質実剛健、機能美の極致。一流の男が惚れるPORSCHE DESIGN COLLECTION【納得の逸品】

【高いけど買って良かった納得の逸品】
総額1000万オーバーのオール私物掲載!購入者17名が本音で語ります。
世の中“安くていいモノ”の情報は氾濫していますが、人々が本当に欲しい情報って、実は“高いけど買ってよかったモノ”の情報では?なぜなら、高い買い物はやっぱり失敗できないじゃないですか?ここではなかなか高価で手が届かないと思われるモノを、実際に思い切って購入した人が、たしかに高かったけど結果的には納得できた! という理由とともに、そのモノについて熱く語ってもらいました。いやー、高いモノにはちゃんと理由があるんですね、やっぱり。

こだわりや魂に心打たれ、一緒に物語を紡いできたポルシェデザインは人生の相棒です。

私が初めてポルシェデザインを知ったのは、大学生の頃に父の商談に通訳としてついて行ったドイツでのこと。のちに会ったポルシェの極東担当者が着けていたのがIWCだった頃のポルシェデザインのチタニウムの時計でした。“カッコイイな”と強く思ったことを覚えていて、その後①この時計は復刻モデルをきっちり手に入れました。

その後、父にもらったティアドロップ型のサングラスなども印象に残っていますが、ポルシェデザインとの関係を決定づけたのは友人に転職祝いでもらった②ボールペンです。金属から削り出した工業製品としての完成度の高さに惚れ、以後は会社との契約書など人生の節目となる場面では必ず身に付け、自分の人生は自分で決定するという意志を込めて、必ずポルシェデザインのペンでサインをします。まさになくてはならない存在。だから、現在はペンだけで、③金属の輪が組み合わさり伸び縮みするペンや、④エンジンルームのメッシュホースをモチーフにしたペンも含め7〜8本所有しています。1本数万円はするのに。

さらに、⑤ポルシェデザインのシューズは履いていても差を感じられることはありませんが、左右のソールパターンが微妙に異なります。ドライビングシューズから来ている特徴ですが、それ自体普段履きする自分には機能的価値は皆無ですし、ある意味“究極の無駄”。ですが、手にした人だけはそのこだわりにやられてしまう。目に見えない部分はもちろん、ほとんどの人が感じられない機能にまで、一切の無駄がない究極のデザインエンジニアリングで作り上げるところに、ポルシェデザインの魂を感じます。イタリア車のように洒落てはいません。が、質実剛健で信頼性の高いドイツ車、その代表格であるポルシェの特徴にまさに通じると断言できますね。

もう1つ行動を共にするのが⑥キャリーケース。たぶん48万km以上、一緒に移動していると思います。ホイールの静音性、さらに転がりの軽やかさが圧倒的。たまに別メーカーのもので出掛けることがあると、だいたい「次はポルシェで行こう」という気持ちにさせられます。

私とポルシェデザイン製品の間には、人生を一緒に紡いできた相棒的物語があります。物語は言い換えれば高いものを買う〝言い訳〟とも言えますが(笑)、確実に言えるのは、製品の背景の思想や哲学が感じられないものとは、物語を作ることはできないだろうということですね。

伊藤嘉明さん/世界のヘッドハンターがその動向を注視するプロ経営者。現在はジャパンディスプレイのCMOも兼任。最新著書は『差異力 知らないことは武器になる』(総合法令出版/1620円)。本誌で「人生万事振り切るが価値!」を連載。

 

『デジモノステーション』2017年12月号より抜粋。

  • speaker伊藤嘉明
  • photo下條英悟(GREEN HOUSE)