体臭を”見える化”する『Kunkun body』は男の救世主か、それとも…?

武者良太の『気になるニッポン発モノイノベーション』

「そこに不満があるって気がつかなかった!」そんなクラウドファンディング系アイテムを発見しちゃう連載企画。お届けするのはガジェットキュレーターの武者良太氏です。

今回の気になるモノイノベーション


Kunkun body

『Kunkun body』ってどんなクラウドファンディング?
ボケッタブルな臭気センサー。従来製品とは異なり匂いの強さだけではなく、匂いの質も判別できる。スマートフォンアプリと連携することで高機能を実現。今後、さらなる匂いの質の検出も可能となるように開発が進められている。匂いを可視化する技術は人体のみならず、車内や室内などでも必要とされる時代がくるだろう。



新たなスメハラにつながる可能性はあるが

身体能力だけではありません。集中力、睡眠の質などなど、人間のアレコレが可視化される時代となりました。そして新たに、重要なスキルが可視化されようとしています。……すみません間違えました。スキルではなく、スメルでした。ええ、匂いとか臭みとかいわれるアレですよ。

2016年末、CCCグループが運営しているクラウドファンディング「GREEN FUNDING」で『はなちゃん』という動物ロボットのプロジェクトが提案されました。見た目が可愛らしいチワワのぬいぐるみというか、おもちゃ。子供向けの動物玩具ってあるじゃないですか、チンパンジーがシンバル叩くやつとか。アレと同じカテゴリのプロダクトをカスタムして、鼻の部分に匂いセンサーをビルトインしたんですって。ふむ、鼻をクンクンして、香りを可視化するってわけですね。説明を読むに、匂いが弱ければ擦り寄り、中くらいから尻尾を振り、匂いというか臭いなランクだと卒倒するという機能を持っているそうです。………いや、チワワがバタンと卒倒するって? どういうこと?

自分だけに使うのであればいいでしょう。ハイテンションなアクションも事前に知っていれば納得できます。しかしこれ、知らない人に使ったとしたら……難しいな。集中力の可視化よりも難しい。心情的に。

しかし匂いを可視化するビジネスは、求める人が多いだろうなという思いもあります。家が汚れている時に、どの部分からの一番強い臭気が来ているかを判別できるとしたら。センサーのサイズにもよるけど、メカを修理している際にも活用できるかもしれない。

……と思っていた今年の初夏。この『Kunkun body』の存在を知りました。プロジェクトを手がけているのはコニカミノルタ。コピー機や印刷機器だけではありません。複雑な計測機器や、高精度なレンズ開発にも定評あるメーカーです。ヘルスケア部門の新しいチャレンジということでしょうか。匂いの強さだけではなく、匂いの種類まで判別できる仕様になっているというのは。

【シンプルな本体と多機能なスマホアプリ】

▲本体部分はセンサー及び、スマートフォンとの通信機能、バッテリーで構成される。匂いの質などを判断するアーキテクチャは、スマートフォンアプリが担当。

【初期状態では3種類の匂いに対応する】

▲汗臭、ミドル脂臭、加齢臭と言った、成人男性の匂いに関しての悩みを解決するようなカテゴリをチェックできる。測れる匂いの種類は今後増える。

一見するとプラスチックの小型ハードケースに見えます。コイツが汗臭、ミドル脂臭、加齢臭を測れるツールだとは思えません。匂いの心配をしなければならないシーンでも、素早く測って大丈夫ならそのままレッツゴー。ダメならコンビニで汗拭きシートなどを買って拭いて対策すればいいのでしょう。ぶっちゃけ、うまい。電車の中で、横に立った女性が顔をしかめた時に、自分の身体が放出する成分が原因なのかどうかを知ることができるんですから。普段から匂いが気になっている人にとっては助かるアイテムとなるでしょう。

【コンパクトでいつでも自分をチェック】

▲本体部分はコンパクト。スーツやシャツの胸ポケットにも入るサイズだ。スキャン時間も短く、思い立った時にすぐ測ることができる。

しかしながら、『はなちゃん』にも感じた危険性がここにもあるのかな、という思いがぬぐいきれません。大人なら大丈夫だろうけど、いたずらっ子な子供に渡したらイジメに発展してしまうかも、という。

時代を改革する勢いのあるアイテムは、多かれ少なかれ想定外の使い方がされた時の影響度が大きめ。プロダクトの企画、性能は素晴らしく、そこからくる幸せを享受できる人の多さが想像できるからこそ、人を傷つけてしまうかもしれない使い方をしないように注意したいもの。また、家族にもその旨を伝えておきたいところです。

文/武者良太

武者良太(むしゃりょうた):1971年生まれのデジタル系ライター。音響機器にスマートフォン、ITビジネスにAI、最先端技術など、ハードウェア面に限らず、ガジェット市場を構成する周辺領域の取材・記事作成も担当する。元Kotaku Japan編集長。

『デジモノステーション』2017年11月号より抜粋

関連サイト

『kunkun body』製品情報ページ
『e-skin』プロジェクトページ