#陸の孤島  成田空港から最強LCCで広島へ大脱出
編集長約50時間の全移動記録を疑似体験してみる?

編集長の滝田勝紀です。ドイツはベルリンで毎年開催される家電見本市IFA取材のため、9/4~9/9まで海外出張でした。ホームアプライアンス(生活家電)が主戦場なため、3日間に渡り洗濯機や掃除機、冷蔵庫などをたくさん見て、今年はより家電がインテリア化してきたなーとか、流行りの家電のIoT化に関しては、昨年から順調に進化をしているものの、大きなトピックスはないなーと展示会を振り返りつつ、現地時間9/8(日)7:00くらいに、ベルリンで宿泊したホテルを後にします。その後のまさかのサバイバルな展開など一切想像することなく。※なお、ここから細かな描写などはやや記憶が定かでなかったり、細かなところが間違っていたりするかもしれないし、写真はボケていたり、文章はかなり乱雑かもしれませんが、状況が状況だけにご勘弁を!

ベルリンから成田空港へ帰国

1時間目/9/8(日)7:00(ドイツ時間)
ホテルを出発→テーゲル(ベルリン)空港へ電車とバスで向かう。日本到着時が台風15号上陸時という情報は知っているも、正直大丈夫でしょうと思っている。

3時間目/9/8(日)9:35(ドイツ時間)
ヘルシンキ空港へ離陸。

5時間目/9/8(日)12:00(ヘルシンキ時間)
ヘルシンキに着陸。トランジットが5時間以上あるためラーメンを食べたり、ムーミングッズをお土産に買い漁る。


11時間目/9/8(日)17:45(ヘルシンキ時間)
成田空港へ約9時間程度のフライト。インターネットで台風情報などをチェックしながら、無事着陸してほしいと思っている程度。



21時間目/9/9(月)9:45(日本時間)
予定より40分程度の遅れで成田空港に着陸。台風の風が弱まるまで上空で旋回。着陸できて良かった。午後からミーティングの予定が2本入っているので、第2ターミナルからすぐに都内に戻ろうと思っている。同じようにフランクフルト経由で羽田空港に着陸しようとした友人Aは名古屋のセントレア空港に回された模様。

陸の孤島でのサバイバル開始

22時間目/9/9(月)10:45(日本時間)
預けていたスーツケースを受け取り、電車で帰ろうとすると電車が不通。とりあえず午後一のミーティングは難しいとスケジュールをキャンセル。でもこの時はまだ夕方くらいのミーティングには間に合う、それまでには電車も復旧し、都内には行けるでしょうと、ひとまず成田空港内にあるカプセルホテルでコインシャワーを浴びる。スッキリ。一方、友人Aは名古屋のセントレア空港から羽田空港に到着した模様。

23時間目/9/9(月)11:30(日本時間)
第1ターミナルに知り合いYさんが同じように移動できないでいるとメッセージ。でも、ターミナル違うし、まだそこまで深刻な感じではないので、ひとまずメッセージを送り合い、お互い頑張りましょうと励まし合う程度。

24時間目/9/9(月)12:00(日本時間)
京成もJRもまだ動かない。この辺りからだんだんと不安に。リムジンバスも動いてないと知る。とはいえ、まだ夕方のミーティングには間に合うと思いつつも、喉が渇いたのでカード会社ラウンジに向かう。出発ターミナルの4Fに向かうと、レストランなどが半分くらいスタッフがいないなどの関係で閉店状態なのが気になった。とはいえ、夕方ミーティングまで時間があったので、ついついハイボールを一杯。まだ呑気でごめんなさい。にしても、ラウンジが混んでいるので居心地が悪く、しかもモバイルwi-fiを返してなかったことに気づき、ラウンジを出て、モバイルwi-fiを返却。空いてるベンチへ。そこで第1ターミナルのYさんに連絡を取ってみる。状況は変わらないという返答。さらに友人Aがモノレールで浜松町にいると聞いて、俺も羽田空港に降りられていたらと自分の運の悪さを呪う。

仲間3名のパーティーを結成!

