親子で学ぼう!オリンピックで振り返るテレビ進化の歴史

2020年の東京オリンピックが近づいてきた。開会式まで1年を切り、チケットの抽選販売も二度目のチャレンジがスタートしている。とはいえプラチナチケットを入手するのはかなり難しいと予測される。多くの競技はこれまで同様、テレビで観戦することになるはずだ。ここではそんなテレビの進化の歴史をオリンピックとともに見ていきたい。

日本がオリンピックに参加したのは1912年のストックホルム大会から。この辺りは現在放送中のNHK大河ドラマ「いだてん」で描かれているとおりだ。この頃は当然まだ日本にテレビなど存在しない。日本でオリンピックの歴史とテレビの進化の歴史を語れるようになるのは戦後からだ。パナソニックのテレビを眺めながら、その辺りをチェックしてみよう。

1950年代~1960年代が日本のテレビの始まり

日本でテレビ放送が開まったのが1953年のこと。NHKと日本テレビが放送を開始した。テレビ放送が始まってすぐに人気を集めたのがプロ野球やプロレス。街頭テレビの前に大勢の人が集まりみんなで熱狂していたという。テレビとスポーツは始まった時から切っても切れない関係だったのだ。

1948年 ロンドンオリンピック開催

1952年 ヘルシンキオリンピック開催

『ナショナル17型 17K-531』
松下電器製の第1号機白黒テレビが誕生。当時の価格は29万円。高卒国家公務員の初任給(5400円)の約54倍もの価格だったそうだ。

1953年 NHK、日本テレビが放送開始

その後、1950年代後半より、白黒テレビは、洗濯機、冷蔵庫と並んで「三種の神器」と呼ばれ、美智子妃殿下(現皇后陛下)の婚姻や東京オリンピックを契機に一般家庭へと普及していく。

1956年 メルボルンオリンピック開催

1958年 東京タワー完成

『14型テーブル T-14R1』
デザイン性の高さで人気を博したモデル。木製の丸脚はオプションだった。当時の価格は7万3000円。

オリンピックがテレビで放送されるようになったのも、1964年の東京オリンピックからだ。1960年には日本でもカラー放送がスタートしており、東京オリンピックは開会式を始め、様々な人気競技がカラー放送でテレビ中継された。

また、東京オリンピックでは静止衛星を利用した衛星中継も実現。海外21カ国のテレビでオリンピックが放送された。

ただし、この頃はまだカラーテレビは非常に高価だったため、まだ、一般家庭には普及しておらず、カラーテレビが普及するのは60年代の後半のこと。いざなぎ景気ではカー(自動車)、クーラーと並んでカラーテレビ3cが、新・三種の神器として広く普及していった。

1960年 ローマオリンピック開催

カラーテレビ本放送スタート

1964年 東京オリンピック  世界初の衛星生中継

1964年の東京オリンピックはまさに快晴の中の開会式。日本選手団の行進風景。写真:Mondadori/アフロ

 

1965年

『19形 家具調テレビ 嵯峨 TC-96G』
家具調のデザインが支持され生産台数130万台のヒットとなった白黒テレビ。カラーテレビはすでに発売されていたが1号機は50万円と非常に高価だった。

1968年 メキシコオリンピック

1970年代~1980年代にテレビはお茶の間の中心に

1970年代に入るとカラーテレビの普及率は一気に上昇する。内閣府の消費動向調査によると 72年には61.1%、75年には90.3%にまで増え、一家に一台が当たり前の時代となってくる。

さらに、1976年に家庭用ビデオデッキが登場。この頃からテレビ番組を録画して保存できるようになり、一家全員揃ってテレビを囲むスタイルが変化し始める。また1978年にはステレオ放送もスタートし、音質が大幅に向上、高音質スピーカーを搭載するテレビも増えていく。

1972年 ミュンヘンオリンピック開催

『20形 赤外線リモコンテレビ TH-6600FR』
現在でも採用されている赤外線方式のリモコンを採用したテレビ。超音波式と異なり誤動作がない。

1974年

『ナショナル 18形 TH18-E25』
新ブラウン管と省エネ回路を搭載したテレビ。「クイントリックス」のブランド名で大ヒット。累計販売台数140万台を記録している。

