ディープすぎる旅行ツアー「ローカルウエアツーリズム」がおもしろすぎる!

服を通じて、日本各地の文化や伝統産業を伝えていくというスノーピーク アパレルの新しいプロジェクト「LOCAL WEAR by Snow Peak」。このプロジェクトが主催する旅行ツアーが「LOCAL WEAR TOURISM」だ。旅行ツアーとはいえ、スノーピークが主催する企画だけに、全旅程はアウトドアでキャンプ泊。他のツアーでは決して味わえない、地方の文化や働き方と触れ合えるディープな旅、その全貌をお届けしよう。


LOCAL WEAR TOURISM 01
岩手県・一関

中尊寺の荘園地帯にキャンプを張り
ローカルな祭りを楽しむ旅

 

都会にいたら体感できない
伝統芸能が集まるローカルフェス

岩手県一関と言えば、世界遺産の中尊寺が有名。待ち合わせ場所となったJR一ノ関駅は、そんな観光地への玄関口として知られているが、集合は土曜日にも関わらず人気がない反対側の改札口だ。そこへ、スノーピークアパレルのウエアを来た参加者たちが集まってくる。年齢層は様々で、「キャンプはしたことないです」「スノーピークアパレルが好きで、ショップでツアーのことを知って参加しました」という、アウトドア初心者層が多いのも特徴的。

駅からはマイクロバスに乗り、キャンプ地となる骨寺村(ほねでらむら)荘園遺跡へ移動。中世、この辺りは中尊寺の荘園だった場所で、800年前に描かれた絵図と現代の景観がほとんど同じという、まさに原風景が残る場所。そんな大自然に囲まれた広大な土地の一角にタープやテントなど、キャンプに必要な装備が設営されている。キャンプ好きにとっては、それだけでも贅沢な体験だ。

開会式の後、各自がテント設営を体験するという予定であったが、予想以上に酷暑だったためキャンプ地内にある骨寺村荘園交流室にて歴史などを学ぶ。その後、マイクロバスに乗り、メインイベントである「一関夏まつり・錦町フェス」の会場へ移動した。

「一関の夏まつりは、70年前に起こった大水害の後に、地元を盛り上げようと始まりました。自分たちの親世代が作った祭りを受け継ぎながら、『錦町フェス』では、錦町青年会が主体となり、人口減少や祭離れが進むこれからの時代の祭のあり方、祭の意義を探り、作り上げています」(京屋染物店 専務 蜂谷淳平さん)

4年前から始まった「錦町フェス」には、地元をはじめ岩手県内からも伝統芸能の踊りを披露しにやってくる。次から次へと、様々な伝統芸能が道端で繰り広げられる光景は、まさにフェスだ。クライマックスになると神輿が登場。威勢のいい若者が声を張り上げ、ツアー参加者たちも担ぎに参加する。熱くて勢いのあるローカルな祭りは、都会では味わえない熱気を帯びていた。

入浴を済ませて骨寺村荘園遺跡へ戻ると、ランタンの明かりがアウトドアダイニングへと誘ってくれる。現地の素材を使って振る舞われる料理に舌鼓を打ち、参加者やスノーピークスタッフと焚火を囲めば会話も弾む。天の川が見える満天の星空の下、祭りの熱気が冷めやらないまま、一日目が終了となった。

二日目は7時に起床し、ガイドに案内されながら旧荘園地帯を散歩。人工物がほとんどなく、800年前の農家も風を凌いでいたというイグネ(防風林)が今でも散見できる。朝食後はかけ流しの温泉に立ち寄り、正午にはJR一関駅にて解散。世界遺産観光では味わえない、濃厚な一泊二日であった。

 

京屋染物店とのコラボで誕生した「LOCAL WEAR IWATE」の袢纏を来て神輿を担ぐツアー参加者たち。神輿初体験者も多く、「貴重な体験ができた」と満足げだった。
岩手には数多くの伝統芸能が伝承されており、その種類と質の高さは“郷土芸能の宝庫”と評される。舞に使われる衣装や小道具も本格的。

夕食は地元食材を使った、コース仕立てのバーベキュー。貴重な地酒も振る舞われた。
開会式で行われた餅つき体験。
京屋染物店の工場にて、手拭いの染工程を見学。
プロジェクトの仕掛け人、スノーピーク副社長の山井梨沙さんと、京屋染物店専務の蜂谷淳平さん。

 

LOCAL WEAR TOURISM
in ichinoseki

day 1

13:00 JR一ノ関駅東口集合
13:30 骨寺村荘園にて開会式
14:30 骨寺村荘園にてテント設営体験
15:30 錦町水天宮通りへ専用車で移動
16:00 錦町水天宮通り到着~一関夏まつり・錦町フェス鑑賞
19:10 神輿体験
20:00 入浴
21:00 夕食【地場食材のBBQディナー】
22:00 焚火ラウンジ
23:00 テントにて消灯・就寝

day 2

8:00 荘園遺跡周辺を散歩
8:30 朝食
9:30 テント撤収
10:00 祭畦温泉かみくらへ専用車で移動
12:00 JR一ノ関駅東口にて解散


LOCAL WEAR TOURISM 02
新潟県・佐渡島

神社の境内にキャンプを張り
絶景の棚田で田植えをする旅

 