25時間目/9/9(月)13:00(日本時間)
第1ターミナルのYさんにターミナル間を走り続ける無料循環バスで会いに行く。正直、この辺りからだんだん一人が心細くなり始める。無料循環バスに外国人が入ってきて、このバスは東京まで行きませんか? と運転手さんに質問。当然行かないけど、気持ちはわかる。電車も動かずリムジンバスも変わらず、第2ターミナルのタクシー待ちの列も少し長くなっていた。夕方のミーティングもちょっと難しいと予定をキャンセル。

26時間目/9/9(月)14:30(日本時間)
第1ターミナルのYさんと会う。Yさんともう一人の元同僚Nさんもいて、ここで3名のチームに。この辺りで、もしかしてこのままだと本当に成田空港へ一泊することもあるかもと頭をよぎり出す。とりあえず情報収集が大事であると、移動に邪魔なスーツケースやお土産を宅配便に託す。宅配便の方は家が近隣だったのでクルマで来たけど、来れた人があまりいないと忙しそう。都内に送るのに、おそらくこの感じだと明後日でも着かない可能性がありますと言われる。Uberを呼ぼうとすると価格2倍で東京へ(ちなみに50000円超えの料金)。それでも3名ならOKだと来てくれとクリックするももちろん車両が見つからないとつれない返事。

27時間目/9/9(月)15:00(日本時間)
第1ターミナルのタクシー列に並び始めるも100m以上、人数にして200人くらい並んでいるのと、タクシーの最前列の方にいた誘導スタッフのおじさんたちもお手上げ状態で、タクシーがいつ来るかはわからないと嘆いているのを小耳にはさむ。屋外の暑さも体力を消耗するだけと、ここに活路はないと決断。近隣に向かうホテル行きのバスだけは頻繁に来るも、一瞬それに乗って近隣ホテルでタクシーを呼ぶ裏技を思いつくも、高速は通行止めだし、この状態だとタクシーはやっぱり無理だと改めて確信する。

絶望的な気持ちで空港1泊を覚悟

27時間目/9/9(月)15:00(日本時間)の続き

無料循環バスで3名で第2ターミナルへ移動。ここで第2ターミナルは人がより多く詰めかけていることに気づく。ここで成田空港に到着する人が増えれば増えるほど状況が悪くなるという恐ろしさに改めて気づく。一応、京成もJRが動きそうにないかダメ元で覗くも、そこでJRは本日の復旧は難しいと駅員さんが拡声器で伝えているのを耳にする。多くの人が壁などに寄りかかって座ったり、呆然とホワイトボードを眺めている。一方、京成もほぼ同じ状況で、京成はなぜ復旧ができていないかを台風の被害の現場写真までプリントしてホワイトボードなどに貼っている。これは絶望的だと直感的に思う。ひとまずコンビニエンスストアへ飲み物を調達に行く。地震ではないし、空港自体エアコンも電気も水も正常でトイレも使えるので、食べ物はそこまで確保する必要ないと思いつつも、水や飲み物を少し多めに買う。食料よりスイーツとかスナック菓子を買う。

ひとまず第2ターミナル端っこの方にあり、遠くからは存在が見えないベンチ群があるので、そこに行くと、かろうじて空いているので、そこで小休止とともに状況を整理。

【タクシーと電車、リムジンバスが完全に止まっていることは確定した】
【Twitterなどで情報収集。成田駅へ歩いてもそこも結局電車が動いてないと知る】
【東成田駅、芝山千代田駅も同様、突破口はない】
【友人に冗談で迎えに来てと言ってみるも当然忙しいので無理と言われる。そりゃそうだ】
【Booking.comで近隣のホテルを探してみるも、最短で26km先のホテルが示され、当然行く手段なし】
【ダメ元でタクシーアプリを起動し、呼んでみるも何回やってもタクシーは配車できませんという返事】

