自由研究選びにも役立つ!?
父親目線でダイソンの国際女性エンジニアデイ イベントに参加する

編集長の滝田勝紀です。去る6/24にジェームズダイソン財団が開催した「国際女性エンジニアデイ イベント」を取材しました。参加して何より感じたことは、夏休み目前のこの時期、子供の自由研究をどうしよう?と悩んでらっしゃるパパや子供たちに、今後機会が訪れた際にはぜひ参加して欲しいと思ったこと。と言っても、もちろんそんなタイミングよく開催されるものではないので、ここではそのレポートとその理由について、ひとまず書いておきますね。

ワークショップに集まったのは女子中学生約35名

今回ダイソンの日本法人の社内で開催された国際女性エンジニアデイ イベント。ジェームスダイソン財団が、多くの若い人たちにエンジニアという職業に興味を持ってもらうきっかけになればと、日本全国の主に中学生を対象に開催してきた「ダイソン問題解決ワークショップ」がベースとなったイベントです。

この日はイギリスにあるWomen’s Engineerring Societyという団体が国際エンジニアデイ(International Women’s Engineering Day)と定めた6/23の翌日(6/23が残念ながら日曜日だったため)。そこには同じダイソンと同じ千代田区にある和洋九段女子中学校の中学3年生を中心とした35名の女子生徒たちが参加しました。

女子中学生とエンジニア。一見まったく縁遠い存在にも感じられますが、実は共通点があります。エンジニアは社会に対して常に課題を感じ、それを独自の方法で解決し、快適な生活を生み出そうと努力し続ける存在であること。一方、彼女たち中学生も身近な社会、つまり学校生活や勉強する環境に潜在的には課題を感じていて、それをなんとか自分たちのやり方で快適なものにしたいと実は常々思い続けていること。ただ、彼女たちはあくまで学生であり、当然そのやり方が大人ほどは具体的に考えられない、あまり多くの解決手段を持ち得ないということを除いては。

とはいえ、もし彼女たちが将来大人になった際、もちろんエンジニアを一人でも多くの人が目指してくれたらいいですが、あるいはほとんどの人が全然異なる職業を目指したとしても、実はこの課題を見つけ、これまでとは違う解決策を考え、実行するという考え方は万人大いに役に立つというもの。ジェームスダイソン財団はそんな崇高な理念の下、日本全国の中学生や高校生などを対象に地道にエンジニアとしての考え方が少しでも身につくように、問題発見課題解決プログラムを開催してきました。エンジニアにちょっとでも興味を持ってくれる学生が増えること自体が、未来の社会を少しでも良くすることにつながると信じて。

プレゼンは洗練されているよりもみんなの共感が大事

具体的に今回女子中学生たちに与えられたテーマは、まさに「学校生活の問題解決」でした。どのようなプロセスでワークショップが行われたかというと


グループでまずは学校生活でどんな課題を抱えているかを話し合う


それら課題の中から特にみんなが共感した大きな課題をひとつ選ぶ


その課題についてこれまでにないやり方で解決するプロットを描く


段ボールや文具、パーツを組み合わせ、実際に解決できるか検証する


最後にそれら解決策が他の人たちにも理解されるかをプレゼンする

35名余の女子中学生が8班に分かれて、それぞれ①から⑤を体験しました。

最初の①では、それぞれがあらかじめ持ち寄った課題を話し合います。「なぜ学校では学生たちは階段を登らないといけないのか?」「なぜ中学生以上の子はシャープペンを使わなければならないのか?」といった課題というよりむしろ疑問のようなものから、「学校のイスと机は分離しているから誰もが動かしやすくしたい」「通学する電車が混んでいるのでもっと楽に乗り降りするための仕組みを作りたい」といった、もし実現したら全員の学生生活をかなり楽にする課題まで、さまざまな意見が上がりました。

②③では各班で最も共感が集まった課題をそれぞれ一つずつ選び、その解決方法などについて議論し、それを実際にどういうものを作れば解決できるかを考え、1枚の設計図を描きます。最初は絵があまり上手じゃないからと描くのをためらっていた班が多かったように見えましたが、重要なのは絵が上手いとか下手ではなく、課題をこれまでにないやり方で解決できるか、その仕組みが実現可能かどうかだと、各班をサポートするダイソンの社員たちが伝えることで、それぞれが独自の解決案を描いていました。

