時計を手にするきっかけなんて、いろいろあっていいじゃない! カルチャーな腕時計たち Vol.6 G-SHOCKカルチャー

1983年に誕生して以来、タフネスウォッチの代名詞として世界にその名を轟かせているG-SHOCKは、今なお、柱となる耐衝撃構造を進化させ続け、プロダクトの信頼性を高めている。その一方で、G-SHOCKはさまざまなカルチャーとも融合し、多彩なバリエーションを展開してきたことで多くのファンを獲得してきた。数々のヒット作を生み、多彩なコラボレートを展開し、日本のみならず世界各地でブームを巻き起こす──G-SHOCKはそれ自体がカルチャーと呼べる存在になっている。

実用性が評価されアメリカで火がついたG-SHOCK

伊部菊雄氏をはじめとするメンバーが中心となって開発が進められ、1983年に誕生したG-SHOCK。そのファーストモデルは「DW-5000C」。モジュールを点で支えてケース内で浮かせる中空構造によって実現した「約10mの高さから落としても壊れない」耐衝撃性能は画期的なものだったが、発売当初は大きな話題にはならなかったという。

それが一変したのは、当時、アメリカで放送されたG-SHOCKのテレビCMだ。G-SHOCKをアイスホッケーのパックに見立てスティックで激しく打ちつける内容は、プロダクトの耐衝撃性能を十分にアピールし、まずアメリカで支持を獲得。軍の特殊部隊をはじめ、過酷な状況で活躍する人々の腕にも巻かれるようになった。

しかし、日本で人気に火がついたのは、意外にも誕生から10年も後のことだ。きっかけは、1994年公開の大ヒット映画『スピード』で、キアヌ・リーブス演じるロサンゼルス市警のSWAT隊員ジャック・トラヴェンが「DW-5600C-1V」を着けていたこと。これにより、日本でもG-SHOCKの存在が広く認知されるようになったのだ。

G-SHOCK
DW-5600E-1
1万1880円

ファーストモデル「DW-5000C」を継承するスクエアモデルで、1996年に発売され、今なお高い支持を得るロングセラー。G-SHOCKの35年の歴史のなかでも2番目の売り上げを誇る定番中の定番モデルだ。ELバックライト搭載。

G-SHOCK
GMW-B5000D-1JF
6万4800円

“ORIGIN”の意匠を継承しながらも、ケースとバンドにステンレススチールを採用し、これに伴い耐衝撃構造も一新。機能面もアップデートされ、世界6局の標準電波を受信して時刻を自動修正する「マルチバンド6」をはじめ、Bluetoothの搭載によってスマートフォンとのリンクも可能にした。

しかも、この1994年には日本でのG-SHOCKブームを決定づける限定モデル「イルカ・クジラモデル」がリリースされ、その2年後には「ラバーズコレクション」も登場。発売日には店頭に行列ができるまでになり、この時期に同じく社会現象となったナイキのスニーカーとともに、G-SHOCKはファッションアイコンのひとつになった。こうした現象をきっかけに、以後、G-SHOCKはさまざまなファッションブランドとのコラボレートを積極的に展開していくようになる。

認知拡大のためにスタートしたカルチャーイベント

現在、G-SHOCKは音楽、スポーツ、ファッション、アートといったカルチャーと融合していることでも知られている。それを示すのがファンを交えた数々のイベントだ。2019年は「G-SHOCK FAN FESTA 2019 -CHALLENGE SPORTS-」と題し、去る5月に東京・品川で、サーフィンやストリートダンス、バスケットボールなどのスポーツを軸とした内容で開催され、デビュー35周年の節目だった2018年は東京・六本木で音楽ライブも盛り込んだ大規模イベントが催された。今や、ファンにとってはおなじみとなったお祭りだが、こうしたイベントが行われるようになったのは、G-SHOCKが25周年を迎えた2008年のことだ。

「当時は海外、特にアジア圏におけるG-SHOCKの認知度が低かったんです。もっとも、アメリカでも実用性では評価されていたのですが、ファッション的にはまだまだという状況。そこで、G-SHOCKのファンであり、ファッションとの結びつきも強いカニエ・ウェストやエミネムといったミュージシャンを起用して、G-SHOCKの認知度を上げていくイベント『SHOCK THE WORLD』を開催したのです」

