あなたの聴力、この片耳イヤホンで高められます「Olive Smart Ear」

歳を重ねていくと、いつしか誰もが「音が聴こえづらい…」という悩みにぶつかるでしょう。かといって補聴器には頼りたくない高すぎるし! という方にピッタリのアイテム、「Olive Smart Ear」が日本に上陸しますよ。家族との会話やTVの音が聞こえなくて辛いと感じているみなさま、要チェックです。

需要が拡大し続けるイアウェア

スマートフォンのような機能をもつスマートウォッチ、ジムトレーニングやランニング中の運動量を記録するフィットネストラッカー、視界のなかに+αの情報を表示するARグラスなどなど、現代はウェアラブルデバイスによって人間の能力を拡張したり、様々な情報を取得できるようになりました。

その中でも注目株になりつつあるのがイアウェア。耳用ウェアという意味で、聴力を補う補聴器や周囲の音を大きく聴かせる集音器といったトラディショナルなデバイスから、Siri(アップル)やGoogleアシスタント(Google)、Alexa(Amazon)などの音声アシスタントを呼び出して、求めた情報を聞くためのヒアラブルデバイス・スマートイヤホン・スマートヘッドホンも含まれるカテゴリです。

有線接続のイヤホン、ヘッドホンの市場は現在衰退傾向にありますが、IT専門調査会社IDCによれば、2019年のイアウェア出荷台数は7200万台。さらに2023年には1億台を超えるとの見込み。スマートウォッチに次ぐ巨大ウェアラブル市場となると予想されています。

すでにテキストニュースをスマートフォンではなく、音声アシスタントに読み上げさせてイヤホンで聞いている方もいるでしょう。そういった使い方が一般的になっていくということなのでしょう。

スマホのチカラを借りて補聴器クラスの補正力を実現

そんなイアウェアの世界に、新たに登場したのがOlive Unionの「Olive Smart Ear」です。見た目は完全ワイヤレスイヤホンの片側に見えますが、そのとおり、これ1つが本体となります。両耳用ではないのがポイントとなります。

だってイヤホンとしては使えませんから! 音楽を再生してもYouTubeアプリで動画を再生しても何も聞こえませんから! (プレスリリースには音楽再生ができると記されていましたが、試聴用としてお借りしたバージョンではBluetoothでペアリングしても音声再生先として選べず。製品版でアップデートで対応するのでしょうか?)

いや、何も、というのは言い過ぎですね。コイツの用途は聴覚アシスト。補聴器や集音器のように、特定の帯域の音を大きく聴くことができる聴力ブースターなのです。

対応する周波数帯域は500Hz~8kHz。人間の音声の周波数帯域は人間が話す350Hz~7KHzとされているので、やや高域寄りにシフトしたセッティングですね。

面白いのがスマートフォンのアプリで、ユーザーごとにセッティングができること。Olive Smart Earを装着し、アプリで「音の調整」を選ぶと500Hz~8kHzまでのノイズ音がだんだんと大きくなってくるので、音を認識できた段階で画面をタップして自分の聴力をテストしていきます。

片耳ずつテストを行ったら、Olive Smart Earにデータを転送。聴力データに合わせて500Hz~8kHz帯域の補正を行い、人の声がクッキリと聞こえるようになります。

またマニュアルでグラフィックイコライザーを操作して、セッティングすることも可能です。試用機をお借りしたので実際に試してみましたが、自分の声はあまり増幅されないし、ハウリングは少ないし、バランスド・アーマチュアドライバーで繊細なトーンだし、これは使いやすい。

いわば片耳イヤホン型の集音器・補聴器と同じような機能となりますが、一般的な集音器・補聴器はアナログ収録・アナログ増幅のために声がナローに聴こえがち。また集音器は増幅する周波数帯域を選べないものが大半で、選べたとしても2~3セッティングから選択して使うことになります。

補聴器は製作時にユーザーの聴力テストを行ってそれに合わせてセッティングを行いますが、僕ら人間って体調によっても聴力が変化するので、細やかな調整はできないんですよね。それになんといっても高い! 片耳イヤホン型だと音質調整可能なものだと7万円~が相場ですし。

医療用ということもあって、デザインもよろしくない。わざわざ肌色になんかしなくていいんですよ!

1億円の資金調達に成功したスタートアップの作品

Olive Smart Earを開発したのは、サムスンで製品開発・プロダクトデザインを行っていたメンバーを筆頭とした韓国・ソウルのスタートアップOlive Union。最初は海外のクラウドファンディングサイトIndiegogoで資金調達を行い、日本円で9884万8574円の資金調達に成功しました。

アメリカFDA(アメリカ食品医薬品局)および韓国KFDA(食品医薬品安全処)で認証された医療機器ですが、日本での医療機器認定はまだ。ゆえに日本では補聴器とはいえず、ネクストジェネレーションな集音器という立場になります。

でもこれ、他のヒアラブルもライバルになる?

気になるお値段は1つ2万9800円。補聴器と比較するとたしかに安い! …の、ですが。

Olive Smart Earのアドバンテージはハウリングしにくいというハードウェアもさることながら、ソフトウェアの比重も高いものと感じます。ユーザーの聴力テストを行うアプリってのがまさに、ソレ。

でもコレ、他のヒアラブルデバイスもアプリ次第である程度追いかけられるものじゃないかな…。海外の医療機関の認定を受けられるほどのクオリティが出せるかどうかはわかりませんが、雑音渦巻くなかで声を聞き取りやすくするというのは、ノイズキャンセリングイヤホンで外音取り込みモードがあるモデルである程度は実現できているところなんですよね。

そう考えるとこの価格がちょっと高いようにも感じてきます。だってノイズキャンセリング最強種のWF-1000XM3(ソニー)の実勢価格は2万6000円、発売以来超大ヒットとなったAirPods Pro(アップル)の実勢価格は3万円。ユーザーごとにマストな補正力を発揮することはできませんが、この2モデルでも同様の使い方はできちゃいます。

もちろん人類はまだ、両耳ともにイヤホンをつけている人との会話に違和感を感じるイキモノなんですけどね。

それを意識しているのでしょうか。Olive Unionはどうやら両耳Ver.の開発を進めているみたい。ふむ、どんなデキとなるのでしょうね。気になる!

Olive Union
 Olive Smart Ear
 価格:29,800円(税込)
 充電時間:1時間
 可動時間:7時間
 カラー:ブラック、ホワイト
 

Olive Union