1976年 モントリオールオリンピック

1980年代に入ると、テレビは家族のものだけでなく、個人で所有するケースが増え始める。世帯のテレビの保有台数が2台以上になるのもこの時期だ。1980年のモスクワオリンピックに政治的な理由で日本を始め、西側諸国が参加しなかったこともあり、1984年のロサンゼルスオリンピックは現代のオリンピックの原型ともいえる運営形態となり、テレビ中継も大きく盛り上がった。

また、1987年には日本初の衛星放送である、BSアナログ放送がスタートし、テレビの娯楽としての地位はさらに高まっていく。

1980年 モスクワオリンピック開催

1982年

『ニューメディアテレビ αデジタル TH21-H500GR』
RGB端子を搭載し、パソコン(当時はマイコン)のモニターとしても使えるのが特長のテレビ。79年以降急速に増えたコンピュータ時代に対応した。

1984年 ロサンゼルスオリンピック開催

カール・ルイスは100m、200m、走幅跳、男子4×100メートルリレーと出場4種目全て金メダルを獲得。まさにカール・ルイスのためのオリンピックと言っても過言ではないほど強かった。写真:Mondadori/アフロ
『αチューブ TH28-D01X』
ブラウン管テレビとしては大型クラスとなる28型モデル。ただし、できる限りの無駄を省きシャープなデザインを採用した。これがこの先のデザインの流れとなって行く。

1987年 BSアナログ放送スタート

1988年 ソウルオリンピック開催

1989年

『プロジェクションテレビ GranVision43』
背面からランプで映像を投影するリアプロジェクション方式のテレビ。大型化しやすい構造だったが、ランプの寿命や排熱、映像が暗いなどの問題があり、普及しなかった。

1990年代~2000年代にテレビの大型化と薄型化が始まる

90年代に入るとテレビの大型化が進んでいく。ブラウン管テレビでも40型を超えるモデルが製造されたり、さらなる大型化をにらんでリアプロジェクションテレビやプラズマテレビも登場した。

また、大型化に合わせてハイビジョン放送に向けた準備もスタート。BSアナログ放送にて1989年から実験放送がスタート、91年には事実上の放送開始といえる「ハイビジョン試験放送」が開局し、2007年まで放送された。

1990年

『画王 TH-29VS10』
パナソニックのカラーテレビ30周年モデル。ブラウン管テレビながらフラットなのが特徴だ。シリーズ累計出荷台数300万台を突破した大ヒットシリーズだ。

1991年 有料衛星放送WOWOW放送開始

『ハイビジョンテレビ TH-36HD1』
アナログハイビジョン放送に対応したハイビジョンテレビ。当時の価格は450万円と非常に高価だった。

1992年 バルセロナオリンピック開催

1994年

『ワイドテレビ ヨコヅナ/ハイビジョン ヨコズナ』
画王シリーズを引き継いだシリーズで画面のアスペクト比が16:9のワイドになった。映画を少しだけ戻せてプレイバック機能も搭載していた。

1996年 アトランタオリンピック開催

CSデジタル放送開始

1998年

『フラットハイビジョン T<タウ>』
T<タウ>フラットハイビジョン管を使用したフラットテレビ。世界初となる電子番組表を搭載。後期モデルにはHDDやSDメモリ録画機能も搭載。最後のブラウン管テレビとして、2007年まで製造された

2000年には民放各局も独立チャンネルを持つBSデジタル放送がスタート。さらに2003年より地上デジタル放送が始まり、2011年の地上波アナログ放送停波に向けて、デジタル方式の薄型テレビへの買い換えが促進された。

この時期に一般家庭のテレビはブラウン管から薄型テレビに切り替わり、同時に40型を超える大型化モデルが次々と登場する、また、90年代にはまだ小型サイズしかなかった液晶テレビも大型化がすすみ、ブラウン管テレビを置き換えていった。

