近未来な生活を支えるMakuakeなモノと出会えるショールーミング店舗「boxsta」

店舗でモノを見てネットでモノを買うショールーミング時代だからこそ、店舗のカタチは進化を求められているのではないでしょうか。渋谷スクランブルスクエアにオープンした「boxsta」は、あえてモノを体験してもらうことに特化した店舗。その場で販売するのではなく、マーケティングデータを集めるための場となっているのです。

ネットと店舗をどう融合させていくか

Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングなどさまざまな通信販売サイトでリーズナブルな商品が購入できるようになった現在。お買い物はネットで、という方も多いでしょう。特にクルマで郊外型の大型ショッピングモールやホームセンターに行き、広い駐車場&店内を歩きまくったにもかかわらず目的の品を見つけられなかった&在庫がなかったという経験を持つ人は、オフラインで商品を買うということに不満を持っているでしょうし。

そして近年は、店舗で商品を見たり触ったりして確認するものの、購入はネットで行う人が大幅に増えてきています。このショールーミング化現象は世界中で起きており、店舗経営にとってアタマを悩ます問題となっています。

かといってすべての買い物がネットで終始する時代は来ないのでは、とも言われています。近年のAmazonなどで商品を検索すると、検索ワードにメーカー名を入れているにも関わらず他社の商品が先に出るなど、SEOのテクニックが浸透しすぎてノイズが増えてきているのも事実。Alibaba.com、taobao、Alipayなどを有する巨大IT企業アリババグループの創設者であるジャック・マー氏は、将来的に単体としてのネット通販はなくなり、小売店・ネット通販・物流が融合した新しい小売のかたちが普及するのではとも言及していますし。

この問題に対して、ファストファッションのGUは原宿の店舗をショールームとしてオープン。商品をその場では販売せず、サイズを確かめたり自分のアバターを作ってサイネージでコーディネートを楽しみ、あとからアプリを通じてオンライン購入できるシステムを作りました。

店舗に来店したお客さんに、自社の通販システムを使ってもらうような動線を作っているヨドバシカメラなどの例もあります。ニトリのように、欲しい商品を在庫している店舗・置いてある棚をアプリで確認できるなど、店舗にくるまでに的確な情報提供を行う企業も出てきました。

あえてショールーミングに特化した店舗が「boxsta」

ガラス球の中にある傘を自由に動かせる、単体で間接照明環境が作れるLEDライト「極」

2019年11月28日から12月25日まで、渋谷スクランブルスクエア2階にオープンした「boxsta」も、オンラインとオフラインを融合した新たな店舗のカタチとなっています。

ぬいぐるみにつけるボタン型スピーカー「Pechat」。アプリを通じてぬいぐるみと遊ぶ子供と会話できる。

展示される製品は、日本最大級のクラウドファンディングサイト「Makuake」でプロジェクト実行中のこれから世に出るアイテム、またはいままで高く評価され、多くの投資・事前予約を集めたアイテムの約15プロダクト(11月28日時点)。極めて一部を除き、他の場所では見ることすらできないアイテムばかりです。

衣類につけることで、赤ちゃんの目線での動画が撮れるアクションカメラ「Babeyes」

たとえ気になったアイテムと出会えたとしても、boxstaで購入することはできません。ここはあくまで近未来的アイテムのショールーム。最新のIoTなど、次世代を感じさせるモノを体験できる場なのです。欲しくなったらMakuakeにアクセスしてクラウドファンディングの支援をする、もしくはリターン(商品)を購入することとなります。

世界中の絶景を見ることができる未来の4Kスマートウィンドウ「Atmoph Window 2」

商品化されたアイテムは、どこでも買えるといったアイテムではないことが多いため、Makuakeのサイトを通販サイトとして利用することができる。この店舗と通販サイトの融合がboxstaの目指すカタチといえるでしょう。

1億円以上の資金調達に成功した折りたたみ電動ハイブリッドバイク「glafitバイク」

マーケティングデータ収集の場ともなる

同時にboxstaでは、展示されているアイテムに対して来場者がどのような反応を示したかのデータを取得するために、各コーナーにカメラとマイクを設置。年齢、性別、どのアイテムのブースを見て回ったかの動線を分析、喋った内容をテキスト化して、マーケティングの役に立つデータに仕上げます。

面白いのが、データを取得する際に個人を特性するデータ部分は破棄するということ。何歳くらいの人が何分滞在したのかといったデータから、統計とするわけですね。

同時にマイクで取得した感想、意見のテキストデータは、より細かなサンプリングデータとして扱うのでしょう。例えば「性能はいいと思うんだけど、白色があったらよかったのに」といった声などのように。

boxstaのアプローチは、アメリカのb8ta(ベータ)や日本の蔦屋家電+(プラス)と近いところがあります。しかしb8taと蔦屋家電+は、新製品を販売したい/販売したメーカーが店内ブースを借りるのに対して、boxstaはMakuakeというフィルターを通してすでにオンラインでは注目度の高いアイテムを展示するという違いがあります。これはクラウドファンディング(オンライン)がオフラインへ歩み寄り、プラットフォーム主導で大々的なリアルβテスト、ロケテストを行うという思想も伺えるものじゃないですか。

今回は期間限定のポップアップストアとなりますが、いつかクラウドファンディングサイトには、開発中の新世代なアイテムと触れ合える常設の場を作ってほしいですね。

boxsta