アウトドア×直火焙煎で淹れる最高の一杯 極上カフェライド
巷のおしゃれサイクリストたちは、小洒落たカフェを目的地にゆったりとしたライドを楽しむ。それがカフェライドだ。ただ、dsとしては自転車もコーヒーも、もっと深くまで味わい尽くしたい。そこで今回、極上カフェライドとして、長距離走って、生豆をローストして、挽きたての一杯を堪能してきた!
- ライター/サイクリスト 頓所直人
シャレたライドとは程遠い、汗にまみれ、痛みと戦いながら数百キロを走るロングライドが好み。先日、土日で600㎞のライドを計画するも560㎞付近でリタイヤ。以来、「約600㎞の人」という不名誉なあだ名を付けられる。
ワイルドスタイルなカフェライドへGO!
自転車に乗って、美味しいコーヒーを飲ませるカフェに立ち寄り、数時間のライドを楽しむ。これが今おしゃれサイクリストの間で日常的に行われているカフェライド。もしくは、カフェ巡りはせずにポットに注いだこだわりコーヒーをバッグに忍ばせ、公園などで一休みするカフェライドも、「楽しそう~」と、女子ウケもして人気が高い。
だが、我らがdsとしてはもっと違った、まるでコーヒーのような深みのあるカフェライドを提案したい。それが、“ワイルドスタイルの極上カフェライド”である。用意されたコーヒーは拒否、自宅でコーヒーも淹れていかない。美味なる1杯を生み出す道具を全てバッグに詰め込み、焙煎から豆を挽いて、抽出するまで全ての工程をアウトドアで行う。さらに、目的地は決めずに、直感を頼りに「ここだ!」というポイントを野営地として、その場をマイ・カフェとする。
そんなこんなで焙煎機、豆を挽くグラインダー、ケトル、コンロ、さらにキャンプチェア、テーブルなど、極上の時間のために色々と自転車のフロントバッグに詰め込んだら、重量は約7kgになってしまった。
しかも、良い場所を探して都内をスタートして走ったところ、カメラマン・シモジョーのたっての希望もあり、目的地は遥かなる埼玉県の長瀞となり、結局は100㎞走となった。まさにワイルド。コーヒーではなく、ビールが飲みたくなったほどだ。
加えて、今回のライドにはもう1つのチャレンジもある。それが、「J-COFFEE」だ。初耳の方もいるだろう。それも当たり前。我々が勝手に考えたのだから。行った先で調達した豆(あずきやら黒豆などの国産豆)をコーヒーの作法に則り味わうという、完全なるチャレンジ企画だ。
さて、今回のワイルド極まるカフェライド。果たして、極上の一杯で至福のときを迎えることはできたのであろうか?

ライドのお供はこの2台
カフェライドでは、美味なる一杯を淹れるための道具を詰め込んで楽に走ることのできるバイクが必要だ。加えて、土や砂利がむき出しのグラベルロードを突き進む走破性も欲しい。今回、相棒として選んだのはアメリカンブランドのこの2台!
J-COFFEEにも挑戦!
今回、勝手に命名したのだが、要するにあずきや黒大豆といった乾物屋や道の駅に売っている和の食材としての豆をコーヒー的に飲んだらどうなるかという試み。今回は秩父鉄道の長瀞駅近くの「豆の大沢屋」で厳選の“国産豆”を購入!

手間をかけると美味しくなる?
国産の豆は生まれ変わるのか!?
100㎞超のロングライドの甲斐あって、埼玉の長瀞にいい場所を見つけた。そばを流れる荒川では、時折ラフティングのボートが下って行く。さっそく東京で仕入れてきたコーヒーの生豆と長瀞で仕入れた和の豆を取り出し、焙煎に取り掛かる。
普段、コーヒーに凝ってはいても焙煎まではなかなかしない。豆が爆ぜる音や、香ばしい匂い、あえて時間をかけて淹れるからこそ美味しさも増す。さてさて、J-COFFEEはというと、手間ひまかけて抽出したものの、あずきは「甘味が出るかも?」という期待もむなしく、味は薄く、残念な結果となった。ところが、黒大豆が意外にも良い仕事をしたのである。そのお味は?
Beans 今回のお豆だぞ
厳選生豆
J-COFFEE
ハゼ…焙煎によりコーヒー豆から炭酸ガスが発生し、化学反応により豆が耐えられなくなり裂ける現象
Roast 焙煎するぞ
焙煎は意外に時間と手間がかかる。火に近づけ過ぎると焦げてしまうし、遠火では焙煎は進まない。常にスナップを使って焙煎機を振り続けることで思い通りの焙煎となる。ここでは、今回使用した焙煎の道具を紹介する。

snow peak
HOME&CAMP バーナー シルバー
実勢価格:8202円
Grind 豆挽くぞ


Brew 抽出するぞ



Taste 味わうぞ

肝心の味だが、コーヒーは手間の分だけ、コクや豊かな香りも濃密で満足度の高い仕上がりに。一方、J-COFFEEはあずきは残念だったが、黒大豆にはほんのりとした甘味と香ばしさがある…って、これ黒豆茶じゃん! しかも黒豆茶ほど美味しくない。100㎞走って手間暇かけたのに、そりゃないっしょ!