意外な色&素材にギャップ萌え!パッと目を惹く好デザイン【家電デザインを考える】

近年、デザインのいい生活家電が増えている。とはいえ、人はどうしてそれらに対し、“良いデザイン”だと感じるのだろうか? ここではいわゆる“デザインのいい”家電を11種類の定番デザインパターンに分類し、それに当てはまる代表的な家電を複数ピックアップ。プロダクトデザインに深く精通するセメントプロデュースデザインの金谷勉氏に、なぜその『デザインパターン』に人は魅了され、“良いデザイン”と感じてしまうのかを教えてもらった。

ギャップのある素材やテクスチャー

本来採用しにくい素材や柄などをあえて積極的に取り入れることで、生活家電がいいデザインに感じられるのはなぜだろうか? ギャップにこそ秘密があるはずだとここでは考えてみた。

意表をついたリアル素材が本物感を強めて好印象に

ギャップというのは人をハッとさせ、強い印象を与えるものです。それは良い印象でも、悪い印象でも、そして人に対しても、モノに対しても同じことが言えます。

生活家電の中で、いわゆる定石からは外れるようなパターンで生み出されたものには、同じように強い印象を与えるものがあります。例えば、ギャップのある素材でいえば、消費財である家電とは相性が悪く、経年変化が起きてしまうようなレザーだったり、見た目には透明感があり美しいのですが、重量が重く、かつ割れた際のリスクなどを考慮すると採用しづらいガラスだったり。さらにホットプレートは黒や鉄であるという既成概念を、白いアルミ鋳物と竹の組み合わせで打ち破ってみたり、家電には珍しい和柄を表面にプリントしてみたりするのも好例です。

そういったギャップのある素材や色、柄をあえて使用することで、注目度を高めたり、道具としての本物感や高級感を強めることができます。ギャップをうまく使った好デザイン表現は、保守的な生活家電においても確実に存在するのです。

VACUUM CLEANER

パナソニック
紙パック式掃除機 MC-PA36G
実勢価格:2万6520円
ハンドル部にハウスダスト発見センサーを搭載。ダニの死骸やフンなど肉眼ではわからない約20μmのハウスダストまで検知して、ランプが点灯する。本体には和柄(麻の葉文様)をプラスすることで、高級感のあるデザインに仕上げる。

 

TOASTER OVEN

amadana
オーブントースター(タテ型) ATT-T11-K
実勢価格:1万800円
上段におかず、下段でトーストなど、同時で異なる調理が可能な2段式のトースター。ハンドル部には本革、前面はミラー調ガラスと独自の素材の組み合わせが魅力だ。冷凍食品の温めなどメニューに応じて火力を切り替えられる。

 

TOASTER

ラッセルホブス
ガラストースター 10617JP
実勢価格:1万9440円
側面にガラス素材のパネルを採用した、スタイリッシュなトースター。操作ボタンもシンプルで、一切の無駄がなし。パンの最大許容サイズはW26×H12×D2.6cmで、食パンは5枚切りまでOK。同時に2枚まで焼ける。

 

GRILL

プリンセス
Table Grill Pure 103030
実勢価格:2万1600円
セラミックコーティングの白い鋳物プレート×台座は天然竹の組み合わせ。プレートの中央に穴があり、余分な油はそこから落ちるので、普通に焼くよりもヘルシーだ。遠赤外線効果で食材の旨みを引き出し、ジューシーに焼きあげる。

金谷勉/CEMENT PRODUCE DESIGN 代表取締役社長
1999年に同社設立後、PARCOの広告デザイン、フランフランとの商品企画開発、UNIQLO「企業コラボレーションTシャツ」のディレクションなど幅広くデザインをプロデュース。現在は流通も見据えた形での各地の製造業や工芸業界との協業事業も進める。2013年サバエミミカキでグッドデザイン賞受賞。京都精華大学デザイン学部プロダクトデザイン学科や、金沢美術工芸大学美術工芸学部工芸学科でも講師を務める。

文/滝田勝紀、鳥居優美 撮影/下城英悟(GREEN HOUSE)

※『デジモノステーション』2017年10月号より抜粋