物欲をとことん刺激された!
IFAでソニーが発表した新製品に期待

40年ぶりにカセットテープのウォークマンが復活!?最強ノイズキャンセリングイヤホンにネックバンドタイプの新製品が発表されたりと熱い話題が盛りだくさんだった、世界のエレクトロニクスショー「IFA」に出展したソニーのブースをレポートしよう。この秋に日本にも上陸するかもしれない新製品情報をいち早くお届けする。

筆者は毎年、ドイツの首都ベルリンで開催されるコンシューマー・エレクトロニクスとホームアプライアンスの展示会・見本市「IFA」に取材のため足を運んでいる。エレクトロニクス業界の最新動向や、日本にいるだけではつかめない欧州のトレンドを目で見て、空気感も含めて体験するためでもあるが、目的はそれだけではない。

IFA2019に出展したソニーのブースで見つけた、今年発売予定の大いに期待できる製品や新サービスを紹介しよう。

IFAにはエレクトロニクスの最先端をリードする数多くのブランドがブースを設けて、各社がその年の年末商戦に発売を予定する最新の製品を展示する。それらにいち早く触れてみたいという欲求が、筆者をベルリンに向かわせる。

毎年9月にドイツ・ベルリンで開催される「IFA」はエレクトロニクスの最先端に触れられる世界最大規模のショーだ。

IFAの出展社の中で、最も“オトコゴコロ”をくすぐる展示を見せてくれるブランドはソニーだ。ソニーは毎年IFAでオーディオ・ビジュアルとスマートフォンの最新商品を両手の指だけで数え切れないほど数多く発表する。今年もガジェット愛好家をわくわくとさせてくれる新しい製品と技術がベールを脱いだ。筆者が特に注目した「ソニー@IFA2019」のトピックスを振り返ってみたいと思う。

カセットテープのウォークマンが復活!?

ソニーのポータブルオーディオプレーヤー“ウォークマン”はIFAの開催地であるドイツでも、若い音楽ファンの間で人気の高いアイテムだ。今年の秋には入門機に位置付けられる「Aシリーズ」が一新される。

日本での発売も楽しみなハイレゾ対応ウォークマンの新しいスタンダードモデル「NW-A100」シリーズ。
こちらもハイレゾ再生の機能を強化した新しいウォークマン「NW-ZX500」シリーズ。ともにAndroid OSを搭載した点に注目だ。

本機について特に注目したい大事なポイントが2つある。ひとつはOSにスマホのXperiaと同じAndroidが採用され、Wi-Fiでインターネットにつなげられるウォークマンになることだ。アプリもGoogle Playストアから自由にダウンロードして追加できる。つまり、CDからPCに取り込んだり、音楽配信ストアで購入したデジタル音源だけでなく、SpotifyやAmazon Music、YouTubeなどオンラインストリーミング型の音楽コンテンツも“いい音”で楽しめるのだ。

もうひとつはウォークマンの純正音楽プレーヤーアプリであるW.Musicに「カセットテープスクリーンセーバー」という機能が搭載されることだ。アプリで音楽再生を始めてから機能をオンにすると、画面にカセットテープが回るビジュアルが再現され、インデックスには曲とアーティストの名前も表示される。レトロな雰囲気が漂ってきて、とてもいい感じだ。

限定販売を予定するウォークマンNW-A100シリーズをベースにした40周年アニバーサリーモデル。
初代ウォークマンのビジュアルを再現したパッケージで登場。

実は今年2019年7月はウォークマンの初代機「TPS-L2」の発売から40周年のアニバーサリーである。これを記念して、最新のウォークマンAシリーズにも40周年ロゴをプリントして、専用ソフトケースが付属する限定モデルが発売されるのだ。

40年前に発売された初代ウォークマン「TPS-L2」の外観にそっくりなソフトケース。
カセットテープスクリーンセーバーを表示しながら音楽を再生すると、まるでカセットテープウォークマンのようなレトロなビジュアルが楽しめる。

この専用ソフトケースのデザインがとても良くできている。先ほどのカセットテープスクリーンセーバーを起動してからカバーのフタを閉じると、なんとあの名機「TPS-L2」に早変わりするのだ!小窓からカセットテープが回る様子も顔をのぞかせる。学生時代に好きな音楽をカセットテープに詰め込んで、ウォークマンで聴きまくっていた筆者と同年代の男子にはたまらないギミックだ。

新しいウォークマンAシリーズは日本でも発売を予定しているので、ウォークマンのファンならぜひとも手に入れたい。

ウォークマンNW-A100シリーズとカラバリ展開を合わせたh.earシリーズのヘッドホン、イヤホンも秋に登場を控える。こちらも見逃せない

ワールドトラベラー必携!
高性能な首かけノイズキャンセリングイヤホン

最近、ソニーのヘッドホン・イヤホンといえば音楽リスニング中に周囲の雑音をきれいに消してくれる「ノイズキャンセリング機能」を搭載していることでも話題を呼んでいる。中でも上位モデルの「1000X」シリーズは2016年に誕生後、毎年着実な進化を遂げてきた今のソニーの代名詞的な人気モデルだ。

その1000Xシリーズに昨年の秋に発売されたヘッドホン「WH-1000XM3」、今夏に追加された「WF-1000XM3」に続くネックバンドスタイルのワイヤレスイヤホンとして「WI-1000XM2」がIFAで発表された。筆者はこのソニーの高性能なノイズキャンセリング機能を搭載したニューフェイスに注目したいと思う。

