無骨さが男心をくすぐる!メカニカル家電のたたずまいに惚れろ【家電デザインを考える】

近年、デザインのいい生活家電が増えている。とはいえ、人はどうしてそれらに対し、“良いデザイン”だと感じるのだろうか? ここではいわゆる“デザインのいい”家電を11種類の定番デザインパターンに分類し、それに当てはまる代表的な家電を複数ピックアップ。プロダクトデザインに深く精通するセメントプロデュースデザインの金谷勉氏に、なぜその『デザインパターン』に人は魅了され、“良いデザイン”と感じてしまうのかを教えてもらった。

機能性の高さをそのままメカニカルに

一見メカメカしく、凹凸も数多く存在し、男性的な力強さすら感じる生活家電が存在する。ただ、その中にも美しいと感じられるものが存在するので、ここではその理由を明かす。

本物の道具であることを見る者に想起させる

デザインがいい生活家電は、フラットで滑らかなフェイスであるという印象があるかもしれません。たしかにその潮流はUIのデジタル化などでも強まっています。が、一方で、複雑な凹凸やパーツにあえて存在感を持たせ、技術や機能を具現化することで、デザインを美しくまとめた生活家電も当然存在します。

ダイソンのキャニスター掃除機は複数組み合わさったコーンを、あえてむき出しにしています。さらにシュラウド部分ごと赤く塗装したり、ダストボックスのゴミが見えるように、クリア瓶を採用していますが、これは膨大な手間と時間をかけて開発したサイクロン技術の高さをアピールするためのデザインです。ボルネードのサーキュレーターも同じこと。ファンガードの流麗なデザインや航空機のジェットエンジンを思わせる背面フォルムから、吹き出す風のパワフルさが感じられます。

生活家電としての性能の高さを、あえてパーツなどに込めて表現することで、見る人たちに本物の道具であることを想起させる。これもいいデザインと言われる理由なのです。

CIRCULATOR

VORNADO
ボルネード サーキュレーター ベーシックモデル 783-JP
実勢価格:3万2184円
約70年前に世界初サーキュレーターを開発した米国メーカーの新商品。独自の強力な竜巻風で、室内全体の空気を循環する。40畳まで対応するパワフルさで、ショールームや会議室、吹抜けのあるリビングなどにおすすめ。
 

VACUUM CLEANERR

Dyson
Dyson Ball Animal+Fluffy
実勢価格:10万5624円
フローリングや畳に適したソフトローラークリーナーヘッドと、カーペットに適したダイレクトドライブクリーナーヘッドで、部屋中のゴミを残さずキャッチ。本体重心を低く設計することで安定感も増し、小回りも効く。

 

COFFEE MAKER

la Pavoni
エスプレッソコーヒーメーカー “PROFESSIONAL”PL
実勢価格:21万円
la Pavoniは100年以上の歴史を持つエスプレッソマシンの老舗。レバーピストン式でポンプを使わず蒸気圧を用いた完全手動抽出。小振りながら重厚な存在感とデザインはインテリアアイテムとしても映えること間違いなし。

 

CORDLESS VACUUM CLEANER

ブラックアンドデッカー
コードレスデザインクリーナー フレキシーII PD1420L
実勢価格:1万2300円
1.5m伸びるロングノズルで家具の上などの高いところや、収納の隙間など隅々までお手入れできる。バッテリーは14.4Vリチウム電池で、約4時間の充電で約13分使用可能。充電台にノズルも納められ、収納時もスッキリ。

 

COFFEE MAKER

Wilfa
svart Precision WSP-1A
実勢価格:6万4800円
ノルウェー発、バリスタワールドチャンピオン監修のコーヒーマシン。1420Wのハイパワーにより、数秒で水を抽出温度の93度へ到達させ、コーヒーに最適な92度から96度の抽出温度をキープ。10杯分を約5分で抽出可能。

 

GRAPHITE GRILLER

アラジン
グラファイトグリラー
実勢価格:3万4560円
鉄の10倍以上の熱伝導率があり、即暖性が高く暖房機の熱源にも使用される“遠赤グラファイト”を搭載。本体上部から高温で焼くことで、お肉の旨みを逃さずふっくら焼きあげる。さらに煙やニオイなども効率的に抑制できる構造に。

金谷勉/CEMENT PRODUCE DESIGN 代表取締役社長
1999年に同社設立後、PARCOの広告デザイン、フランフランとの商品企画開発、UNIQLO「企業コラボレーションTシャツ」のディレクションなど幅広くデザインをプロデュース。現在は流通も見据えた形での各地の製造業や工芸業界との協業事業も進める。2013年サバエミミカキでグッドデザイン賞受賞。京都精華大学デザイン学部プロダクトデザイン学科や、金沢美術工芸大学美術工芸学部工芸学科でも講師を務める。

文/滝田勝紀、鳥居優美 撮影/下城英悟(GREEN HOUSE)

※『デジモノステーション』2017年10月号より抜粋