佐渡の自然と文化に圧倒される

海を見下ろす絶景の棚田──新潟県佐渡市にある岩首昇竜(いわくびしょうりゅう)棚田は江戸時代に開田が進み、現在でも当時の形状のまま受け継がれている。景勝地としても有名であるが、『LOCAL WEAR TOURISM in SADO』では、ここで田植えが体験できる。

佐渡といえば、古くは流刑の地として能楽の大成者である世阿弥が流された場所であり、近代には鉱山の反映で多くの人々が集まり、現在では日本で唯一トキが生息する地として環境整備が進んでいる場所。そんな歴史的背景から独自の食や文化が生まれた地でのツアーは、5月下旬に開催された。

集合場所は佐渡島の両津港。そこから車で10分ほどの加茂湖畔の舟屋(1階が漁船の収容所、二階が居室になった建物のこと)にて開会式を行い、徒歩にてキャンプ地となる椎崎諏訪神社へ移動となった。境内には佐渡の伝統芸能である能を披露する舞台が残っており、参加者たちはその傍らにテントを設営していく。

今回、ディナーシェフとして腕をふるってくれたのは、デンマークから来日した世界的な料理人、アラン・ハウンストラップ氏。彼は世界中の美食家を唸らせる革新的レストラン「noma」とともにコペンハーゲンの新たな食文化の普及を牽引し、デンマーク王朝でも料理を振る舞うほどの実力者。佐渡の食材を使って、焚火やバーナーを駆使したアウトドア料理の数々は、素材の旨味を存分に生かした最高のものだった。日が暮れるころには焚火タイムがスタートし、満天の星空の下、境内にある能舞台にて佐渡の伝統芸能「鬼太鼓」が披露される。未知なるキャンプ体験の連続に圧倒されながら、初日は終わった。

二日目はいよいよ棚田での田植え体験。朝食を食べてテントを撤収後、車に乗って1時間ほどの岩首昇竜棚田を目指す。海沿いの集落から農道を約350m登るとお目当ての田んぼに到着。日本海を見下ろす、まさに絶景の棚田だ。

「約300年の歴史があります。『この景色を残したい』という思いで、地元の農家の人たちは昔ながらの農法で田んぼを作っています。とにかく棚田の良さを色んな人に知っていただきたいし、棚田で作るお米のおいしさを実感してほしい。それが、ここを守ることに繋がればと思っています」(佐渡棚田協議会 大石惣一郎さん)

棚田の水はすべて湧き水を利用。日本海側から登る朝日の光、海から吹く風のなかでゆっくり丁寧に育てられた米は、粒は小さめだが甘みが強く粘り気もあるという。地元農家の指導のもと、スノーピークスタッフも一緒になって田植えを始める。素足でつかむ泥の感触と、小さな苗を丁寧に植えていく作業が楽しい。自然と触れ合うのは本当に贅沢だと身にしみる体験であった。

地元の人とつながり、フィールドワークを通して佐渡の「働く」と「文化」に触れることができた貴重な旅。秋には稲刈りツアーが開催され、収穫した米はスノーピークイートでも提供されるので、要チェックだ。

日本百景の一つにもなっている新潟県最大の湖沼、加茂湖を見渡せる高台にある神社がキャンプ地。
境内の林のなかに、宿泊するテントが並ぶ。
悪魔を払い豊年を祈る神事である「鬼太鼓」は佐渡を代表する伝統芸能のひとつ。
“世界一のレストラン”として名高いノルディック・レストラン「noma」のトップ・シェフの一人、アラン氏が料理を担当。約50人分の食材を一気に調理していく様は、ライブクッキングとして楽しめる内容で、彼が得意とするスタイルだとか。

田植えをした田んぼからは約600kgの米が収穫できる。絶景を眺めながらの作業に、参加者たちの笑顔も耐えない。
棚田を所有する大石惣一郎さん。
キャンプ地付近の通称「トキの通り道」。昔ながらの農法を守った田園地帯だからこそ、トキの生息を可能にする。
ローカルウエアの第一弾として登場したのがこちら。佐渡島の生活文化からインスパイアされた袢纏やワークパンツをラインナップ。

 

LOCAL WEAR TOURISM
in sado

day 1

14:00 両津港 佐渡汽船ターミナル集合
14:30 開会式 終了後徒歩にて椎崎神社へ移動
15:30 椎崎神社 テント設営体験
16:30 椎崎神社周辺 トキのさんぽみち散策
17:00 休憩 フリータイム
18:30 Allan Haunstrup 氏によるアウトドアディナー
19:30  焚火ラウンジ
20:00 佐渡芸能【鬼太鼓】鑑賞
22:00 イベント終了

day 2

7:00 朝食
8:00 テント撤収
9:00 椎崎神社より専用車で岩首昇竜棚田へ移動
10:00 田植え体験
12:00 昼食
13:30 田植え体験終了
14:30 専用車にて両津港へ移動
15:45 両津港にて解散