陸路がダメなら空路、第3ターミナルへ

28時間目/9/9(月)16:00(日本時間)
陸路がダメならLCCで空路で脱出ってどう? と考える一行。でもそんな方法現実的じゃないよねーと思いつつも、すでに八方塞がりで、解決策はこれ以上見出せそうにないので、ダメ元で第3ターミナルへ移動してみる。無料循環バスに飛び乗り、これまで一度も踏み入れたことない第3ターミナルへ行くと、第1ターミナル、第2ターミナルと比較して、人が少ない。あと、お店などもほぼ開いていて、思ったよりゆったりとしている雰囲気。そこでジェットスターの発見カウンターへ。

どこでもいいから飛べるチケットってあります?

カウンターの職員の女性に笑われるも調べてもらうと、国内だと松山行きと福岡行きがありますと言われるも、言っている側から、あ、松山便が1枚、福岡便は2枚あります、、、あ、松山便はないですねと。NさんとYさんだけでも福岡に飛ぶ? と相談していると、海外だとマニラ(フィリピン)とシドニー(オーストラリア)もありますと。幸い海外から帰ってきた3人なのでパスポートは持っているも、ジェットスター以外のカウンターもあるので調べてみますと、カウンターを後にする。


広島行きというSPRING航空というカウンターがあった。聞いたことないけど、ひとまずカウンターへと行ってみる。するとカウンターの女性から3名のチケットありますよと。マジか? 3名でほぼ話し合うことなく、チケット買いますと即断即決。1枚25000円。この成田空港という陸の孤島から脱出できるならと、藁にもすがる思いでチケット購入。17:00に出発する便なのでこれで脱出確定!? ではなかった、、、。時間が変更され18:05ボーディングタイムになりますと言われる。不安がよぎる。

広島行きが確定? いや欠航の可能性も

29時間目/9/9(月)17:00(日本時間)
ジェットスターで購入しようとした松山行きと福岡行きが機材が用意できないため欠航しますという放送が入る。マジか? もしかしてSPRING航空なんて聞いたこともないし、時間がすでに遅延されているし、こっちも結局飛ばないなんてことはないよね? と不安がかなり大きくなる。初めてのLCCなので、実は乗り方がわからないからと、17:30くらいに搭乗口に行ってみると、18:05のボーディングは登場締め切りという意味なので、ここから搭乗口まで少し距離があるから行ったほうがいいですと言われる。急遽、チケットを握りしめ、荷物検査を超えて、搭乗口163番ゲートへ。途中、飛行機が駐まっていることは確認する。

いよいよ離陸! 気力も体力も限界

30時間目/9/9(月)18:00(日本時間)
いよいよ搭乗機内へ。ここで初めてSPRING航空が中国春秋航空だということを知る。乗ってみると、座席数に対して、人があんまり乗ってない。おそらく1/3も座席は埋まってない感じ。ここで本当に飛んで、陸の孤島から脱出できることがわかる。ただ、この時に京成が京成高砂まで復旧したというニュースを知る。果たしてこの空路の脱出は良い決断だったのだろうか?と少し思うも、とりあえず、朝から成田空港に閉じ込められていて、ベルリンから30時間経っても家に帰れてない現実を受け入れがたく、気力体力ともに限界。とにかくこの場から離れることで何か解放されるという気持ちが勝っていた。

正直、飛ぶまでにこんなに滑走路までタイヤで走るのかと思うほどの距離を走る。すでに18:45になってもまだ走っていることに、本当に飛ぶのだろうか? 乗り込んだ時はまだ明るかったのに、もうすっかり夜になったとここでも一瞬不安になる。だが、いよいよ18:51に離陸! ここでようやく気持ちが切れる。夢見心地。外の景色をみるとおそらく真っ暗な中に渋滞の車列が永遠に続いているのではというぐらい続いている。真っ暗な陸地部分がある。これは今から考えると停電した地域だろうけど、その時は光にばかり目が行き、何も思わなかった。

夜の広島へ到着! お好み焼き美味い!

