ハロみたい?不思議と心惹かれる球体家電の魅力【家電デザインを考える】

近年、デザインのいい生活家電が増えている。とはいえ、人はどうしてそれらに対し、“良いデザイン”だと感じるのだろうか? ここではいわゆる“デザインのいい”家電を11種類の定番デザインパターンに分類し、それに当てはまる代表的な家電を複数ピックアップ。プロダクトデザインに深く精通するセメントプロデュースデザインの金谷勉氏に、なぜその『デザインパターン』に人は魅了され、“良いデザイン”と感じてしまうのかを教えてもらった。

印象的な球体や楕円体を全面に

球体や楕円体は自然の中には元々存在する形だが、生活家電においては珍しくユニークな印象を持つ。それがいつの間にかいいデザインと言われるようになったのはなぜだろう?

気になる気持ちこそがデザインがいいという印象に

生活家電の多くは直方体や直線基調ですが、それとは対極のデザインフォルムを取るのが球体です。物理的にも不安定な形状で、生活家電を選ぶ上で重要な“ルックスから発せられる安心感”も希薄です。

とはいえ、そのユニークなフォルムは、一般的な住環境に置いてあると、かなり目を惹きます。丸みを帯びた滑らかなフォルムはどこか愛らしく、思わず触れたくなるという性格も併せ持つのです。

球体の生活家電に共通する特色が、“これって一体なんの家電なの?”と思わせる神秘性を持つことです。直方体と比べて、光の反射やグラデーションも味方につけやすく、色味や表情の印象がガラッと変わりやすいことも、人を飽きさせず、魅了し続けられる大きな理由ではないでしょうか? これは球体まで極端ではなく、柔らかな膨らみや緊張感のある張りを持つ楕円体でも同じことが言えると思います。

球体ならなんでもいいというわけでは当然ありませんが、もしかしたら気になる気持ちが、いつのまにかデザインがいいという印象に変換されやすいのではないかと考えます。

ELECTRIC FAN

パナソニック
創風機Q F-BP25T
実勢価格:4万1660円
涼しげな青色と温かみのあるオレンジの2色のLEDを搭載した創風機。サーキュレーターや扇風機として、またはフットランプや間接照明としてなど、使い方はいろいろ。首振りの角度は5段階から調節可能。

 

AIR PURIFIER

アンティバック
空気清浄器 マジックボール QS-1
実勢価格:3万9000円
部屋の空気をクリーンにすると同時に、光と香りで空間を演出するボール型の空気清浄機。空気中の漂う細菌や浮遊菌、イヤな悪臭の元を独自のカプセル化技術で包み込み不活化。部屋全体の空気をキレイに保つ。

 

HUMIDIFIER

Stadler Form
Fred スチーム加湿器 4.0 シルバー
実勢価格:1万9440円
タンク内の水をヒーターで加熱し、その蒸気で雑菌の繁殖を抑えるスチーム加湿器。設定温度まで加湿すると、ファンが止まるハイグロスタッド機能付き。タンク容量は約3L。水がなくなると自動的に電源も切れる。

 

HANDY CLEAMER

ブラックアンドデッカー
ハンディクリーナー リチウムオーブ BO36L
実勢価格:6190円
バッテリーは3.6Vリチウムイオン充電池、約4時間の充電で最大約9分間稼働。従来のブラシノズルに加え、部屋の隅や溝の掃除に適した極細すきまノズルを同梱。デスク周りや脱衣所など狭いスペースの掃除に役立つ。

金谷勉/CEMENT PRODUCE DESIGN 代表取締役社長
1999年に同社設立後、PARCOの広告デザイン、フランフランとの商品企画開発、UNIQLO「企業コラボレーションTシャツ」のディレクションなど幅広くデザインをプロデュース。現在は流通も見据えた形での各地の製造業や工芸業界との協業事業も進める。2013年サバエミミカキでグッドデザイン賞受賞。京都精華大学デザイン学部プロダクトデザイン学科や、金沢美術工芸大学美術工芸学部工芸学科でも講師を務める。

文/滝田勝紀、鳥居優美 撮影/下城英悟(GREEN HOUSE)

※『デジモノステーション』2017年10月号より抜粋