自由な発想のモノがあふれている「Maker Faire Tokyo 2019」に行ってきた!
ものづくり大国・日本。日本生まれのコンシューマー向け商品の存在感が薄れてきたことから、近年はその印象が薄れてきたと思っている方もいるかもしれない。いやいや、とんでもない! 実はアイディアいっぱい夢いっぱいのモノが、次々と生まれているのだから!
もし日本のものづくりの熱気を感じたいのであれば、「Maker Faire Tokyo 2019」に訪れてみよう。想像だにしなかったモノが生まれまくっていることに驚くはずですから。
プロの技術者と草の根エンジニアが集う場所
日本の夏はお祭りの夏。全国各地でさまざまなフェスティバルが開催されますよね。本日8月3日と、明日8月4日に開催される「Maker Faire Tokyo 2019」も、日本における大事なお祭りの1つ。花火は打ち上げないけど、日本中のハードウェア好き、サイエンス好きが集って、自作のアイテムを展示しながら楽しんじゃう2DAYSなのです。
もともとは2005年にアメリカで発刊されたテクノロジー系DIY工作専門雑誌「Make」が発祥です。Makeは21世紀以降のガレージメーカーやアマチュアの自作・カスタム大好き人間があつまるコミュニティとなり、「第三の産業革命」(クリス・アンダーソン)といわれたメイカーズムーブメントが盛り上がっていきます。
日本でも2008年から、Maker Faire Tokyoの前身となったMake: Tokyo Meetingが開催されるようになりました。当時ニコニコ動画のニコニコ技術部がマイブームだったこともあり、ディスプレイの中でしか見られないモノを見たい!という気持ちで行ってみたら自作ロケットエンジンが展示されていたり、ロボットが会場内を動き回っていたり、Perfumeの衣装のようなLEDを駆使したアパレルを着た人とすれ違うなど、まるで映画の中のような近未来感に圧倒され。いやあ、僕にとってのフェス会場はここだ!と思うようになりました。
遊び心が生み出す芸術的なモノの数々
さて「Maker Faire Tokyo 2019」。ざっと駆け足ではありましたが、いろいろ見てきました。その中でも面白そうな展示をご紹介しましょう。
こちらは次世代航空機研究会さんが展示していた空飛ぶスーパーカブ「空カブ」。鳥人間コンテンストなどを通じて次世代の航空機の開発にチャレンジしているチームです。現在開発中の実機のサイズは4.6m×5.4m×1.3mでm重量は40kg。まだ人を乗せて飛ばせる段階まではいってないそうですが、ロングボディのハイエースで運べそうなサイズ感には期待しかありません。
煙の出ない燃焼剤を使うことで、家の中でもリアルな火を扱えるようにする焚き火ポットは+MANIAさんの作品。水蒸気&光で炎のように見せるようなシロモノとは違います。マジファイヤーですからコレ。なのでアタリメとかも炙れちゃうんですって。これは癒やし効果高そうだ。
手前が「おそらく世界一小さい電動モト」で、奥が「30km/hを狙える超小型モト」。そうなんです。これバイクなんです。Hasegawa’s Labさんの作品です。
エンジン搭載型はトルクが急に立ち上がるため「ピーキーすぎてお前にゃ無理だよ!」。そこで電動モトに乗ってみたのですが、難しいのなんの! 走り出した直後、後ろに転がってしまいました。4km/hまでしか出ないモードにしてもらったのに!
ひよっこMakerさんはホバークラフトドローンも面白そうでしたが、個人的にはコッチに興味津々。星の位置に穴をあけたシェードを3Dプリンタで作ったプラネタリウムですって。真っ暗な場所じゃないと星座の形が映し出されない大人しさが可愛くってもう。
いくつものブースで、こだわりの自作キーボードを見ましたよ。こちらはゆかりメモさんの作品。Arduinoベースでケースは3Dプリンタで出力したそうです。
しかし自作キーボードが流行りつつあるって初めて聞いた! パーツが買える専門ショップもあるって初めて知った!
カスタム品にも面白いモノがありました。mono2qryさんの卓上アーケード風ゲーム機がその1つ。最近流行りの遊べるゲーム筐体のスケールサイズ風ではありますが、これ、エミュレータじゃないんです。実機なんです。
背面にプレステ2を背負っちゃってるんです。なんという強引ワザ。大好きです。
きまぐれな赤ちゃんのナイスショットをキメるにはどうしたらいいんでしょうか。気をひくモノがあればいいけど、カメラマンたるパパはカメラを構えていなくてはなりませんし。
ということで、できました。風を送る・光る・音が鳴ることで興味をひきつけ、カメラ目線で笑ってもらうための一眼レフアタッチメント「ニコカシャ」です。はっきんぐパパさんのこの作品、いいアイディアだと思いませんか。
そして今回のイチオシの1つめがこちら。高田徹(鉄塔)さんの3Dプリンタ製カメラレンズ「TETTOR 105mm F4」です。Kenko AC クローズアップレンズ No.5を2枚つかって、105mmという焦点距離になった模様です。
ビビッドなボケを求めるカメラマンの間でカスタムレンズが流行しつつありますが、ガワの部分まで作っちゃうというのは新しい。絞りはありませんがヘリコイドはあるので、もちピント合わせもできます。
写りは淡くとろけるようなボケとにじみといいますか。カメラ・レンズメーカー製の品では絶対にない味わい。カッチカチのピントこそ正義という方には合わないでしょうか、夢の中のような世界を撮ってみたいというファンシーOKな方は注目です。現在のところはEマウントだけみたい。
LED螺旋丸ことmicRokuro。これは癒しの光です…花火モード?がキレイ! #MFTokyo2019 pic.twitter.com/te8x6FwzdH
— 武者良太 (@mmmryo) August 3, 2019
もう一つのイチオシは、Yoshimasa KatoさんのmicRokuro。光ファイバーの束が回転して、手先指先でその形状が無限に変わっていくデスクトップインスタレーション。パチパチと軽く叩かれるような感触も気持ちいいし、手の中で生き物のように変化する光の拡散もまた和みます。仕事疲れしたとき、集中力が切れたときのホビーアイテムとして最高ではなかろうか!
いくつかのアイテムはイベント会場で買えますよ
ここに紹介した他にも、さまざまな展示で賑わっていた「Maker Faire Tokyo 2019」。なかには販売されているモノもあり、見ているうちに財布の紐がゆるんじゃいそう。だって、ここでしか買えないかもしれないじゃないですか!
もし販売用の品がなかったとしても、気軽に尋ねてみましょう。出店者とのコミュニケーションもまた楽しいのが「Maker Faire Tokyo 2019」ですから。ほら、みんなモノ好きなんだし!