バルミューダの新サーキュレーターC2発表会
寺尾玄社長&TKO木本武宏さん1万字対談全文
「一度だけ言わしてください。これ僕が売ったんです!」(木本)

今でこそ多くの人に知られる、バルミューダの扇風機「The GreenFan」。ただ、それが世の中でヒットする寸前、実はバルミューダは虫の息、倒産寸前の状態だった。2009年当時、社員は3名で、売上高4500万円に対し決算は1400万円の赤字。さらに、3000万円の借り入れがあったという。20代でロックスターへの夢が破れ、30代で起業したバルミューダデザイン(当時の名称)がまた潰れ、その夢も破れるかもしれないと思った寺尾玄社長。だが、潰れるのを断る! とそこから奮起し、それまで構想を練っていた革新的な扇風機「GreenFan」を起死回生、3カ月で開発量産へと漕ぎ着ける。さらにその後、6000万円の資金調達を奇跡的に成功させ、残るは販売するのみとなった。

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ただ、この販売こそが一番難しい。当時無名だったバルミューダデザインという会社の、3万5000円もする扇風機には当然どこの量販店バイヤーも耳を傾けない。そう、普通のやり方では絶対に。そこで、寺尾社長は当時巷で人気だった家電芸人、お笑いコンビTKOの木本武宏さんにグリーンファン、いやバルミューダ自体の命運を託す。

 

事務所でのグリーンファンプレゼン以来約10年ぶりの再会

TKO 木本武宏(以下木本)「どうもこんにちは、木本でございます。今日は呼んでいただいてありがとうございます」

バルミューダ寺尾玄社長(以下寺尾)「こちらこそお越しいただきありがとうございます。先ほど楽屋裏ではお会いしましたけど、本当にすごい久しぶりだったんですよ」

木本「ねえ、もう。あの日以来ですから」

寺尾「あの日以来ですね(笑)」

木本「僕、松竹芸能という事務所に所属してるんですけど、ふだんあまり事務所に行かないんですよ。行かないのに、たまたま事務所に行ったその日に寺尾社長が事務所の下にいらっしゃったんです」

寺尾「はい。待ってたからです」

木本「その日来るかなんてわからないじゃないですか」

寺尾「待ってたからです(笑)」

木本「スーツ着て、おひとりでダンボールを抱えてらっしゃるんですよ。暑い日でね、汗をダッラ~かかれてて。そしたら声をかけていただて、『ちょっと扇風機を見てくれないか』と。意味わかんないですよね(笑)。『はい?』って言ったら、『すごい扇風機ができたのでぜひ見てほしい』と。当時、家電芸人の仕事をけっこうしていて、この世のいい家電をひとつでも多く知りたいという状態だったんで、ぜひ見させてくださいと。そのまま会社に入ったんですよ」

寺尾「そうなんです。木本さんにご紹介いただきたいと狙いをつけて、どうすればいいかなと思ったんですが、待つしかないと思ったんです。お会いする方法は、事務所だろうなと思ってました。どこへどのように行っているかというスケジュールはわからないので、事務所ならいつかは来るだろうと。それで、入待ちをしました。暑い日で汗だくという、恥ずかしい状態だったんですけれども」

木本「申し訳ないのが、松竹芸能の会議室で扇風機を見さてもらうんですけど、そこの会議室めっちゃエアコン弱いんですよ(笑)。僕はただ待ってるだけなんですけど、社長は汗かきながら自ら箱を開けてね。汗ふきながら、組み立てて……このグリーンファンですよね」

寺尾「そう、これが2010年に発売した初代機なんですけど、その日倉庫に1台だけ新品があったんですよ」

木本「それを持ってこられた。新品を?」

寺尾「それ持ってきました」

木本「暑い会議室というのがちょうどよかったのか、本当に衝撃的な涼しさで、今まで感じたことのない風を味わったんですね。『社長、これちょっとすごいんですけど!』と伝えたら、社長はひとりずーっと扇風機のプレゼンテーションをしてくれたんです。二重構造の羽根の話から始まってね。それにもう、感動したんですよ。わざわざ来ていただいて、とかそういう次元じゃなく、このグリーンファンという製品に感動して、『今度ぜひ、テレビ番組で僕にプレゼンさせてくれませんか』と。あのときのこと、社長は覚えてらっしゃるかわからないですけど、僕にどこかでこれを紹介してほしいんですってひとこともおっしゃらなかったんですよ。覚えてらっしゃいます?」

