どんなシーンも思いのまま!『OLYMPUS OM-D E-M10 Mark III』は初心者に優しい小型軽量ミラーレス

「コレってどうなの?」がわかる。気になるデジタルグッズの深掘りレビュー。今回は、オリンパスのミラーレスカメラ『OLYMPUS OM-D E-M10 Mark III』を使い倒します!

オリンパス
OLYMPUS OM-D E-M10 Mark III
実勢価格:8万7480円(ボディのみ※)
※ダブルズームキット(『M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ』+『M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R』付属)は実勢価格11万9880円


Front


Side


Side


Rear


Top


Botttom

【SPEC】サイズ:W121.5mm×H83.6mm×D49.5mm(突起部含まず) 重量:約410g(付属充電池およびメモリーカード含む) 撮像素子:4/3型Live MOS センサー 有効画素数:1605万画素 レンズマウント:マイクロフォーサーズマウント AF方式:ハイスピードイメージャAF 測距点:最大121点(コントラストAF) 常用ISO感度:200~25600まで基準感度・上限感度を変更可(オート)、200~25600(マニュアル) 連続撮影速度:最高約8.6コマ/秒 液晶モニタ:3.0型 可動式液晶 ファインダー:アイレベル式OLEDビューファインダー、約236万ドット 記録メディア:SD/SDHC/SDXCメモリーカード 通信機能:Wi-Fi有効

 

『OLYMPUS OM-D E-M10 Mark III』ってどんなカメラ?

昔ながらの一眼レフを思わせる端正な小型ボディに高機能を凝縮

オリンパスのミラーレスカメラ「OM-D」シリーズの最新モデル『E-M10 Mark III』が登場した。その名のとおり、2015年に発売された『E-M10 Mark II』の後継機だ。効果4段分を誇るボディ内5軸手ぶれ補正や、構図の自由度を広げるチルト液晶を継承し、画像処理エンジンと撮影機能の強化、操作性の改善などが図られている。

ボディは、シリーズ共通の個性として、昔ながらの一眼レフを思わせる左右のバランスが取れた端正なデザインを採用。数値上は前モデルよりわずかにサイズアップしたが、引き続き携帯性に優れた小型軽量ボディと言えるだろう。外装は主に樹脂素材。小型ながら各種のボタンやダイヤルはしっかりとした作りで、手の大きな筆者でも窮屈に感じることはなかった。タッチパネルで行える測距点の選択やメニュー操作についてもスムーズで不都合はない。

前モデルからの進化点としては、エントリー機ながら4K動画撮影に対応したことや、オート撮影機能の充実、AF性能の強化などが見どころになっている。

【有効1605万画素センサーを搭載】

▲前モデルから引き続き、4/3型1605万画素センサーを搭載。高画素化されなかったのは少々残念だが、A4印刷にも実用十分な画素数と言える。

【ポップアップ式フラッシュを装備】

▲手動ポップアップ式のフラッシュを内蔵。オート発光のほか、マニュアル発光やスローシンクロ発光などに対応。外部フラッシュの制御もできる。

『OM-D E-M10 Mark III』の操作性をチェック

【大きめで操作しやすいダイヤル類】

▲天面には、コマンドダイヤルやモードダイヤルを装備。いずれも適度なクリック感があり、使い心地は良好だ。


▲背面のボタン類は右手側に集中配置。Fnボタンや十字キーについては、割り当て機能のカスタマイズもできる。

【新設されたショートカットボタンが便利】

▲天面の左隅に新搭載したショートカットボタンでは、モード選択画面や撮影設定画面を素早く呼び出せる。


▲シーンモードの画面は、複数シーンを一覧可能になり、素早く選択できるように。


▲新機能アドバンストフォトモードでは一段上のクリエイティブな機能を手軽に使える。


▲特殊効果を加えるアートフィルターには銀残しの効果「ブリーチバイパス」が追加された。

『OM-D E-M10 Mark III ダブルズームキット』の画質をチェック

【良好な解像感とクリアな色再現】

▲付属標準ズームのワイド端で撮影。特に高画素とはいえないが、遠景の細部まできっちりと再現する解像感がある。

【暗所での手持ち撮影も不安ナシ】

▲室内の展示バイクを手持ち撮影。1/5秒の低速シャッターだったが、ぶれは見られず、質感までリアルに再現できた。

【ボディ内5軸手ぶれ補正の効果は十分!】

▲望遠ズームのテレ端を使用。ボディもレンズも小型軽量なので、300mm相当の超望遠撮影も気軽に行える。

 