32時間目/9/9(月)20:00(日本時間)
広島空港に着陸 。ごく普通の地方空港。あの陸の孤島だった成田空港とは比べものにならないほど小さく、そこには普通の旅行者たちがいるだけ。成田空港から飛んできた我々を別に特別視することもなく。本当に日常の風景。ここで宿泊するホテルをBooking.comで余裕で確保。素泊まりで5000円程度のよくあるビジネスホテル。広島駅までのバスに乗る。1名1340円。すぐに発車。


33時間目/9/9(月)21:00(日本時間)
広島駅に到着。当然日常の風景。実は翌日新潟・燕三条に取材するという予定が入っていたが、他のスタッフに任せて諦める。ひとまず乗り換えナビタイムで東京や新潟・燕三条に行けるのか確かめるも、東京へは名古屋まで新幹線で深夜快速的な電車で朝6:30くらい、新潟に行こうとすると京都まで新幹線で朝6:30過ぎに行くルートがあるが、もう気力も体力も尽きていたので無理だと思う。そのまま広島のソウルフードであるお好み焼きを食べに行く。お好み焼きやおでん、牡蠣をハイボールのあてに3人で堪能しまくる。その後ホテルで倒れるように寝る。ちなみにこの頃、空港はこんな感じだと、さらに到着した友人Mからタレコミ。


43時間目/9/10(火)10:00(日本時間)
チェックアウト後、広島といえば原爆ドームと原爆資料館へ。ここで改めて平和な日常がいかに貴重かということを感じる。それにしても暑い。気温は確実に35度近い。


46時間目/9/10(火)12:50(日本時間)
新幹線のぞみに乗っていよいよ帰京。広島といえばむさしという弁当を買って、仕事しながら新幹線に揺られること4時間くらい。ただ、この時にまだ本当に帰れるのだろうか? また、何か起きたりして、、、とどこか疑心暗鬼。大阪、京都、名古屋とどんどんと新幹線は進む。富士山が見えた。だんだんと本当に帰れるかもと思い出す。溜めていた原稿もほぼ書き終わると同時に東京駅へ。


52時間目9/10(火)17:54(日本時間)
自宅最寄駅に到着すると妻から迎えに行こうかと連絡が入る。でも、なぜか最後まで自分の力で帰ると断る。ローカルのバスに乗って、そのまま日常の地元の景色を見ながら帰宅。

以上が編集長が経験した #陸の孤島  成田空港からの大脱出でした。今、9月11日の深夜3:00過ぎに、この経験をひとまず忘れないようにとこの原稿を書いているも、まだ千葉、茨城、埼玉などでは停電している地域もあるとか。早くすべての地域が日常に戻ることを祈るのみ。あと、何より思ったことが、ごく普通の日常が実はとても貴重なんだということ。当たり前に電車が走る、当たり前にバスが来る、当たり前に飛行機が飛ぶ。これがいかに素晴らしいことかと、声を大にして言いたい。

あと、最後にひとつ。絶対にどんな八方塞がりな状況になっても決して諦めないこと。仲間とともに知恵を絞って前へ進むこと。万が一成田空港に閉じ込められたら、第3ターミナルへ行って、LCCのチケットカウンター前でこう叫ぼう。【どこでもいいから飛べるチケットってあります?】。LCCがきっとあなたを光の差す場所へ導いてくれるはずだ!
(LCCの航空会社様、実はこれまで一度も利用したことがなく、正直ちょっとだけ航空会社として舐めていたので、ここで謹んでお詫び申し上げます。思ったより座席も広いですし、何よりいろいろなニッチなところに飛んでいて心強いです。本当にこの度はありがとうございました。)