寺尾「はい」

木本「言わなかったですよね」

寺尾「はい」

木本「ただ、扇風機の説明だけされるんですよ。もう僕のほうが耐えかねて、『これ紹介させていただいていいですか』と言って。そのときに初めて、『ぜひお願いします』とひとことだけおっしゃっいました。そして、そのすぐ後にあった収録で、僕はこのグリーンファンをPRしたんですよ」

寺尾「はい。その番組では、まるで私のように説明してくださってるんですよ。二重構造の羽根で、風がこうなるからああなるんだよって。いやいやいやいや……! これは、この方に営業してもらったほうが早いんじゃないかなと」

木本「ははは(笑)」

寺尾「その営業を、大々的にメディアという場でしていただいてのが木本さんだったんです」

木本さんはデザイン性の高いものが好きだから指名した

木本「なぜ僕に声をかけていただいたんですか? いろんな家電芸人がいて、僕よりも全然活躍してる芸人が多いから、彼らに断られて断られて断られて最後に僕のところに来たのかなと思ってるんです」

寺尾「未だにですか?」

木本「いや、著作を読んでそうじゃなかったんだとわかったんですけど、それまではずっと思ってたんですよ」

寺尾「そうなんですか(笑)。説明不足で申し訳ないです」

木本「いえいえとんでもないです」

寺尾「木本さんはデザイン性の高い製品がお好きで、いろいろな場所でそういうものをオススメされていることは知ってました。技術ももちろん売りではあるんですけれども、グリーンファンは、どこからどう見ても扇風機の形であるのと同時に、どこからどう見てもこれまでの扇風機よりデザインがすぐれている。そう思っていただくのが狙いだったんですね。だから、デザイン性の高さというポイントをアピールいただくには、木本さんしかいないだろうなと思ってました」

木本「うわーーー、そういう理由だったんですか!」

寺尾「はい、すいません。今日までお話していなくて」

木本「いえいえもう嬉しいです。僕は最後の砦ではなかったんですね」

寺尾「全然違います」

木本「最初からピンポイントで」

寺尾「そうです」

木本「それは嬉しいですね~。もうね、収録では寺尾社長の情熱が身体に染み込んで、そのまま乗り移ったかのように僕はプレゼンさせていただいたんですよ。出演者もみんな『すげー!』となって」

寺尾「そう、すごい盛り上がってたんですよね」

木本「はい」

寺尾「おかげさまでなにが起きたかといいますと、その放映があった次の日、会社の電話が鳴り止みませんでした。私が商談に行きたかったすべての会社さんから電話がかかってきて。『ぜひ商談させてください』と先方が言うから、『ああ、そうですか』って。『しょうがないから行きます』と言って」

木本「めっちゃ嬉しいくせに(笑)」

寺尾「ほんとはもう頭のなかフル回転で、これで何台行けるとか、ずっと計算をしながら話をさせていただいてました。でも、あれで本当に最後……。資金調達も大変だったし、そもそも開発が大変だった。このプロジェクトに私、人生賭けてましたから。最後の最後に、本当に突破した瞬間でした」

一度だけ言わしてください。これ、僕が売ったんです!(木本)

木本「はぁ~。いや、だから僕ね、あとでいろいろお話聞いて振り返ってあの日のことを考えると、ひとりの大人の男が人生賭けるときの情熱というのは、こういう温度なんやというのを僕は味わってるんですよね。本当になんか、これがアカンかったらっていう感じでしたもんね」

寺尾「冗談抜きでそうでしたから。3カ月後自分がどうなってるか、会社がどうなってるかわからないっていうときってあんまりないじゃないですか。倒産してるのか、こいつで大成功してるのか、どっちに転ぶか本当にわからなかったんですよ。だからなのか、必死になって頑張ってるうちに、途中からその疾走感に気持ちよくなってきたんですよ。あれ、おそらくランナーズハイ的なものだと思うんです」