ソニーの最先端のアクティブ・ノイズキャンセリング技術を採用したネックバンドタイプのワイヤレスイヤホン「WI-1000XM2」。

最近はアップルの「AirPods」に代表される、左右の本体がケーブルレスで独立したデザインの完全ワイヤレスイヤホンがとても注目されている。でも完全ワイヤレスイヤホンを使ったことがある方なら一度は経験していると思うが、音楽再生を中断するたびにイヤホンを手に持ったり、専用ケースに収納しなければならない煩わしさがこのスタイルにはつきまとう。満員電車の中で人にぶつかると、耳からイヤホンが落ちていないかハラハラとさせられる。

ネックバンドスタイルのイヤホンなら、音楽を聴いていない時も肩にかけたままでいられる。まさしく「究極のハンズフリー」を実現したイヤホンによるリスニングスタイルなのだ。そして満員電車の中でイヤホンが耳から外れても、床や地面に落下して見失ったり、故障する不安からも解放される。

カラーバリエーションはヘッドホンのWH-1000XM3と同じプラチナシルバー系とブラックの2色が揃う。
こちらはWI-1000XM2のブラック。

筆者は以前に、1000Xシリーズのネックバンドタイプの現行モデルである「WI-1000X」を身に着けて飛行機で旅をしたことがある。ネックバンドタイプなので移動中はずっと肩にかけておけるし、機内が消灯した後でひと眠りしたい時にも「目覚めたらイヤホンが耳から取れて見当たらなくなっていた」という不安に苛まれることなく、気持ちよく熟睡できた。

新製品「WI-1000XM2」はさらに強力なノイズキャンセリング機能を搭載し、イヤホンの装着感も一段と改善された。付属のケーブルをつなぐと機内エンターテインメントにも接続して、航空ノイズが遮断されたとても静かな環境で映画の世界に没入できる。本体のケーブルがとても柔らかいので、付属するポーチにコンパクトに収納できる。世界を旅するビジネスマンには必携のアイテムだと思う。

イヤホン部分にマグネットが内蔵されている。重ねるとペンダントのように吸着して、安定した状態で肩にかけておける。
専用ケースの中に有線接続用のケーブルや交換イヤーピースと一緒にコンパクトにまとめて携帯できる。

ふつうのスマホとヘッドホンで楽しめる
「リアルな立体サラウンド」

「360 Reality Audio」は、いまソニーが開発を進めている新感覚の音楽エンターテインメントだ。音楽ライブや映画に収録されている楽器の音、効果音が上下左右に移動したり、動きに伴う音量の変化も合わせてデータに記録した「オブジェクトオーディオ」を、360度周囲に広がる音響空間内に再現することにより、一段とリアルな音楽体験を得ることを目的とした技術である。

360度の臨場感あふれるサウンドを普通のスマホとヘッドホン・イヤホンの組み合わせで気軽に楽しめる「360 Reality Audio」もソニーの新しい音楽サービスとして開発が進められている。

ソニーは360 Reality Audioに対応する音源を製作するためのプロフェッショナル向けのツールを開発して、現在音楽レーベルやコンテンツの配信事業者とともにサービスインに向けた整備を進めている。

360 Reality Audioは特別なオーディオ機器を必要とせずに楽しめる。音源だけは専用のものが必要で、当初はパッケージソフトではなく音楽ストリーミングサービスに組み込まれる予定だ。あとはふつうのスマホとヘッドホン・イヤホンが手元にあれば、迫力あふれるサラウンド体験が味わえる。サービスの本格導入時期についてはIFAの時点でまだ明らかにされなかったが、既に完成度の高い試聴デモンストレーションを会場で体験した筆者は、私たちがそう遠くない時期に360 Reality Audioを心ゆくまで楽しめる日がやってくるだろうという確信を得た。

専用アプリでユーザーの耳の形を写真に撮ってクラウドに送信。ソニーのヘッドホン・イヤホンのユーザーなら一段とリアルな360度サウンドが体験できる。
会場でデモンストレーション用の音源を体験した筆者。迫力満点のサウンドに圧倒された。

先ほど360 Reality Audioを楽しむために特別なオーディオ機器は不要と伝えたが、実はソニーのヘッドホン・イヤホンのユーザーならベターな経験が得られる。自分の耳の写真をスマホで撮影して、ソニーの専用アプリを使ってサーバーに送ると、サラウンド効果をユーザーの耳に調整・最適化したデータがダウンロードできる。つまり一段と高品位なサラウンド体験が味わえるようになるのだ。ソニーのヘッドホン・イヤホンは人気の1000Xシリーズも含む幅広い製品が対応することになりそうだ。

2019年の後半戦もソニーから目が離せない

オーディオ系製品のほかにも、IFAのブースにはヨーロッパで6月から発売された8Kテレビも展示されていた。日本では昨年12月からNHKが8K放送をスタートしているが、ヨーロッパにはまだ8Kネイティブの映像コンテンツがない。ではなぜ発売が決まったのかというと、ソニーの8K液晶ブラビア「Z9G」シリーズには、映像の画質を保ったまま8Kの画素数に変換する高性能なアップスケーリング機能が搭載されているため、日常楽しむブルーレイやテレビ放送も高画質な映像で楽しめるからだ。

ヨーロッパでは6月に発売された8K対応の液晶ブラビア「Z9G」シリーズ。日本はいつ、どのような形で登場するのか楽しみだ。

海外よりも先に8K放送が始まっているのに、なぜ日本ではまだZ9Gシリーズが発売されていないのだろうか。その理由は98型に85型という超大型な画面サイズを日本人のライフスタイルにうまくフィットさせるための切り口をうかがっているからだろう。筆者はIFAを含めてこれまでに何度かZ9Gの圧倒的な高画質を体験してきたが、ぜひ良い形で日本市場に導入されてほしいと願っている。

今回ソニーが海外で発表した新たな商品・サービスが日本にやってくる日を心待ちにしながら、これからもその動向に注目したいと思う。