“なりたい自分”を香りで演出。失敗しない香水の選び方【藤村岳の「男美均整のミナオシ」】

藤村岳の「男美均整のミナオシ」

「通常、男性がめったに触れないであろうコスメや身だしなみの最新情報や技術などを紹介し、日々の生活を新しい視点から見直せるようにしたい」という、男性美容研究家・藤村岳が、一流男子の所作や振る舞い、装いを身につけることの大切さを毎月綴る。

藤村岳の「男美均整のミナオシ」連載一覧ページ

 

前回は、好調なメゾンフレグランスをビジネス面から取り上げた。しかし、「もっと香水を知りたい」「今秋の香りのトレンドは?」という声も挙がったので、今回は具体的な作品を紹介していこう。

失敗しない香水の選び方

その前に香水を選ぶときのコツを2つ。ボトルから試香紙に吹きつけた香りですぐ判断せず、15分くらい経てから決めること。トップノートはそのくらいで揮発し、最も長く続くミドルノートが好みかどうかを見極めるものだからだ。できれば肌に纏ってその変化をみよう。たとえ同じ香りでも、人によって変わり方が異なる。

また香水には性別や賦香率といった区分もあるが、あまり囚われなくていい。極論を言えばボトルのデザインだけで選んでもよいのだ。香りの好みは、その時の気分や状況によって左右される。好みがブレない方が不思議なくらい。心の声に素直に従おう。

ビジネスに使える正統派な2つの香り

さて、今の注目株は、かのナポレオンの血を引くプリンス ミュラによって1930年に創設されたル ガリオン。その名は一度、消えたが不死鳥のごとく復活した伝説のブランドだ。そこの『スペシャル フォー ジェントルメン』が筆者のイチオシ。1947年に誕生した名香で、エレガントな男らしさを湛えている。シナモン、アンバー、オークモスといった古式ゆかしい調合は貫禄を出すのに最適。ビジネスシーンでスーツに合わせるといいだろう。

ル ガリオン
スペシャル フォー ジェントルメン
実勢価格:1万9980円(100ml)

仕事モードに向くものならイル プロフーモの『ムスク ブルー』もいい。シルヴァナ・カソーリが希少な天然香料で調香するこだわりのブランドで、これは特にイノセントな作品。決して邪魔をすることなく優しく寄り添う。周囲に心地よさを与えるので普段使いにぴったりだ。

イル プロフーモ
ムスク ブルー
実勢価格:1万4040円(50ml) 1万8360円(75ml)

華やぎも安らぎも香りでシーンを演出

もし、華やかなパーティーへと出席する機会があればぜひ、お勧めしたいのがクリードの『レ ロワイヤル エクスクリュジブ ジャルダン アマルフィ オードパルファム』だ。区分けとしては女性用のフローラル系で、ローズが香るのだがハイチベチバーやホワイトムスクなどがラストノートに配されているので、決して女っぽ過ぎるということはない。この高貴な香りを男性が纏うと途端に洒落者になれる。香りに慣れた人なら、他人とかぶらないようにあえてハズすテクを用いるのがいい。

クリード
レ ロワイヤル エクスクリュジブ ジャルダン アマルフィ オードパルファム
実勢価格:5万4000円(75ml)

安らかに過ごす時に使いたいのがラルチザン パフュームの『ビュコリック ド プロヴァンス オードパルファム』。南仏・グラースの風のようにラベンダーが爽やかに香る。そこにレザーの落ち着きが組み合わさり、とびきりの心地よさを味わえる。

ラルチザン パフューム
ビュコリック ド プロヴァンス オードパルファム
実勢価格:2万1060円(100ml)

森林浴などアウトドアへと出かけるなら、ジョー マローン ロンドンの『イングリッシュ オーク&ヘーゼルナッツ』がベスト。とにかく女性ウケがいいメゾンで、その上品な佇まいと穏やかな香りが人気。この新作は土や木にインスパイアされたアーシーなもので自然との相性が抜群。

ジョー マローン ロンドン
イングリッシュ オーク&ヘーゼルナッツ
実勢価格:8640円(30ml) 1万7280円(100ml)

押さえておきたい今季の新しい香水たち

ここまでは、専業のメゾンフレグランスを紹介してきたが、より親しみがあるブランドの新作香水も見ていこう。

女性から見た理想の男性の香りとして名高いゲランの『ロム イデアル』から待望のスポーツが登場。ビジネスなど様々なフィールドで活躍する理想のプレイヤーがコンセプトで、爽やかさと力強さを感じられる。アーモンドやアクアノートを加えたことで躍動感が出た。仕事にデートにとその汎用性は広く、1本持っておくと便利だ。

ゲラン
ロム イデアル
実勢価格:8856円(50ml)

人生を楽しむことにおいて一日の長があるイタリア人。彼らのそんな前向きな明るい態度はやはり香りにも反映されており、サルヴァトーレ フェラガモの『ウォモ カジュアルライフ』はまさにその化身。ウッディグリーンという香調は嫌みがなく、とにかくポジティブ。ヴァイオレットリーフやアイスコーヒーの爽やかな苦味が利いていて、日中用香水として揃えたい。

サルヴァトーレ フェラガモ
ウォモ カジュアルライフ
実勢価格:7020円(30ml) 9072円(50ml) 1万2744円(100ml)

一方で、しっとりとした秋の夜にふさわしいのがジバンシイの『ジェントルマン オーデトワレ』。1975年にできた伝説の香りを現代的に再解釈。甘やかなペアーから始まり、高貴なアイリス、清潔なラベンダーが香る今様の紳士の佇まいだ。レストランデートで活躍するだろう。

ジバンシイ
ジェントルマン オーデトワレ
実勢価格:8640円(50ml) 1万2420円(100ml)

今どきな男らしさを香りでアピールする

秋になってレザージャケットに合わせる香りならコーチの『コーチ マン オードトワレ』だろう。ご存知の通りアメリカのブランドで、バッグ等の革製品が有名なコーチ。そんな出自だからこそ、親和性が高い。すっきりとした梨、スパイシーなカルダモン、コリアンダーなどとともにラストのスエード香料が体を包み込む。

コーチ
コーチ マン オードトワレ
実勢価格:6372円(50ml) 9720円(60ml) 1万4472円(100ml)

クルーズやサーフィンなどまだまだ海を楽しむ人であればプラダの『ルナロッサ カーボン』を選ぶべきだ。同ブランドのヨットの名前を冠したシリーズの新作は黒炭や鉱石などのクールな金属的な要素を採り入れた。核となるラベンダーなど植物の天然香料とこれらを融合させることで意外性に満ちた躍動感が出てきた。香りで男らしさをアピールしたいならこの2本を使いこなして欲しい。

プラダ
ルナロッサ カーボン
実勢価格:8100円(50ml) 1万2528円(100ml)

何度も言うが、嗅覚は大脳に直結し、自分と周りの情動に作用する。なりたい自分、見られたい自分を演出するのにこれほど便利なツールはないのだ。

文/藤村岳

藤村岳(ふじむらがく):大学卒業後、編集者を経て独立。シェービングを中心に据えた独自の男性美容理論で、総合情報サイトAll Aboutの「メンズコスメ」ガイドなどとして活躍中。最新著書に『一流の男はなぜ爪を手入れするのか?』(宝島社)がある。

『デジモノステーション』2017年10月号より抜粋

関連サイト

男性美容研究所 藤村岳danbiken.net