1台3役、お手入れカンタン。1年中使えるダイソンの加湿空気清浄機が新登場

乾燥する冬。肌がピリピリするようなこの季節、加湿器の購入を検討する方も多いのではないだろうか。2019年11月29日に日本で先行発売されるダイソンの『Dyson Pure Humidify+Cool加湿空気清浄機』は、空気清浄機能付きの加湿器で、夏は扇風機としても使えるため、冬だけでなく一年中使える。直販価格8万8000円。ダイソンの加湿器カテゴリーとしては、超音波式加湿器『Dyson Hygienic Mist加湿器 AM10』が2014年に発売されてから、5年ぶりの新モデルだ。
Dyson Pure Humidify+Cool加湿空気清浄機

超音波式から気化式へ。衛生的な加湿を追求

『Dyson Pure Humidify+Cool加湿空気清浄機』は気化式を採用。前モデルの加湿器とシルエットは似ているが、加湿機能に空気清浄機能を加え、さらに空気の拡散の方法やセンサー、お手入れ方法などが刷新されている。

中心部にUV-Cライトを搭載。UV-Cを照射された水は、反射性に優れた素材でできたPTTEチューブを通る。チューブ全体にUV-Cを反射させ、水に潜む主な細菌を除菌するのだ。さらに、細菌の繁殖を抑える銀繊維を編み込んだ抗菌加湿フィルターの3Dエアメッシュを通過し、衛生的に加湿される。

高さ923mm、幅と奥行きは312mm。重さは8.29kgと存在感がある。
一番下に水のタンクがある。
カットモデル。中心にUV-Cライト、オレンジ色の部分が抗菌加湿フィルター、外側が空気清浄用のフィルター。

グローバルカテゴリーディレクター 空調家電製品カテゴリーのチャーリー・パーク氏は「気化式なので以前のように白いミストは一切見えません。新たに搭載した除菌システムは、バクテリアの除菌能力があります。バクテリアやミネラル成分を放出させない、衛生的な加湿器を目指して開発しました」と語った。

グローバルカテゴリーディレクター 空調家電製品カテゴリーのチャーリー・パーク氏。2003年にダイソンへ入社。掃除機カテゴリーのヘッド オブ エンジニアリングを経て、現職に就任。

アドバンスド リサーチ サイエンティストのジェム・マクラキー氏は、同製品の開発当初から微生物を調査し、研究してきた微生物学者だ。研究開発の早い段階から参加し、衛生面をテストする方法の開発に携わっている。

アドバンスド リサーチ サイエンティストのジェム・マクラキー氏。水道会社のジュニア微生物学者としてキャリアをスタートし、レジオネラ菌などの細菌学研究に従事。生物医学の学位を取得。ダイソンでは微生物学の側面で製品研究開発部門などをサポートしている。

「どの国でも使える製品にしなければならないため、あらゆる水源と水質を調査しました。バクテリアの量やミネラルの含有率は、硬水と軟水によっても異なり、世界の角地域によっても変わってきます。今回のUV-Cテクノロジーで、バクテリアを安全な水準まで減らすことができました」(ジェム・マクラキー氏)

さらに開発で苦労したのはお手入れ方法だ。水垢が蓄積すると、細菌のすみかとなり、不衛生な状態になる。欠かせない加湿器のお手入れを、いかに簡単に衛生的にできるのか、試行錯誤したという。

チャーリー・パーク氏は「一定期間使うと加湿器はどうしても汚くなります。バクテリアや、水本来が含有しているミネラル分などが出てくるので、掃除もしにくくなりますが、お手入れはきちんとしなければなりません。そこで、手間と時間のかかる面倒な作業を自動化しました」と語る。

容量5リットルの水タンクに水をはって、クエン酸を入れると加湿フィルターを自動で洗浄する。LCDディスプレイにクリーニングプロセスを行うための案内が表示されるので迷わない。洗浄中は放ったらかしで、1時間くらいで終了する。最後にすすぐだけだ。

これが加湿フィルター。外すのはカンタン。
水タンクの容量は5L。下にキャスターがあり、スッと取り出せる。

一般的な気化式の加湿器はフィルターをしっかり洗わなければならず、部品などのお手入れも含めて煩雑なものが多いが、同製品は自動洗浄なのでとても簡単だ。クリーニングが必要な時期になると「加湿お手入れ」ボタンが点灯して知らせるので、うっかり忘れるということもない。清潔な状態を維持し、常に衛生的な加湿が行える機構となっている。

