時計を手にするきっかけなんて、いろいろあっていいじゃない! カルチャーな腕時計たち Vol.8 GorillazとG-SHOCK

タフネスウォッチの代名詞として世界中にその名を轟かせているだけではなく、さまざまなカルチャーとも融合することで、常に新しいファンを獲得し続けているG-SHOCK。コラボレートモデルも1990年代より積極的に展開し、今やG-SHOCKにおける柱のひとつとなっているほどだが、去る2018年にはなんとも衝撃的なパートナーシップ締結がアナウンスされた。それが、イギリスのバンド、Gorillaz(ゴリラズ)とのコラボレートだ。

世界的なバンドとプロダクトとの共演

1990年代にスタートしたファッションとのコラボレートを皮切りに、以降、音楽、スポーツ、ファッション、アートという4つのカルチャーと密接に連携。アーティストやアスリートのサポート、コラボレートモデルのリリースのみならず、イベントも定期的に開催するなど、今やG-SHOCKはそれ自体がカルチャーアイコンとして存在していることについては、9月9日の記事にも書いたとおりだ。そんななかでも、2018年にアナウンスされたGorillazとのコラボレートは実にエキサイティングなニュースだった。なぜって、世界的なバンドと世界的なプロダクトの共演が実現したのだから──。

ジェイミー・ヒューレットが描くバーチャルバンド、Gorillaz。MVなどでは彼らが登場するストーリーが繰り広げられ、またライブ会場ではステージ上のスクリーンにこの4人が演奏する姿が映し出される。

Gorillazは、1990年代のブリットポップ・ムーブメントを代表するグループ、Blur(ブラー)のデーモン・アルバーンと、『Tank Girl』を代表作とする漫画家/イラストレーターのジェイミー・ヒューレットのふたりによって1998年に立ち上げられたバーチャルバンド。2D(ボーカル)、マードック・ニカルス(ベース)、ヌードル(ギター)、ラッセル・ホブス(ドラム)という架空の4人のキャラクターで構成され、2000年発表の1st EP『Tomorrow Comes Today』でデビューを飾った。

翌2001年には1stアルバム『Gorillaz』を、2005年には2ndアルバム『Demon Days』を発売。それぞれ700万枚、800万枚ものビッグセールスを記録し、「最も成功した架空のバンド」としてギネスブックにも認定されている。Gorillazはその後もコンスタントに作品を発表し、2018年に発売された『The Now Now』を含め、現在までに6枚のアルバムをリリース。アルバーンが手がける楽曲もBlur時代とは異なり、オルタナティブ・ロックからエレクトロニカ、ヒップホップ、ダブといった幅広いジャンルを展開。さらには各アルバムとも多彩なフィーチャリング・アーティストが名を連ねるなど、自由でバラエティに富んだ内容となっている。

しかも、Gorillazは単にバーチャルバンドがアルバムをリリースし、ライブを行うだけの存在ではない。メンバーごとに細かいキャラクター設定が用意されているのはもちろんのこと、アルバムごとにストーリー(基本的にはマードックの無謀な行動に他のメンバーが巻き込まれていく内容)が描かれ、それらはMVや自伝本、スマートフォン用ゲームといった幅広いコンテンツで展開されているのだ。

アルバーンの自由な作風と、アニメーションキャラクターを軸としたストーリーとの融合──。それまでのミュージック・シーンにはない、ジャンルも発表の場もボーダーレス化した斬新な取り組みによって、Gorillazはワールドワイドでの絶大な支持を獲得した。

バーチャルとリアルが融合したGorillazとのコラボ

こうしたGorillazのチャレンジングな姿勢にカシオは目をつけた。2018年にGorillazとのパートナーシップ締結を発表した際、同社は「Gorillazが世界初のバーチャルバンドであり、既成概念にとらわれず常に新しいことに挑戦している姿勢や積極的なコラボレーションによる進化を止めないという信念がG-SHOCKの開発姿勢、ブランドに強く合致した」とアナウンス。そう、Gorillazの活動と、1983年の誕生以来G-SHOCKが貫いている姿勢には近いものがあり、今回のコラボレートは必然とも言えるのだ。

まず、カシオはGorillaz×G-SHOCKの特設サイトを開設。ここではヒューレットによるオリジナルのエピソードが公開されるとともに、G-SHOCKの生みの親である伊部菊雄氏と2D&ヌードルとの対談もアップ。その内容はオリジナルのエピソードとの連携を持たせつつも、対談のなかでは伊部氏がG-SHOCKの開発秘話を語っており、海外のGorillazファンにもG-SHOCKのヒストリーが伝わる内容になっている(しかも、大阪出身のヌードルがふたりの会話を通訳するという、キャラクター設定を活かした作りもユニーク)。

そして、コラボレーションサイトのオープンから1年が経った2019年9月、ついにGorillazとのコラボレートモデルが発表された。

G-SHOCK
GW-B5600GZ-1JR
2万5300円

アルバム『The Now Now』のジャケットにインスパイアされた、ビビッドなブルーとピンクが印象的なデザイン。5600シリーズをベースにしており、Bluetoothによるスマートフォンリンクをはじめ、標準電波を受信するマルチバンド6にも対応。

G-SHOCK
GA-2000GZ-3AJR
2万3100円

アナログモデルのGA-2000シリーズをベースに、デビュー作『Gorillaz』のジャケットに着想を得たカモフラージュパターンを採用。G-SHOCKのタフさをアピールするような力強いデザインが見事。

「GW-B5600GZ-1JR」は、2018年発表のアルバム『The Now Now』のアートワークに着想を得たデザイン。アルバムカバーはパステル調のブルーとピンクを用いながら2Dを描いた、ポップセンスあふれるビジュアルに仕上がっており、G-SHOCKではこの大胆な配色を採用した。そしてもう一方の「GA-2000GZ-3AJR」は、1stアルバム『Gorillaz』のジャケットに描かれたカモフラージュ柄のオフロードカーにインスパイアされたデザイン。ストラップにビビッドなカモフラージュ柄を用いただけでなく、インデックスにも同色のグリーンをあしらったミリタリールックが目を惹く1本だ。

ストラップの遊革に加え、LEDバックライトの点灯時にもアルバムタイトルの“NOW”の文字が浮かぶ仕様になっている。

ストラップ交換を可能にしたGA-2000シリーズの特徴を活かし、ビビッドカラーのカモフラージュ柄に加え、ダークミリタリーカラーのストラップも付属。

もちろん、これらのモデルはオリジナルエピソードのなかでも登場しており、G-SHOCKの特徴であるタフさをしっかりとアピールしながら描かれている。つまり、バーチャルのなかにG-SHOCKを登場させ、リアルなプロダクトも製作するという両極での展開がユニークな試みだ。では、今後のG-SHOCKはどのようなコラボレーションを見せてくれるのか。Gorillazとのパートナーシップは、G-SHOCKのチャレンジングなプロモーションに期待を抱かせる内容となった。

時計本体と同様、アルバムジャケットをベースにデザインされたスペシャルパッケージが付属し、満足感をさらに高めてくれる。

問カシオ計算機●03-5334-4869
https://world.g-shock.com/gorillaz/