【ds hands on!】シトロエン C3 AIRCROSS SUV

街にもアウトドアにも出かけたくなる
コンパクトなSUV

シトロエン
C3 AIRCROSS SUV

価格:263万8000円~

創業100周年の節目に登場したシトロエンのSUV第2弾。先に発売された『C5 AIRCROSS SUV』がミドルサイズであったのに対して、こちらは扱いやすいコンパクトクラスとなる。駆動方式は前輪駆動の2WDだが、WRCなど多くのラリーで実績を残しててきた同社だけに、オフロードでも侮れない走破性を与えられている。

SPEC

サイズ L4160×W1765×H1630mm
ホイールベース 2605mm
車両重量 1270~1310kg
エンジン 1199ccターボ付き直列3気筒
最高出力 81kW(110PS)/5500rpm
最大トルク 205Nm/1750rpm
燃料消費率(JC08モード) 16.4~16.7km/L
乗車定員 5人

 

街中だけでなく自然の中でも個性を発揮するコンパクトSUV

近年、世界的に人気が高まっているのがコンパクトSUVのカテゴリー。そのジャンルにブランド100周年を迎えたシトロエンが投入したのが『C3 AIRCROSS SUV』だ。同じグループのDS AUTOMOBILESからは先日『DS 3 CROSS
BACK』が登場しているが、こちらは出自が異なり人気車種である『C3』とコンポーネントを共用しているのが特徴だ。

多くのメーカーが力を入れているジャンルだけに、街でもコンパクトSUVを見かける機会は多いが、このクルマは一度見たら忘れられない個性を持っている。外装デザインは華美な部分はないものの、丸みを帯びたルックスとポップなアクセントカラーの効果的な配置で、目に止まりやすく、それでいて飽きが来ない仕上がり。サイズの手頃さもあり、気軽に乗って出かけたくなる雰囲気を持っている。

実際に乗り込んでみても、座り心地の良いシートとシンプルながらポップな内装デザインが相まって、親しみやすく長時間のドライブでも疲れにくい車内空間となっている。車線逸脱を知らせてくれる機能や、斜め後方のブラインドスポットから近づいてくる車両を感知する機能も搭載されており、ドライブ中の”守られている”安心感も高い。

コンパクトで扱いやすいドライブフィールだが、走行モードを「S」にすると、WRCマシンをルーツに持つこのクルマの隠れた素性が顔を出す。パワフルな加速とキビキビしたハンドリングはワインディングでも楽しく、意のままに車体をコントロールできる。足回りは良く動きながらもしっかりとコシがあるので、SUVにありがちな不自然さが全くない。2輪駆動ながら駆動力を絶妙に配分する「グリップコントロール」機能により、オフロードでの走行性能も高く、滑りやすい泥の路面でも不安定となることはなかった。試しにこの機能をOFFにしてみたところ、やはりタイヤが滑る場面が多かったので、制御が適切に仕事をしているようだ。ほかのクルマとは少し違った個性を持ち、キビキビした走りを味わいながら、たまにはキャンプなどにも出かけたい。そんな人には最良の選択肢の1つだろう。

 

街でも自然の中でも
ひと目でわかる外観デザイン

ブランドマークと一体化したフロントライトのほか、ポップなカラーで縁取られた内側にハイビームランプ、フォグランプ、そしてコーナーリングランプの3つを収めたフロントフェイスは個性的で遊び心を感じさせる仕上がり。
コンパクトながらボリューム感のあるリアフォルム。丸みを帯びたシルエットと、リアクォーターガラスに配されたアクセントカラーにより、後から見てもすぐに車種がわかる個性を放つ。
ボディラインに沿うようにデザインされたルーフレールを見ると、このクルマが細かい部分まで手を抜かずにデザインされていることが感じられる。アクセントカラーの使い方もセンスが良い。

 

ポップで親しみやすいインテリア

シートと同じファブリック素材をあしらったインパネと、エアコン吹出口などにアクセントカラーを効果的に配した内装は国産車ではなかなかお目にかかれないもの。メーターやタッチパネルの視認性も良く、操作感も良好で、ドライバーのストレスが少ないコックピットだ。
クッション性とホールド性を両立したシートは、作りの良いソファのような快適な座り心地。長時間のドライブでは、その疲れの少なさに驚くはずだ。ステッチなどのポップな差し色も印象的。

ラゲッジスペースはコンパクトSUVとしては十分なもの。上級グレードに装備されるスライドシートを倒せば、520Lとクラス最大級まで拡大が可能なので、キャンプ用品なども積み込める。

 

SUVらしいキビキビとスポーティな走り

コンパクトな車体と応答性の良いステアリングによって、走りはかなり軽快で楽しい。同社のWRC参戦マシンである『C3』と同じコンポーネントを持つクルマらしい走りだ。
自動ブレーキや車線逸脱を警告する機能、駐車時にハンドル操作を自動で行う機能も備えるが、先行車を追従するクルーズコントロールは残念ながら装備していない。

エンジンは1.2Lの3気筒ターボで110PSを発揮。低回転から力強いトルクを発生し、走行モードを「S」にすると、キュートな見た目からは信じられない速さを味わえる。

 

オフロードにも入って行きたくなる走破性

前輪駆動ではあるが、オフロードでの走破性もかなりのもの。滑りやすい濡れた土の上でも不安を感じることなく走ることができた。よく動くサスも路面からの突き上げをうまくいなしてくれる。
その秘密は上級グレードに装備される「グリップコントロール」機構。ノーマルに加え「スノー」「マッド」「サンド」など路面に合わせて最適にグリップを調整してくれる。
下り坂でアクセルを操作しなくても一定速で走れる「ヒルディセントコントロール」機能も備える。30km/h以下の速度で下れるので、滑りやすい坂などでの安心感の高さは圧倒的だ。
  • text増谷茂樹
  • photo松川忍

profile:乗りモノライター 増谷茂樹

クルマを中心に乗りモノ関連の記事を各種媒体に執筆中。プライベートでは子どもを同乗させる機会も多く、車中泊も楽しんでいる。