母艦いらず!ケーブルいらず! これぞ真のオールインワンなVRヘッドセット「Oculus Quest」

FacebookからOculus Goがリリースされ、約1年後に登場した「Oculus Quest」。いずれも単体で動作するVRヘッドセットだが、実際の性能には大きな差がある。

なんといってもOculus Questは、部屋のなかを自由に動けるVRヘッドセットなのだから。母艦となるPCやゲーム機にケーブルを接続することなく、視界をジャックするダイナミックなゲームやアプリの世界にハマって歩けるデバイスは世界初といえる。

いままでのVRヘッドセットは有線型が中心だった

HMDスタイルのVRヘッドセットの歴史は1968年にまでさかのぼります。CGの始祖であり、GUIの始祖でもあり、インターネットの発展にも深く関わったアイバン・サザランドが作った「The Sword of Damocles」(ダモクレスの剣)こそが、ゴーグルタイプのVRヘッドセット第一号機といってもいいでしょう。

2台のディスプレイの映像を目で覗き込めるようにしたシステムではありましたが、表示されていたのは実写映像ではなくCGでした。ハードウェア構造やコンテンツの差はあれど、CGによる仮想空間を目で覗き込めるデバイス=VRヘッドセットのスタイルを編み出したアイバン・サザランドは、すなわちVRの父といえます。

時を経て、日本でVR元年といわれるようになったのが2016年。Oculus Rift、PlayStation VR、HTC Viveが発売された年です。ハードウェアが増えたということは、ゲームハード戦争みたいにメーカーファンの間で口プロレスが多発するかと思いきや、そこまでの太炎とはなりません。そう、この3機とも、気軽に扱うのが難しいデバイスだったんですね。PlayStation VRはPS4、Oculus RiftとHTC Viveはミドルレンジ以上のスペックを持ったパソコンが母艦として必要であり、しかもその母艦とケーブルで接続しなければならず、動きを検知するための外部センサーも必要でした。

しかしVRヘッドセットの市場価値は、2016年ごろからググッと高まっていきます。YouTubeやNetflixのコンテンツを貸し切り映画館で見ているような体験ができることが知れ渡り、YouTubeやFacebookに360度映像がポストできるようにもなり、楽しめるコンテンツの数が飛躍的に伸びました。

そして2018年にリリースされたOculus Goに、ハードウェアには深い興味を持たないけれども、新しいものがとことん大好きというアーリーアダプターの視線が集まりました。外部センサーなし、単体動作が可能なVRヘッドセットで、価格もリーズナブルだったことからスマッシュヒットとなります。

Oculus Questは無線型ながら6DoF対応で空間内を”歩ける”

未来の教科書には、本年2019年こそがVR元年と記されるかもしれません。その理由は2つあります。1つは今後のVRヘッドセットの基準になりえるだろうOculus Questがリリースされたから。もう1つはこのOculus Questに、Oculus GoでVRを知った多くのユーザーが注目し、購入しているから。

Oculus Questはカンタンにまとめると、Oculus Goのように外部センサーなし、単体動作が可能なVRヘッドセットでありながら、Oculus RiftなどのようにVR空間内を自分の足で歩くことのできるデバイスです。

外部に母艦を用意するRiftシリーズほどの処理能力はなく、既存のVRコンテンツすべてを楽しめるわけではありません。しかしVRゲームで大人気となった音楽ゲーム・ビートセイバーも、自分が動いているときだけ時間が進むシューティングゲーム・SUPER HOT VRも、最新世代パンチアウトといえるボクシングゲーム・Creed Rise to Gloryも移植されており、最新VRゲームをもっともカンタンに、かつディープに楽しめるデバイスであることには違いありません。

またOculus Questを軸としたコミュニティも増えてきました。時間をあわせて同じコンテンツ・ゲームにアクセスしておしゃべりをしたり、自分のOculus Questを持ち寄って一緒に遊ぶシーンも生まれてきました。ビートセイバーのハイスコア競争に一喜一憂したり、自分が見つけた面白いコンテンツをオススメしあい、「こんどは自治体の体育施設借り切ってソード・オブ・ガルガンチュアの同時プレイやろうか」などと、参加者の誰もが日夜楽しげに話しています。

広い空間をプレイエリアとして設定できる自由度の高さ

ダイエットにOculus Questを活用できるかも、と考えるプレーヤーも増加中です。ビートセイバーの難易度エキスパートはマイペースなジョギング、ゆっくりとしたスイミング以上の運動強度で、ときにはテニスに匹敵するといわれるほどの消費カロリーをほこるゲームで、ワイヤレスなOculus Questならばより長く快適にプレイし続けられそうという高い期待値がありますね。

前面にカメラが備わっているのもOculus Questのいいところ。本来は位置トラッキングを行うための機構ですが、周囲の景色を(低解像モノクロではありますが)映し出せます。Oculus Quest設定時に、Oculus Questを装着しながら周囲の掃除もできますよ。現状、このカメラを駆使したコンテンツはありませんが、将来的にはMR(Mixed Reality/複合現実)的な使い方もできるようになるのでは。

Oculus Questには外部センサーが必要だったOculus Riftより広く、外部センサーレスだけどワイヤードなOculus Rift Sよりもさらに広いエリアを自由に動けるのがまたスゴいんです。

スペインのYouTuber・Jugon Virtualによれば、ロボットが支配する世界を旅するApex Constructは、サッカーコートをまるごとプレイエリアとして、その範囲を自由に走ったりしゃがんだりしながら探検できるみたい。

VRヘッドセットの内部レンズに太陽光を当ててしまうと表示部が焼けてしまうため、屋外での利用は最善の注意を払わなければなければなりませんが、それでもOculus Questの可能性の高さを感じさせませんか。

バッテリーにやや面倒をかかえている(Oculus Questの温度が43度以上になると充電できなくなる)Oculus Questですが、1時間以上使い続けなければまず大丈夫。体力のことを考えても、目の疲れのことを考えても、休み休みプレイしたほうがいいでしょうし、実際にトラブルとなることは少ないでしょう。

ゲームデバイスの最新形を体感したいのであれば手に入れるべき

ハイエンドなコンテンツを心ゆくまで楽しみたいなら、PC接続型のVRヘッドセットを手に入れたほうが幸せになれますが、VRヘッドセットのほかに、高性能なグラフィックボードを搭載した10万円以上のPCを用意するというのは難易度が高めなんですよね。

体感ゲームをポピュラーな存在としたWiiのように、Oculus QuestもVRコンテンツをポピュラーなものとしてくれるポテンシャルを持っています。前述しましたが、Oculus Questの立つ位置こそが、今後のゲームデバイスの始点の1つとなるはず。ゲームデバイスの最新形を体感したいのであれば、Oculus Questは手に入れるべきハードウェアとなりますよ。

Oculus Quest
Facebook Tecnologies
4万9800円(64GB)