加湿による「寒い」を低減できるモードを追加

以前のモデルは前方に真っ直ぐミストが出るので、「寒い」と感じることがあった。新モデルでは、そういった点も改良されている。本体後方の開口部から風を送り出す「ディフューズモード」を搭載。この機能により、直接肌に風が当たることはなくなった。

前方には2つの風向調整器を搭載している。開口部から最大90°の範囲で風を送り出すことができ、この2つはカメレオンの目のようにバラバラに動かせる。気流を動かし、室内の空気をかくはんできるようになった。気流は幅広く広がるようになったので、より遠くまで加湿されたキレイな空気が届くようになっている。

カットモデル。風向調整器が搭載されたのは初めて。

また「ブリーズモード」では、野外で自然のそよ風を体感しているような風を作り出せるようになっている。同モードはダイソンのマルムズベリー研究開発拠点の8カ所で、4000万以上のデータポイントを収集。自然風のアルゴリズムを考案し、開発したという。

徹底した空気の「ろ過技術」でPM0.1も除去

空気清浄機能はフィルターで空気をろ過しする方式だ。合計9mに達するホウケイ酸マイクロファイバー製フィルターで、0.1µレベルの微細汚染物質を99.95%捕集できる。さらに活性炭フィルターが吸収効率を高め、ベンゼンを含むガスなどもセンサーで検知し、除去できるという。

びっしりと詰まっているフィルター。交換のめやすは1日12時間使用で1年。

日本ではイオン式空気清浄機も人気があるが、この点についてどのように捉えているのだろうか。質問をしたところ、チャーリー・パーク氏は「私どもは、常にユーザーのベネフィットを考えて開発を行っています。私どもの研究においては、イオン発生器はユーザーにとってメリットはないと判断しました」と語り、ダイソンはそういったギミックは搭載せず、フィルターでろ過する方式を選択したことを強調している。

微粒子はレーザーによって測定・検定している。別のセンサーでベンゼンなどの揮発性有機化合物(VOC)の量を検出。3つめのセンサーで相対湿度と温度を測定しており、LCDディスプレイにデータがリアルタイムで表示される。

見やすい液晶ディスプレイ。

検査方法も実際の住宅環境に合わせた独自のテスト環境で結果を残している。

「本機の周辺をキレイにできるのは当たり前です。部屋全体の状況を改善する、ということを我々はやるべきだと考えました。そのためには、リアルなシチュエーションでの問題解決をしなければ意味がなりません。業界の試験室ではなくて、自ら弊社の試験方法を作り出しました」(チャーリー・パーク氏)

業界のスタンダードなテスト方法は、約10㎡の小部屋を用意し、真ん中に製品を置く。そこにファンを一ヶ所稼働させて空気をかくはんしながら、中心部にセンサーを1台だけ設置して空気の汚染率を計測しているという。

業界がテストしている環境は赤いほうの小部屋だ。

チャーリー・パーク氏は「弊社では広い部屋を想定したポーラーテストという試験方法を考案しました。世界の各地の情報から割り出して作った環境で、グローバルの平均的な部屋のサイズ27㎡としました。製品は部屋の真ん中ではなく、角に製品を置いています。角に置いているのは、これが現実的な製品の使い方だから。センサーも9ヶ所設置し、部屋のどこにいても汚染レベルを察知するできるようにしています。本体の近くだけがキレイになる、ということではないと証明できます」と、実際の環境に合わせてテストし、結果を残したことを強調した。

「環境の状況を感知できる能力を持っているので、乾燥や汚染の度合を察知し、状況に合わせて最適な状況にします」とチャーリー・パーク氏。

最後に、チャーリー・パーク氏は、『Dyson Pure Humidify+Cool加湿空気清浄機』を開発するにあたり、創業者であるジェームズ・ダイソンの言葉を紹介した。

「彼の言葉で感銘を受けたのは”限界があったら先にいけ”と言われたこと。”もっと大胆に、勇気をもって”ともよくいわれるんですが、この製品も大きなチャレンジでした。全く新しいシステムに刷新され、性能を大幅に改善したのですから」

Dyson Pure Humidify Cool

  • Text石井和美
  • Photo石井寛子