今日が30周年!:TM NETWORK『Get Wild』【アナログ&CD歴代シングルPLAY BACK】

【8cmシングルPLAY BACK・特別編】
通常の12cm CDより小さく、短冊状のケースに収められた8cm CDは1990年代のCDシングルのメインストリームでした。そんな8cmシングルを、CDにとっての“記念日”にプレイバックする連載企画。今回はその特別編として、8cmシングルとしても発売されたTM NETWORKの名作『Get Wild』を特集! アナログ7インチ盤、リミックス盤を経て8cmシングル・12cmシングル、そして本作の30周年記念に発売される最新12インチ盤まで一同に集めご紹介します。

 

TM NETWORK『Get Wild』について

『Get Wild』の始まりは、テレビアニメ『シティーハンター』のエンディングテーマ「Get Wild」を表題曲とする2曲入り7インチレコードでした。TM NETWORK(以下TM)のデビュー4年目・10作目となるシングルであり、彼らは本作でようやく満を持してのブレイクを果たしました(オリコン週間シングルチャートでの最高位は9位)。B面には、先行して発売されていたアルバム『Self Control』より「Fighting」をシングルカットして収録。

本作の発売日は1987年4月8日、価格は700円。当時のレーベルはエピックソニーレコード。

『Get Wild』7インチシングル盤ジャケット(表面)

アニメ『シティーハンター』のエンディングテーマ起用を前提として作られた「Get Wild」。街を出て行く者、暗闇を走り抜ける自動車のイメージは『シティーハンター』の冴羽獠(さえばりょう)に映像としても一致するものに。本作の作詞は、TMの初期より多数の作詞を手がけてきた小室みつ子さん。当初の歌詞には“Get tough and wild”というフレーズがあり、これを小室哲哉さんが“Get wild and tough”に入れ替えた結果「Get Wild」というタイトルが決まったそうです。

『シティーハンター』の劇中では、各回ラストシーンの最中に「Get Wild」のイントロが流れ出す(アニメがまだ終わらないうちにエンディングテーマが流れ始める)という手法を採用。曲のイントロが強く印象に残る演出として評判になりました。

ジャケットの紙を裏返すと、アニメ『シティーハンター』のビジュアルが描かれていた。

収録トラック
1. Get Wild(作詞:小室みつ子 作曲・編曲:小室哲哉)
2. Fighting(作詞:小室みつ子 作曲・編曲:小室哲哉)

レコードからCDに移行した「Get Wild」関連作の20年史

TMの代表曲となった「Get Wild」は、以後数多くの伝説を残していくことになります。

まずは、「Get Wild」が初めて収録されたアルバム=『Gift for Fanks』(1987年7月1日発売)。アナログレコードからCDへの本格的移行が始まった当時、TM初のベストアルバムとなった本作は、CDのみで発売されるという大きな転換点に。レコードの限界を大きく上回る73分・全14曲を収録し、これもTM初となるオリコン週間チャート1位を獲得します。

「Get Wild」が収録された初めてのアルバム、『Gift for Fanks』。

そして「Get Wild」の大きな特徴が、新しいアレンジやリミックスによってたびたび生まれ変わる楽曲であったということです。1987年6月に開催されたTMの日本武道館ライブではすでに強烈なアレンジが施されており、現代に至るまでライブではまったく違う姿を見せ続けることに。

このことを一般的にも知らしめたのが、シングル 『GET WILD ’89』(1989年4月15日発売)。“Get wild and tough”の音声をサンプリングし、「ゲゲゲゲゲゲゲ……」と連打し新しさを提示した新バージョンが「GET WILD ’89」でした。同作は1987年発表のオリジナルバージョンにあったボーカルトラックだけを残し、その他のパートを新たに再構築したもの。ロンドンのプロデュースチーム・PWLのピート・ハモンドが手がけた、より“踊れる”ユーロビートアレンジです。