木本「アドレナリンが出て」

寺尾「はい。ただただ、生きてるって素晴らしいなと感じてた。本当です」

木本「スーツ着てるのに地べたに膝ついて、風がこうだああだって言うて説明されるその映像が僕のなかにずーっとあって。番組では僕なりの情熱でしゃべったんですけど、その後めちゃくちゃ売れるということになってくじゃないですか。またたく間に、いろんな雑誌でこのグリーンファンが特集されるんですよね。もう僕んなかでは、すごくおこがましい言い方なんですけど、正直『俺が売ったんや』って思ってるんですよ」

寺尾「(笑)」

木本「正直ね。正直言うて俺が売ったんやけど、そんなことを人に言うとものすごくかっこ悪いじゃないですか。もしかしたらそうじゃないかもしれないし。でも、寺尾社長がオンエアのあとすぐに反響の度合いを事務所に電話くださって、それを聞くと『やっぱすごいんやー』と。僕が言うただけでグリーンファンがワーなってるとはもちろん思ってないんですけど、でも、いちばん最初にメディアでしゃべったのは僕だと思ってるんで」

寺尾「そうです、そのとおりです」

木本「僕なんだ僕なんだって、ずーーっと言いたくてもどこでも言えず。人って、そんなに自分が関係なくてもめっちゃ関係あるみたいに言うじゃないですか。ほかのことでも、僕けっこうそういうの言うてしまってるタイプなんで、それと同じようにされるのも嫌やったから、逆にもうあんまりどこでも言わなかったんですよ」

寺尾「そうなんですか」

木本「僕が僕がみたいなこと言わなかったんですよ。でもめっちゃ言いたかった。このモヤモヤが今日…」

寺尾「いま炸裂してるわけですか」

木本「いま炸裂してるんですよ。だから一度だけ言わしてください。これ僕が売ったんです!」

寺尾「はははは(笑)」

木本「素晴らしい製品を作っていただいて、出会わせていただいて。そのあと空気清浄機、トースターと次々新商品が出るんですけど、どんどん僕の手の届かないところにバルミューダさんが行っちゃって、あのとき社長と電話番号交換してたらよかったなと(笑)。でも、ずーっと僕はバルミューダの1ファンとして、新製品が出たら購入して使ってるんです。なにか取材があって、オススメの家電って聞かれたら僕必ずバルミューダの新製品を言うんですね。実際に使ってですよ。それなんで言うてるかっていうたら、『社長に届け』と思ってるんですよ。『社長見てますか? 寺尾さん、僕ここにいてますよ』っていう(笑)。僕のこと忘れないでくださいねっていうのがずーっとあったんで、今日この新製品発表会にお声がけいただいてもう嬉しくて嬉しくて」

寺尾「いやァ…なんかありがとうございますというか、申し訳ありませんでしたっていう」

木本「でも寺尾社長ひどいんですよ。僕現場さっき入って、社長とすれ違うとき『あ、社長や、目あうんかな』と思ってたら社長ふわーって素通りしていって。社長! 僕!! 僕ですけどって言って。すいませんっておっしゃってもらったんですけど、メガネかねてたから(笑)」

寺尾「申し訳ありませんとしか言いようがない会になってきました」

木本「だって、10年近い望みに望んだ再会の瞬間を素通りされましたからね」

寺尾「(笑)」

木本「感動の再会でしたほんとに」

寺尾「10年前はね、私があんなに待ったのに」

木本「(笑) いや~、そのときは今日たくさん見れてるこの寺尾社長の笑顔っていうのなかったんですよね」

寺尾「当時はなかったですね」

木本「もう、全力疾走している男の雰囲気というか。僕もこの芸能の仕事、お笑いの仕事してますけど、バルミューダさんの成長というのをずっと見てて、勢いよく行ってるなと。じゃああのとき、上から目線で扇風機見せてくださいみたいな態度してた俺はどうなんやって。なんか常にね、自分の仕事とバルミューダさんの成長っていうのが物差しになって、焦る対象であって。バルミューダがこんなに大きくなっていってるのに俺なにしてんねん、とかそういう存在だったんですよ」