ちなみに、ジェームズ・ダイソンの第一号掃除機試作品も、それを生み出すための時に描かれた初期段階のスケッチも、お世辞にも見栄えのいいものではありません。あくまでもこれまでにないやり方で課題を解決するための仕組みがわかればいいというレベルのものだったということを、あらかじめワークショップ前にスライドなどで見せていたことが良かったのかもしれません。

さらに④では時間がない中で、各班がシンプルなものからかなりの大作まで、独自の方法で解決する仕組みが実際に可能かどうか検証する試作品を制作しました。そしていよいよ⑤へ。プレゼン自体は洗練されたものというより、課題に対してこうやって解決しましたという中学生らしい素直なものが多かった気がします。偶然にも「通学する電車が混んでいるのでもっと楽に乗り降りするための仕組みを作りたい」という意見を2班が挙げ、中でもあらかじめ降りる駅を登録してから椅子に座り、ひとつひとつのイスが駅に到着するたびに稼働、降りる人と乗る人が効率よく席を替われるような仕組みは、現実に運用できるかどうかは抜きにして、正直存在したらいいだろうなーと思うものでした。

自由研究が夏の重荷から楽しい親子の思い出に!?

さて、今回ワークショップを取材して改めて大切だと感じたことは、繰り返しになりますが、課題を見つけ、それに対してこれまでとは違う解決方法を考え、より社会を良くするものを生み出すというプロセスを学んだこと。これはまさにダイソンのエンジニアが日常考えていることであると同時に、あらためて万人が学ぶべきプロセスだと実感しました。

そんなプロセスについて、ダイソンのワークショップに参加すれば、誰もが学ぶこともできます。が、当然タイミングよく参加できる人は一部ですし、それよりもまさに目の前にそのプロセスを疑似体験できる機会が、主に小学生の子供がいる家庭にはあります。それが夏休みの自由研究です。

子供自身が本来行うべき夏休みの自由研究ですが、某アンケートによると7割以上の親が手伝わざるを得ないと答えるくらい、多くの子育て家庭にとって何を研究するか、いつも夏休みが終盤に差し掛かるまでネタが見つからない難題になりがちだと言われています。結果的にどこかで見たようなありきたりなテーマを出来レース的に提出したり、よくわからない工作などを無理やり作ったり、いかにも興味がないものを集めて展示することでお茶を濁したり、そういう人たちはほぼ苦し紛れに終わらせる人がほとんどとのこと。

ただ、せっかくの学びの機会ですし、それではあまりにももったいないです。そこでやっつけで行うのではなく、今年の夏休みはこのダイソンのワークショップで学べるプロセスを活用して自由研究のテーマを設定してみてはいかがでしょうか?

①身近なところから課題を見つける
子供たちが普段の生活の中で潜在的に不満に思っていること。小学校生活でももちろん家庭内の生活でも、いろいろな生活シーンから何か課題がないかを親子で話し合ってみましょう。その話し合った内容も逐一メモしておき、それらを記すことで熟慮を重ねた結果、テーマが出せたことが伝わります。その課題が親子で共感できるものだったらなおベターです。

②これまでとは違う解決方法を考える
その親子間で共感できた課題について、どのように解決策を講じたかをイラストや文字を使ってひとまずまとめます。背伸びせずに小さなことでも、どの家庭にもありそうな課題だったらよりいいかと思います。そう言ったものであれば、友達の家の意見なども聞いてみることで、よりいい解決策が生み出されるかもしれません。

③結果的により社会を良くするものを生み出す
ここからがいよいよメインのアウトプットです。①②できっちりとテーマ設定と解決策を描いていれば、そこから生み出される研究作品は、例えそれがシンプルなもの、誰でも作れそうなものであっても、子供たちにとっては十分価値のある研究作品になると思います。

このようにダイソンのワークショップから学べるエンジニアの考え方のプロセスを応用すれば、もしかしたら自由研究が夏休みの重荷から親子の楽しい思い出に変わるかもしれませんね。

ジェームズ ダイソン財団
http://www.jamesdysonfoundation.jp/
財団の目的は、技術に関する教育を通じて、今後あらゆる分野で活躍しうる若きエンジニアやデザイナーの育成サポート、また将来を考え始める世代に向けて科学、デザインそしてエンジニアの楽しさと必要性を伝え、次世代のエンジニア育成に貢献すること。