「リプロダクション」と呼ばれる手法で生まれ変わった『GET WILD ’89』は、他2作のリプロダクション・シングルと同時にリリースされ、オリコン週間ランキング10位以内に3作同時チャートインという快挙を果たします。

『GET WILD ’89』ジャケット(表面)
『GET WILD ’89』ジャケット(裏面)

また、『GET WILD ’89』と同じ1989年にはアナログ時代のシングルが8cm CDとして再リリースされました。『Get Wild』8cmシングル盤も1989年9月21日に発売されています。

『Get Wild』8cmシングル盤ジャケット(表面)
『Get Wild』8cmシングル盤ジャケット(裏面)
8cmシングル2種の背の表記。『GET WILD ’89』のジャケットには「’89」が表記されていなかった。

その後、TM NETWORKは「TMN」に改名。「Get Wild」は「GET WILD ’89」を元にしたアレンジでライブの定番曲に。1994年に東京ドームで行われたTMN終了ライブでも「GET WILD ’89」としてセットリストに組み込まれることになります。

“終了”から5年が経ち、1999年に活動を再開したTM NETWORKは「Get Wild」に三たびスポットを当てたシングルを発表。それが『GET WILD DECADE RUN』(1999年7月22日発売)です。ボーカルを含め全トラックが1999年の新バージョンとなっており、Aメロに新たな歌詞が加わるなど全く印象の異なる楽曲となっています。1999年は8cmシングルから現代の12cmシングル(マキシシングル)への移行が始まった時期でもあり、本作も時代の流れとともに12cmシングルとして発売されました。

『GET WILD DECADE RUN』ジャケット(表面)

また、時を同じくして『Get Wild』12cmシングル盤もリリースされています(1999年8月21日発売)。これはTK(小室哲哉)プロデュースでデビューした鈴木あみさんがTMの「Be Together」をカバーしヒットを飛ばしていた時期。「Get Wild」と「GET WILD ’89」、そして「Be Together」の3曲を収録しTM入門向けCDとしてパッケージされています。

『Get Wild』12cmシングル盤ジャケット(表面)

そして再び時は5年飛んで、TMがデビュー20周年を迎えた2004年。今度はシングルという形ではありませんが、20周年記念の限定ボックスセット『TM NETWORK WORLD HERITAGE ~DOUBLE DECADE COMPLETE BOX~』(2004年3月31日発売)の特典ディスクとして『ALL the “Get Wild” ALBUM』が企画されました。これまでCD未収録だったテイクを含め10バージョンの「Get Wild」を収録し、“CD1枚ぜんぶGet Wild”というお祭りがここで初めて実現します。

『ALL the “Get Wild” ALBUM』ジャケット(表面)
『ALL the “Get Wild” ALBUM』ジャケット(裏面)

ちなみに、『TM NETWORK WORLD HERITAGE ~DOUBLE DECADE COMPLETE BOX~』はリニューアル盤が今年3月に再発されています(→ソニー・ミュージックダイレクトによる詳細情報)。こちらは2013年のリマスター音源により、1984年~1994年のTM全アルバムと『ALL the “Get Wild” ALBUM』を収録したボックス。1000セット限定ということで、2004年に買い逃した人は必見です。

TM NETWORKの26枚組ボックスセット『TM NETWORK WORLD HERITAGE ~DOUBLE DECADE COMPLETE BOX~(Revival & Renewal)』

「Get Wild」リリース30年を記念したCD、レコードが連続発売!

