国産初の本格電動アシスト付きMTB。パナソニック『XM1』は初心者でもガチで楽しめる自転車だった!

「コレってどうなの?」がわかる。気になるデジタルグッズの深掘りレビュー。今回は、パナソニックの電動アシスト付き自転車『XM1』を使い倒します!

パナソニック
XM1
実勢価格:35万6400円


Side


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【SPEC】重量:約21.8kg 外装10段シフト アシスト可能距離:最大78km サイズ:L1835×W590mm 重量:21.8kg バッテリー:36V-8Ahリチウムイオンバッテリー(25.2V換算値11.4Ah相当) 充電時間:約3時間 変速機:外装10段変速 アシスト可能距離:HIGHモード約42km、AUTOモード約54km、ECOモード約78km

 

『XM1』ってどんな自転車?

スポーツタイプのユニットと本格装備で走行性能も高い

子乗せタイプからスポーツタイプまで、幅広い電動アシスト付き自転車をラインナップしているパナソニックが、初めてリリースした本格的な電動アシスト付きのMTB(マウンテンバイク)が『XM1』。フレームと一体となったデザインのバッテリーを採用し、スポーツ自転車らしいシルエットを実現するとともに、新開発のスポーツドライブユニットを搭載することで、高いスピードを維持する走行に対応している。

このドライブユニットは、元は欧州向けに開発されたもので、停止と発進を繰り返す街中での走行に適した既存のドライブユニットに比べ、高いケイデンス(ペダル軸の回転数)を維持するのに適したもの。軽いギアで高いケイデンスを維持するMTBの走り方にも対応している。

フロントに100mmストロークのスペックを持つサスペンションを搭載し、油圧式の前後ディスクブレーキなど、MTBとしての装備も充実。街乗りから山でのライドまで、幅広いシーンに対応した本格的なスポーツタイプの電動アシスト付き自転車だといえる。

【新開発のスポーツドライブユニットを搭載】

▲既存の2軸方式ではなく、クランク軸に直接駆動力を伝えるダイレクトドライブ機構を採用し、時速20km前後の速度を維持する走行にも対応する。

【27.5インチのトレンドに沿ったホイールを採用】

▲近年のMTBでは主流となっている27.5インチというホイール径を採用。速度の維持と小回りの良さを両立したサイズで、走りにも手抜かりがない。

 

『XM1』のアシスト性能をチェック

【スポーツバイクらしい美しいシルエットを実現】

▲フレームと一体となったセミインテグレーテッドバッテリーを搭載。充電時には取り外すことも可能となっている。


▲スポーツ走行に適した新型のドライブユニットもフレームに搭載しても違和感のないデザインに仕上げられる。

【手元でアシスト力を変更可能】

▲ハンドル中央に速度やバッテリー残量などを表示できる液晶ディスプレイを採用。アシストパワーも表示が可能だ。


▲アシストモードの切り替えは左手側のボタンで行う。ワンタッチで「HIGHモード」に切替可能なボタンも装備。

【登りもフラットもスムーズにアシスト】

▲フラットな路面でもスムーズなアシストを実現。山道までのアプローチも快適に移動することができる。


▲登り坂では力強いアシスト力を実感。ケイデンスを高めても大丈夫なのでペダルを回しているだけで登れる。

『XM1』の走行性能をチェック

【ロック機構付きのフロントサスペンション】

▲路面の凹凸や振動を吸収してくれるサスペンションは、ロック機構も搭載しており、幅広い路面に対応可能。


▲サスペンションのロック機構は右手側のレバーで行う。平地での走行時には余計な挙動を減らしてくれる。

【安心感の高いパーツをアッセンブル】

▲変速ギアはリアにだけ搭載。11-36T(フロントは41T)の10段変速で急な登り坂にもスムーズに対応できる。


▲ブレーキは少ない力で制動できる油圧ディスク式。信頼性の高いシマノ製のSLXグレードを採用している。

【下りも楽しめるMTBらしい車体設計】

▲フロントにサスペンションを搭載している効果で、段差の乗り越えなども快適。車体の安定性も高い。


▲下り坂での安定感も良好。タイヤのグリップもつかみやすいので、山道を満喫することができる。

 

使い倒しインプレッション

街を抜け出し、野山を駆け巡る楽しさを味わえる

近年、海外で非常にシェアが拡大しているのが電動アシスト付きMTBの市場。電動アシスト付き自転車は日本で生まれた乗りモノだが、現状では欧州を中心とした海外のほうが販売台数は多く、特に電動アシスト付きMTBについては大きく水を開けられている状態だ。

そんな状況に投入された国産初の本格的な電動アシスト付きMTB、それも手掛けたのが、スポーツ自転車の世界でも評価の高い製品をリリースしているパナソニックだということで、この『XM1』には大いに期待していた。特にアシストユニットには新開発のスポーツタイプのものが採用されており、バッテリーもフレームと一体デザインとの36V(通常の電動アシスト付き自転車は25.2Vが多い)とされていて、さらに期待が高まる。

実際に『XM1』の車体を目にすると、予想以上にカッコイイ。モーターやバッテリーを取って付けた感がなく、一見すると電動アシスト付きとは思えないほどデザインとしてまとまっている。ペダルを漕いで走り出すと、ママチャリタイプの電動アシストと違い、漕ぎ始めからガツンとアシストがかかることがない。踏み込む力に比例するアシストは強力だが、力の出方が唐突ではないので、滑りやすい未舗装路でもタイヤが空転してしまうことがないのだ。それでいて、ペダルを速く回してもしっかりアシスト力がかかるので、軽いギアで登っていくような急坂ではペダルを回しているだけでスルスルと登って行くことができる。アシストの特性も自然なので、まるで自分がパワーアップしたような感覚だ。

MTBとしての基本性能がどうなのか? という部分が気になっている人も多いことだろうが、その点についても不安はない。安定感の強い車体設計と、信頼性の高いシマノ製の油圧ディスクブレーキなどを採用し、本格派のMTBと比較しても決っして見劣りしない。リアホイールとクランク軸の間が長い安定重視の設計のため、山の中での小回りはやや苦手な部分もあるものの、コーナーリングも安心感が高く、誰でも山道を楽しむことができそうだ。

このモデルのコンセプトは、見たことのない景色や出会ったことのない体験に誘うこと。山道に特化して遊ぶよりも、そこまでの道程も含めて楽しむのが正しい乗り方だろう。

 

結論

【ここが○】
・アシストがあることで移動や登りが楽になり自転車を使った遊びの幅が広がる。
・スポーツタイプのドライブユニット採用で高いケイデンスで登ることができる。
・安定感の高い車体設計と信頼度の高いパーツ採用で、安心して山道を楽しめる。

【ここが×】
・凹凸のある急な下り坂などではハンドル幅の狭さが少し気になる。

体力に自信のない初心者でも本格的なMTBライドを楽しめる

新開発のドライブユニットによるアシストはスムーズかつ強力で、高いケイデンスを多用するMTBの使い方に合ったもの。登り坂を余裕でこなせるので、体力の心配をすることなく野山でのライドを楽しめる。行き帰りの道程も快適にしてくれるのも大きな魅力だ。


▲フレームはリアタイヤとクランクの間を長めにとった安定性重視の設計。フロントフォークもやや寝ている。


▲ハンドルの幅は580mm。クロスバイク的に使うなら十分だが、山道に行くと少し狭く感じてしまう。

 

文/増谷茂樹 撮影/松川忍

※『デジモノステーション』2017年10月号より抜粋

関連サイト

『XM1』製品紹介ページ
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