寺尾「…こんど飲み行きましょう」

木本「(笑) ふたりで泣きましょう」

人に語りたくなる家電こそがバルミューダの家電

寺尾「噂で聞いているんですけれども、いろんな方にプレゼントもしてくださってるんですよね」

木本「そうなんです。僕ほんとにグリーンファンが特別なものなんですよ。かっこよくて、性能も抜群でっていう。だから、知り合いが結婚するときは、門出のプレゼントに必ずグリーンファンを贈ってるんですね。つい先月も真っ黒なやつが出て、それ贈りましたけども」

寺尾「先ほど携帯でその画像を見せていただきました。やはり自分たちの作った商品が、木本さんのような心意気を持つ方を経由して、自分たちが知らないお客様のところまで届く。そこでなんらかの良きものを皆様に提供できているっていうのは、とっても素晴らしいし嬉しい体験です。これ、家電ならではなんですよ」

木本「そうなんですか?」

寺尾「こういうモノの経由の仕方…しかも、毎日役立つじゃないですか。例えば本だと1回読んだら終わりですけれど、人の人生にずっと、少しだけですけどもずっと役立つことができるっていうのは、家電を作っててよかったなって思える瞬間のひとつですね」

木本「たしかにそうですね。なんかこう、語りたくなる家電ってやっぱりあるじゃないですか。そういう製品を作っていただいてることがすごく嬉しくて。今日も出番前にメイクの方と話していたら、そのメイクさんがバルミューダの炊飯器を使ってて。『あれで玄米炊いたらすごくおいしいですよ~』って僕に教えてくれるんですけど、そういうときでも僕は、『いや、俺のほうがバルミューダ先知ってたし~』って(笑)。『知ってるよ~』みたいな。ああやって、知って自慢したくなる家電っていうのはまだまだ少ないような気するんですね」

寺尾「そうかもしれないですね。やはりそこらへんは狙い目で、トースターなんか特にそうなんですけれども、使って嬉しいと思っていただくと皆さんほかの方に話してくださるんですよ。今どきSNSの時代ですけれども、実際に知り合いと面と向かって話すときに出てくる話っていうのが、ものすごい宣伝効果が高いらしいですよ」

木本「口コミってやつですね」

寺尾「本当の口コミという、あれこそがたぶん最強の宣伝ツールなのではと思っていて。ただ、ツールではあるんですけれども、絶対に作ることができないんですよ。人を喜ばせる以外に」

木本「たしかにそうですね。言ってっていうて言うもんじゃないですからね」

寺尾「例えば、おいしいラーメン屋さん見つけたら友達に話したくなるじゃないですか。君も行ってみなよって言うじゃないですか。あれと同じなんですよね。性能も大事かもしれません。美しさも大事かもしれませんが、いちばん重要なのは、それらが総合的に道具としてどれだけ人間を喜ばせることができるのかっていう。そこが醍醐味でもあるし、ビジネスの勝敗ポイントなんだなってつくづく思いますね」

木本「なるほどねェ~。トースターにしてもそうですし、もちろんこのグリーンファンもそうですけども、ヒット商品が出るとほかのメーカーも『じゃあうちはこういうので勝負する』ってなってもうひとつレベル上がったりするじゃないですか。バルミューダが、そういった牽引するメーカーになってきてるっていうのが、家電量販店とかに行くと僕んなかでは一目瞭然やったりするんですよね。そりゃあ、ジャンルによるんでしょうけど、少なくとも僕がパッと見ると扇風機はそうですし、トースターもそうです。変な話、絶対バルミューダの商品じゃないとっていうことじゃなくて、家電全体を見たときに選択肢が広がるじゃないですか。あれが見ててワクワクするんですよね」

寺尾「正直、新しいジャンルを作るって明らかに感じたのはこの扇風機とトースターです。本当は、毎回それ狙ってるんですよ。なんですけど、毎回できない。残念だなあと思うけど」

