれを着けていてもちょっと違和感がある。ウエアラブルデバイスをより自然に、違和感なく装着させるニーズは絶対あると思うし、そこにイノベーションがあるハズ。今回ヘッドホンの新製品を多く見かけたんだけど、ヘッドホンって世間に一番浸透しているウエアラブルデバイスだからね」。

興奮冷めやらぬ家電アナに最もインパクトのあった展示を聞くと、「パンツ一丁の男たちが満面の笑みで並んでいた、電磁波からナニを守るボクサーブリーフのブース」とのこと。まさに電波乱れる今の時代に必須のスマートブリーフ。股間にナニかあっちゃ、タマらないモノな。
インディーズこそ面白い!
家電のコミケ“サンズ会場”
「個人的に自動運転そっちのけで楽しんだのが、スタートアップベンチャーが集まる“サンズエキスポ会場”。新興ベンチャーでひしめき合う1階は例の電磁波ガードブリーフの説明員が半裸でうろついてたり、自動追尾スーツケースが人の後ろを追って走り回ってたりと家電のコミケ状態。会場内では珍妙なデザインの案内ロボットを多く見かけたけど、実用化にはまだ遠いという印象。人工知能が自動運転に活かされる一方で、いわゆるロボットとしてのAIは手探りの状態だと感じたなぁ。有名ベンチャーが集まるサンズの2階で盛り上がっていたのが、家電メーカーCerevoの『Taclim』。世界初の触感センサーを搭載したVR用シューズ&グローブで、例えば雪道を歩く際のリアルな触覚が足にフィードバックされるんだ」と、家電アナはサンズのインディーな熱気を堪能したようだ。

「ドローンもCESの注目テーマ。顔認識や自動追尾搭載の小型ドローンの登場で、自撮りも次のステージを迎えそう。インターフェース関連も盛況で、音声認識プラットフォーム『Amazon Alexa』搭載のスマートホームデバイスが目立ってたね。今年も“IoT”の進化から目が離せない。自動運転以外にもスマートモビリティは要チェックで、試乗してみて感動したのが電動車いす『WHILL』。会場に設置された砂利道も余裕で移動でき、手元の運転操作も簡単。デジタルの進化は人の暮らしを支えるんだ。例えば、こんなふうにね」と、おもむろに“GPS失くし物タグ”を取り出す家電アナ。
「実は帰りの飛行機の乗り換えで娘に買ったおみやげをロストしてるんだけど、紛失物が今どこにあるかGPSで追跡しようと思って」。
デジタルを味方に付け余裕を見せる家電パパだったが、「あれ? 位置情報が更新されてない。追跡結果がラスベガスのホテルって、ンなワケあるか! そこそこ有名なメーカーの製品なのにダメだなぁ」とご立腹。まったく、サンズの1階から出直してほしいものである。
文/アメリカ・アマゾン(@America_Amazon)
※『デジモノステーション』2017年3月号より抜粋