使い倒しインプレッション

高機能を有効活用できるアドバンストフォトに注目!

『E-M10 Mark III』を使って最も興味深く、かつ便利に感じたのは、新機能アドバンストフォトモードだ。これはデジタルならではの9機能を集約したモードのこと。例えば「ライブコンポジット」を選ぶと比較明合成という手法によって星空や車のライトを光跡の状態を見ながら撮影でき、「デジタルシフト」を選ぶと広角レンズで生じる建物の遠近感を真っすぐに補正できる。また、マクロ撮影時に自動的にピント位置をずらしながら連写する「フォーカスブラケット」や、連写と画像合成で広ダイナミックレンジに仕上げる「HDR撮影」、2枚の写真を重ね合わせて記録する「多重露出」なども使用可能だ。いずれも実際に使ってみると、かなり楽しめる。

実はこれらの機能の多くは既存モデルにも搭載されていたが、メニューの深い階層内にあり、中級者以上でない限り、使いこなすのが難しかったのだ。だが、本機のアドバンストフォトモードなら、サンプル写真と説明文を見ながら項目を選ぶだけの簡単操作で利用できる。つまり、高機能が宝の持ち腐れになることなく、誰でもクリエイティブな写真が手軽に撮れるというわけ。UIの改善で操作感が向上したシーンモード、被写体ブレの低減効果が高まったAUTOモードと合わせ、ビギナー向け配慮として評価したい。

カメラとしての基本部分は、多くを前モデルから踏襲。撮像素子は4/3型1605万画素センサーで、最高感度はISO25600に対応。液晶は3型チルト可動式で、EVFには約236万ドットの有機ELを搭載する。その上で画像処理エンジンにフラッグシップ機と同じ「TruePic Ⅷ」を採用することで、連写の高速化や4K動画対応を実現。HD画質でのハイスピード動画撮影も可能になった。気になった点は、モードダイヤルの位置がPASMの場合、選べる動画の最大サイズはフルHDまでに制限されること。4K画質で撮るにはモードダイヤルを動画の位置に合わせる必要があるのは、慣れるまで少々戸惑った。

トータルとしては、手軽なスナップから一段上のワザを使った撮影まで幅広く対応可能なミラーレス入門機と言っていい。子どもや旅行の撮影用はもちろん、趣味として写真撮影を学びたい人にもおすすめできる。

 

結論

【ここが○】
・携帯性に優れた小型軽量ボディに強力な5軸手ブレ補正機能を搭載。
・構図の自由度を広げるチルト可動と直感操作ができるタッチパネルに対応。
・エントリー機ながら4K動画撮影やライブコンポジットなど機能が充実。

【ここが×】
・PASMのモードでは、4K動画や静音撮影、ブラケットなどの機能が選べない。

メニューや機能をシンプルに整理し、ビギナー用に最適化されたミラーレス機

撮像素子や感度、液晶、EVFといった主要な性能は前モデルから変わらず、スペックだけを見れば物足りなさを覚えるかもしれない。しかし使い勝手の面では、アドバンストフォトモードを新搭載するなど、よりビギナーに使いやすいカメラへと大きく生まれ変わっている。


▲豊富なアクセサリーを使って着飾る楽しみもある。写真は純正の本革ジャケット『CS-51B』。

 

文/永山昌克 撮影/江藤義典

※『デジモノステーション』2017年11月号より抜粋

関連サイト

『E-M10 Mark III』製品情報ページ
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