購入した商品は永久にサポート! スノーピークの永久保証を支えるアフターサービスの現場

スノーピークの製品には保証書が一切付いていない。それは“メーカーが自社の製品の品質に責任を持つ”という精神の表れだ。「スピーディに対応し、次のキャンプまでに直してくれる」と評判のアフターサービスはどうなっているのか? 現場スタッフの生の声を聞いてきた。


スノーピークの製品を愛用している人であれば、その存在は知っているであろう「アフターサービス」。風が強くてテントのフレームが折れてしまったり、火の粉が飛んで幕体に穴が空いてしまったり、雨に濡れてLEDランタンが点かなくなってしまったり──キャンプをしていると不意な事故がきっかけで、大切なギアが破損することがよくある。そんな時の駆け込み寺が、スノーピーク本社からほど近い「スノーピーク オペレーションコア HQ2」の中にある。

天井が高く開放的なスペースには、修理依頼の商品がずらりと並んでいる。箱には日付が書かれたシートが大きく貼られ、その日付は修理を依頼したユーザーが“次にキャンプに行く予定日”が書かれている。

「修理を受け付けた商品は、直せるものは極力直すという方針でやっています。最優先しているものは納期。オンラインなどで修理の受付をする際、“次のキャンプの予定”を聞いているのですが、そこに間に合うように最善の努力をしています」(アフターサービスチーム・稲田孝治さん)

筆者もアフターサービスを利用したことがあるが、この“次のキャンプの予定”というのが、このサービスのキモとも言える。頻繁にキャンプへ出かける人にとってみれば、ギアの破損は次回キャンプの不安を生む。そこをしっかりフォローした上で修理依頼できるのは、ユーザー心理としてはうれしい。

「ただ、どうしても修理ができないものもあります。例えば10年以上前に購入された幕体で、経年劣化が激しいものなどですね。その場合はお客様に説明をさせていただき、ご理解いただくようにしています」(稲田さん)

幕体や布物など、現行の製品については端材を用意しているが、昔の商品や限定カラーの商品など、修理用の素材在庫がない場合はそのまま修理するのが難しい。その場合は、ユーザーと連絡を取り合い、現行生地での修理がOKか、追加予算はいくらまで大丈夫かなどの確認をして、修理を進めていくという。

「今年は過去最高に修理依頼が多くて、ゴールデンウィーク明けの1ヶ月で1000件を超えることもありました。1日で処理できる数は50~60件くらいなのですが、100件以上の依頼が毎日届くような状態。エントリー向けテントの売れ行きがよかったのもありますが、一番の原因は悪天候な日が多かったことですね」(稲田さん)

壊れても直してくれる。その信頼関係があるからこそ、ユーザーはスノーピーク製品を永い間使い続けるのであろう。


膨大な修理依頼も的確にトリアージ。
アフターサービスの司令塔

アフターサービスは大きく分けて4つのチームに分類される。ユーザーとのやりとりを行うフロントチームから情報の共有を受け、届いた修理品をチェックして「できる」「できない」の判断をするのがこちらのチーム。おもに幕体やアパレル、バッグなどの布製品を中心に目視でチェックを行い、作業の振り分けを行っている。取材中も、穴が空いたという依頼品のタープを拡げてくまなくチェックしていた。

チェックした依頼品は、4種類の札を張って各チームへ振り分ける。破損状況を確認し、見積もりを作成。指定の金額以内であれば「赤」札を張って、修理チームへ回される。金額オーバーの場合、「緑」札を張って、再度ユーザーとのやり取りを行う。

 

どんな穴も破れも修理する
縫製専門の職人チーム

テントやタープといった幕体から、椅子のカバー、アパレルまで、布製品の補修を専門に行うチーム。修理依頼の多くは、火の粉によるテントやタープの穴あきの補修。パッチで埋められるように小さな穴でも、生地をすべて変えて修理することも少なくない。同じ素材がない場合でも、修理のアレンジが可能なので、いろいろと相談するとよいだろう。

 

若手スタッフが牽引する
ギア系修理チーム

燃焼器やランタン、テントのフレームなど、ギア系の修理を担うチーム。パーツの交換やクリーニングで修理できる依頼が多いため、縫製チームと比べると時間はかからないとか。「直すだけもできますが、壊れた原因や使い方をヒアリングさせていただくことで、気付いていただけることも多いんです。修理をきっかけに、商品に一層の愛着を持ってもらえるとうれしいです」(遠田裕嗣さん)