木本「そうですか。僕なんかもう、今や余裕でやってらっしゃるのかなって思ってました」

寺尾「いやいやいや、どの商品も、新しいジャンル作るぞくらいの気持ちではやってます。例えば、高級扇風機とかDC扇風機っていうのはそれまでなかったんですよね。トースターも、高級トースターなんてなかったです。それを自分たちがドンとやって、他社さんもそのコンセプトに合致した商品を出してくれると、ひとつじゃなくなるんでジャンルとして呼ばれ始めるですよね。DC扇風機っていう売り場ができる。あれはとっても気持ちいいんですよ。快感です。自分たちだけじゃなくて、他社さんのお金の流動性まで高めてるっていうのは、そのアイデアがよっぽど素晴らしかったんだなってやっぱり自分たちで思えるんですよ。そういうことを毎回やりたいなと思いますけども、毎回ホームランは出ないです。三振もします。ホームラン狙いなんで」

木本「なるほど。発売する前に断念した商品もいっぱいあるということなんですね」

寺尾「たくさんありますね」

木本「そうですか。わかんないですけど、例えば白物家電で言うたらあれも出してほしいこれも出してほしいって思いますけど、一度手がけたけどやめてるっていうものもあったりするんですね」

寺尾「たくさんありますよ。やめてるというか、次の案がのちにたまたま出てくることもあるのでストップさせてるっていう感じでしょうか。当然ながら、企画倒れがいちばん多くて、開発に着手してからの金型に行かない、量産化まで至らないっていうものが二番目に多い。そのあとも、いろいろなものづくりの事情などで延期になることもあります。会社が大きくなって組織になってきたぶん、むしろそこらへんは昔のようなむちゃはできなくて。いろいろな工程が開発中も発生するようになって、開発期間が長くなったり、投資するお金が桁違いに増えるようになったりとかいろんなことが起きてます」

木本「そういう意味では、常にあぐらかいてものづくりはできないってことですね」

寺尾「5000パーセントできません。気をつけて気をつけて気をつけて気をつけても、問題が発生したりしますので。私が木本さんを訪ねたときって、もうほんとに自由だったんです。自分の情熱だけしかなかった。夢と借金しかなかったですからね。だからとっても簡単なんですよね。今はそこに、組織とか社会的信用とか義務とか、いろんなものがのしかかってきてるんで……これ飲み屋で話したほうがよかったですかね。ただの愚痴になってるんで(笑)。まあまあ、そんなこんなでとにかく、突っ走ろうとしているその気持ちだけは変わっていません」

木本「はァ~(感嘆) バルミューダの製品は常にスタイリッシュで、突出していて、オシャレの代名詞みたいなことになってるから、世の中の人はふつうにオシャレで素敵な製品として見てるんですけど、この寺尾社長はすごくアツいキャラクターで。ぶっちゃけた話、今日も出る前に打ち合わせさせていただいたんですけど、『今日どんなことしゃべったらいいですかね』『あ、内容もう別にいいです、ただひとつだけやりたいのは、僕が木本さん呼び込みますんで、そのあと真ん中で固い握手だけしましょう』っていう。打ち合わせこれだけやったんですよね。でもそのあと、お互い思いの丈でしゃべりましょっていう話になって、なんかそういう、アツーーいハートを持った方が手かげてる製品って、ほんと世の中の人イメージにまったくないと思うんですよね」

寺尾「ああ、会社のイメージと私のイメージがだいぶ違うと」

木本「違いますよね。だからそういう情熱のもとに、このスタイリッシュな製品がこうプワッと表現されているという。あの日社長がひとりで来られたのに、今日は本番前にいろいろ挨拶させていただいて、もうやっぱり組織ですよね。いろーんな方が携わってらっしゃって、そのトップの社長さんですから、僕会うまでは左うちわかなと思ってたんですよね。雰囲気も昔とは変わってらっしゃるのかなと思ったら、全然あのままですもんね」