2000年 シドニーオリンピック開催

女子マラソンで高橋尚子が金メダル。レース後の笑顔がとにかく印象的だった。写真:AP/アフロ

BSデジタル放送開始

2002年 110度CSデジタル放送開始

2003年 地上デジタル放送開始

『VIERA誕生 TH-50PX20』
T<タウ>シリーズの一部だったプラズマ/液晶テレビが新たなブランドとして出発。「なお、VIERA<ビエラ>は、VI(=VISION:映像)+ERA(時代)を合わせた造語。薄型テレビに最適な新開発の高画質システム「PEAKS」を搭載している。

2004年 アテネオリンピック開催

https://www.aflo.com/ja/contents/10740188

 

2006年

『103v型 TH-103PZ600』
VIERA史上、最大サイズとなった103型のプラズマテレビ。質量322kgで搬入も難しかった。市場想定価格は、設置料などは別で600万円前後だった。

 

2008年 北京オリンピック開催

2010年代~はデジタル化で大型・薄型テレビが本格的に普及

2011年、地上波アナログ放送の終了に伴い、テレビはそのほとんどが薄型テレビに切り替わった。また、ブラウン管時代は14〜32型が一般的だったテレビの画面サイズは32〜50型が中心になるなど、大型テレビが一般的となる。その流れは4Kテレビの登場でさらに加速。

2015年には日本初の商用放送として「スカパー!4K」がスタート、さらに2018年にはBS4K放送もスタートするなど、ハイビジョン画質を超えるさらなる高精細映像を家庭で楽しめるようになって来ているのだ。

2010年

『フルHD 3D対応ビエラ TH-P65VT2』
アクティブシャッター方式の3D表示に対応したVIERA。3D映画アバターのヒットなどもあり、3D対応テレビが普及していった。

 

2011年 地上デジタル放送アナログ停波

2012年 ロンドンオリンピック開催

競泳の400mメドレーリレーでは男子が銀メダル、女子が銅メダルを獲得。写真:YUTAKA/アフロスポーツ

2013年

『4Kビエラ TH-L65WT600』
4K放送の開始に先だって生み出された4K表示に対応したVIERA。音声操作のスマート機能も多数搭載していた。

 

2015年 商用4K放送開始

2016年 リオデジャネイロオリンピック開催

そして2020年に東京オリンピックでは多くの競技を4K画質で見ることができそうだ。50インチを超える更なる大画面テレビも低価格化が進んでおり、比較的手軽に購入できるようになってきた。

幸運にもチケットが当たった競技は会場で見ることができるがそれ以外の競技は4K映像に対応した最新のビエラでオリンピックを楽しみたい。

2019年 最新の4K映像対応の有機ELビエラが発売!

パナソニック『4K有機ELテレビ ビエラ TH-65GZ2000』
実勢価格:64万7870円
Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイを採用した有機ELテレビ。スポーツにも対応できる倍速表示に対応し、映像をハイコントラストで表示するHDRにも対応する。
天井の反射を利用して音の高さを再現する、世界初テレビ一体型イネーブルドスピーカーを搭載する。

 

パナソニック『4K液晶テレビ ビエラ TH-49GX500』
実勢価格:11万3270円
BS4K/110度CS4Kチューナーを内蔵したIPS方式の液晶テレビ。視野角が広く、斜めからでも綺麗に見えるのが特徴。ハイコントラストなHDR表示に対応。 スマートスピーカーから操作できるなど、最新の機能も多数搭載している。

2020年 いよいよ東京オリンピック開催!

60年を超えるテレビとテレビ放送の歴史を紹介した。振り返ってみるとテレビは白黒で始まり、カラーテレビが誕生。そしてデジタル化のタイミングでブラウン管から液晶、プラズマなどの薄型テレビへと移り変わった。さらに画質はアナログのSD画質からより緻密なハイビジョンへ、さらに現在はさらに緻密になった4K画質を実現している。また、より明るい色が表示できるHDR(はいダイナミックレンジ)も実現している。画面サイズは40〜50型がスタンダードになり、60型オーバーの超大型テレビを置く家庭も今や珍しくはなくなった。

昭和から、平成、令和へと、ライフスタイルが大きく変化していても、テレビがリビングの中心にあることは変わっていない。なかでも4年に一度のオリンピックは、家族みんなが1つになってテレビに向かえる1番の機会なのだ。