2018年当時、本誌の取材においてこのように説明してくれたのは、カシオ計算機 プロモーション部 第一プロモーション室の上間卓氏。この「SHOCK THE WORLD」は、複数回開催された場所を含めてのべ約80都市で行われ、その結果、G-SHOCKは世界各国で話題になっていった。

誕生25周年の年である2008年にスタートした「SHOCK THE WORLD」。のべ世界約80都市で開催され、内容は、製品の魅力を伝える“カンファレンス”と、音楽やスポーツなどを軸とした“パーティ”の2部構成。写真は2017年のSHOCK THE WORLDで、左がニューヨーク、右が上海での様子。

4つの主要カルチャーと連携を取り続けるG-SHOCK

2018年より開催されている「G-SHOCK FAN FESTA」は、このSHOCK THE WORLDを進化させた形である。G-SHOCKが’90年代より培ってきた4つのカルチャーとのつながりを、デジタル全盛の時代にあえてリアルな空間で提示し、既存のファンに楽しんでもらうことはもちろん、新しいファンを獲得しようという試みだ。そして、このイベントにはG-SHOCKの魅力や性能を、プロフェッショナルたちのパフォーマンスを通じて伝えていく目的があるという。

「だから契約している選手たちは、アンバサダーではなく“TEAM G-SHOCK”。G-SHOCKが好きなアスリートと私たちがお互いにサポートしているという関係なんです。やはり、実際に使ってもらえると『G-SHOCKっていいよね』という評価をいただけますからね。その世界のトップに使ってもらいながら、G-SHOCKの魅力や性能を伝えていくようにしているのです」

さらに、上間氏は続ける。

「プロダクトは確かに軸ではありますが、音楽、スポーツ、ファッション、アートという4つのカルチャーと常に連携を取っているところがG-SHOCKの強みです。ファッションウォッチであればファッションと、スポーツウォッチであればスポーツとだけ連携していればいいわけですが、G-SHOCKの場合はプロダクトを中心に据えながらも4つのカルチャーすべてとリンクすることでファンを作ってきました。だからプロダクトがヒットを飛ばしても、カルチャーとの連携は崩さない。このスタイルはこれからもずっと続けていきますよ」

タフさを追求し、その性能を進化させ続けながらも、一方では音楽やスポーツ、ファッション、アートと連携し、その中核に位置し続ける。G-SHOCKは、まさにカルチャーのアイコンと呼べるオンリーワンの存在である。

G-SHOCK
GRAVITYMASTER GWR-B1000-1A1JF
9万7200円

性能の進化を止めないG-SHOCKのスタンスを象徴する2019年の新モデルが「GRAVITYMASTER GWR-B1000」。カーボンファイバー強化樹脂製のケースでモジュールを保護する「カーボンコアガード構造」をはじめ、ベゼルやバンドにもカーボンを採用することで、タフ性能を向上させつつも、軽く快適な装着感を実現した。

①G-SHOCK DW-6900BMC-1JF/1万1880円
②G-SHOCK GA-140BMC-1AJF/1万4580円
③G-SHOCK GA-700BMC-1AJF/1万6200円
④G-SHOCK GAW-100BMC-1AJF/2万7000円


ラスタカラーやマルチカラー、ゼブラ迷彩など、ユニークなカラー展開も魅力のG-SHOCKが、2019年に展開するのが「Black×Neon」。“近未来の東京”にインスパイアされたカラーで、漆黒の夜とネオンライトを想起させる独創のカラーコンビネーションは、ファッションのいいアクセントに。

左 G-SHOCK GA-2000-1A2JF
右 G-SHOCK GA-2000-1A9JF
各1万7280円

2019年のキーマテリアルであるカーボンを採用するのみならず、ツートーン・カラーを取り入れることで実現したアーバンアウトドア・スタイルが新鮮。またG-SHOCKでは初めて、インターチェンジャブル・システムを採用したバンドを用意し、自由なカスタマイズが可能になった。

問カシオ計算機●03-5334-4869
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