寺尾「はい。ただ、今日は汗だくではありません」

バルミューダは電気自動車を作る。夢を夢で終わらせない

木本「(笑) 今日は涼しいからね。僕がとにかく伝えたかったのは、こういう寺尾社長というアツーい方がこういうスタイリッシュなものを作ってるんだと。そのアツい気持ちがあるからこんなものができてるんだというのと、しつこいようですけども、グリーンファン売ったんは僕だということだけ伝えに来たんですけど。しつこいですけれども。これから、バルミューダさんはどうなっていくんですか。それがね、楽しみで仕方ないんですよ」

寺尾「私も楽しみで仕方ないとしか言いようがないですね」

木本「ね! だからご自身でも、やろうと思ってチャレンジしたらなんぼでも幅はあるんでしょうけど、その可能性はわからないですもんね」

寺尾「わからないです。まあ、ここ2、3年のことを考えると、これまで築いてきたブランドや認知度、得意としている技術っていうのを使って、作っていない白物家電がまだ山ほどありますから」

木本「ですよね。すごく楽しみにしてるんですよ」

寺尾「今年また発表がありますし、来年もヤバいんですよ」

木本「マジですか! いやだから僕、これ作ってほしいあれ作ってほしいって言いたいんですけど、もしそれが今作られてたらアレじゃないですか。余計なこと言えないなとは思ってるんですけど、ほんとにキッチン周り全部バルミューダの商品、リビングも全部バルミューダの商品で固めたい……こんな言い方したらほかのメーカーの仕事一切なくなりますね」

寺尾「そうですね(笑)。ヤバいんじゃないですか今日は」

木本「正直そういう気持ちがあるんですよ。だからひとつでも、着々と時間かかってもいいんで、生活のなかにバルミューダっていうのをひとつでも増やしていってほしいし、僕のいちばん大きな夢は、ほんとに電気自動車作ってほしいですね、いつか」

寺尾「なるほど…」

木本「バルミューダの電気自動車見たくないですか。後ろにバルミューダって書いて」

寺尾「うん、考えてるんですよ」

木本「え!! じゃあ僕いま余計なこと言いました?」

寺尾「まだ私の頭のなかで考えが始まってるという段階なので、会社として動いてるわけではないから今こんなこと言えるわけですけれども」

木本「なるほどなるほど、ああよかった。もう夢ですよね~!」

寺尾「はい。でも、夢は夢で終わらせない。終わらせたくない」

木本「うわ! めっちゃ楽しみです」

寺尾「いま私が言い放ってしまったのが録画されてしまったと。こっちもマズい。木本さんも他社さんからのお声がけという意味では、相当今日はよくない日だったと思います。私も余計なこと言ってしまったので、お互いやっぱりしょうがないから飲みに行きましょう。必ず電話番号も交換して」

木本「楽しみにしてます。僕、バルミューダの車出るまでは車買い替えないんで」

寺尾「絶対ウソだ(笑)。いつ出るかわからないので、お好きな車それまで載っててください」

木本「でもそれぐらい、大きな夢を僕たちは期待してていいわけですね」

寺尾「はい、そうです」

木本「うわ嬉しい~。楽しみでございますほんとに」

寺尾「私の想定以上に、ものすごいアツい気持ちでバルミューダをずっと見守ってくださっていて、当然ながら先ほどお話したように、グリーンファンの発売と販売の成功がなければ今日の私たちはありませんでした。木本さんが『これは俺が売った』とおっしゃってくださいましたけれども、私も述べさせていただきますと、木本さんは紛れもなくバルミューダにとって恩人です」

木本「わ! ありがとうございます。ちょっとうるって来ちゃって」

寺尾「今後そう名乗ってください。言いたいときは」

木本「『僕、バルミューダの恩人やねんけど』、言っていいんですか僕」

寺尾「どうぞ(笑)」

木本「なにを言うとんねんて言い返されますよ。でも、今の言葉は僕のなかでずっと宝物にします。こんな嬉しいお言葉ないです。ありがとうございます」

寺尾「とんでもないです。今日は本当にありがとうございました」


バルミューダ
GreenFan C2
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