そして2017年現在。『Get Wild』リリース30周年を記念したアイテムがファン以外も巻き込み大きな話題を集めているところです。

『GET WILD SONG MAFIA』

先述の『ALL the “Get Wild” ALBUM』と同様のコンセプトで、「Get Wild」の各種バージョンを一同に集めた新作。それが4月5日発売の『GET WILD SONG MAFIA』です。こちらは何とCD4枚組、全36曲が「Get Wild」。ディスク4にはさまざまなアーティストによるカバーやリミックスも集められました。

こちらは収録内容の一部に不備が判明しマイナス面も大きく報道されてしまいましたが、発売元のエイベックスからは不良ディスクの無償交換が早急にアナウンスされています(→詳細)。

『Get Wild』12インチアナログ盤

そして、『Get Wild』30周年アイテムがもうひとつ。アナログレコードの魅力が再評価され一大ブームとなった現代、この奇跡的なタイミングで、4月12日にはなんと『Get Wild』の12インチアナログ盤が発売されます。こちらは『GET WILD SONG MAFIA』のエイベックスではなくソニー(ソニー・ミュージックダイレクト)による企画。

こちらはオリジナルの7インチシングルを踏襲しつつも、ジャケットも収録曲もリニューアル。A面に「Get Wild」「Get Wild ’89」、B面に「Get Wild(techno overdub mix)」「Get Wild(Original Single Back Track)」の計4曲を収録しています。このうち、いわゆるカラオケバージョンにあたる“Original Single Back Track”は、シングルには収録されたことがなく、『GET WILD SONG MAFIA』にも未収録のトラック。

『Get Wild』12インチアナログ盤ジャケット(裏面)

コレクターズアイテムとしての色が濃い本作には、「Get Wild」誕生秘話をまとめたライナーノーツのほか、7インチシングル盤『Get Wild』のジャケットを復刻したスペシャルジャケットも封入されています。まさに、“「Get Wild」はオリジナルバージョンこそが至高!”というファンにはたまらない一枚!

『Get Wild』7インチシングル盤(写真左)と、12インチシングル盤封入のスペシャルジャケット(写真右)との比較。
『Get Wild』7インチシングル盤のジャケット裏面(写真左)と、12インチシングル盤封入のスペシャルジャケット裏面(写真右)との比較。スペシャルジャケットでは文字の表記が省かれ、イラストのみとなっている。
『Get Wild』7インチシングルジャケット中面の歌詞カード(写真上)と、12インチシングル盤封入のスペシャルジャケット中面のアートワーク(写真下)。

『Get Wild』アナログ盤を最新の入門向けターンテーブルで聴く

オリジナルの7インチシングルから30年を経て、再びアナログレコードで復活した『Get Wild』。欲しいけど今はこれを聴く環境がない……そんな人におすすめの、入門向けターンテーブルをチョイスしました。オーディオテクニカの『AT-PL300USBII』(実勢価格:2万1500円)は2016年11月発売の最新モデルで、スピーカーにつなげばすぐ聴けるフォノイコライザー(PHONO/LINE)内蔵、STARTボタンを押すだけのフルオート再生などが特徴の一台。

このほか本製品ならではのポイントとして、レコード音源をパソコンに録音できるUSB端子も搭載。アナログを楽しみつつ、音源のデジタル化も楽しめるという現代らしさを兼ね備えています。

「Get Wild」の謎が語りつくされる!? ネットラジオ特番も要チェック

7インチシングル、8cmシングル、12cmシングル、そして12インチシングル。今またアナログレコードが復権していることも含め、『Get Wild』の変遷は音楽メディアの変遷そのものでした。そういう意味でも、今回の30周年企画は非常に面白い!

リリース30周年を迎えた本日4月8日(土)23:00からは、ネットラジオにて特番「Get Wild Hunter(ゲワイハンター)~名曲に隠された謎を解明せよ!~」も配信。「メインパーソナリティに木根尚登(TM NETWORK)を迎え、30年の時を経ても明かされていない“謎”を関係者の証言とともに解き明かしていく」とのことで、TMマニア、“ゲワイ”マニアは必聴ですね。

文/柳 雄大 撮影/松浦文生

関連サイト

Get Wild Hunter~名曲に隠された謎を解明せよ!~(2017年4月8日 23:00から2週間限定公開予定)
TM NETWORK 公式サイト(ソニーミュージック)
TM NETWORK 公式サイト(エイベックス)
オーディオテクニカ『AT-PL300USBII』製品情報

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