カメラの数が増えるとスマホデザインがどんどんカッコよくなるって本当?

スマホと言えばみんな同じようなデザインだったが、最近はカメラの数が増えたことで外観も変わりつつある。なかでも中国メーカーのスマホのデザインが少しずつカッコよくなってきているのだ。スマホのカメラ機能が向上するにつれ、背面デザインも大きく変わろうとしている。

背面カメラデザインのトレンドセッター・ファーウェイ

2019年に発売されたスマホのうち、背面に3つのカメラを搭載したモデルは約160機種。一方、4つ以上のカメラを搭載したモデルは約60機種と、その数は急増している。最新のiPhoneで3つのカメラを楽しんでいる人も多いだろうが、ファーウェイならすでに4つのカメラも当たり前、最新のシャオミのスマホは5つのカメラを搭載している。「そんなにカメラが必要なの?」という意見もあるだろうが、アップルが大々的に3つのカメラをアピールしているように、カメラの数は少ないより多いほうがいいに決まっているのだ。

スマホのカメラが1つか2つの時代は背面デザインも各社変わり映えのしないものが多かった。しかし数が増えるにつれ各社はそのレイアウトに工夫を凝らしている。なかでもファーウェイはアグレッシブにデザインの変更を進めている。

ファーウェイのスマホと言えば、ライカのカメラを搭載しカメラ性能に優れている点はもはや世界中の誰もが認めるところだ。スマホのカメラ性能もファーウェイが常にトップクラス。サムスンやアップルですらファーウェイのカメラ性能を後から追いかけている状況だ。たとえば今ではどのメーカーも搭載している「超広角レンズ」もファーウェイは2018年10月発表の「Mate 20」で実装済みである。

2019年3月にはカメラモジュールを潜望鏡形状(ペリスコープ)とし、本体に横に埋め込むことで光学5倍、デジタル50倍ズームを実現した「P30 Pro」を発表した。ペリスコープカメラはその後OPPOが4月に、Vivoが12月に追従して搭載スマホを出している。広角でもズームでも、ファーウェイが先駆けて搭載を進めているのがわかるだろうか。

では、増えたカメラをどのようにデザインすれば使いやすいだろうか。ファーウェイはMate 20で3つのカメラを1つのフラッシュライトを正方形の台座上に乗せ、それを本体背面中央に配置した。それまでは2つのカメラを搭載するときは背面の片隅に上下または左右に並べるデザインが標準的で、カメラが3つに増えると縦に3つならべるデザインが増えていった。しかしMate 20は「正方形の台座」という新しいデザインを採用したのだ。

カメラを正方形の台の上、背面中央に配置したファーウェイ Mate 20。

Mate 20のカメラデザインはすぐには他社に追従されず、「ファーウェイのハイスペックなビジネススマホ」のデザインイメージにもなった。ところが1年後の2019年9月に発表した「Mate 30」ではこのデザインをあっさりと捨て去り、今度は背面中央に大きな正円の台座を配置。そこに4つのカメラを均等に搭載するというデザインを採用した。上下左右どの方向から見てもカメラが均等に並んでいるようなデザインは美しく、しかも4つのカメラは台座の部分からの出っ張りはない。4眼であることをアピールしつつも、大きい円の台座がカメラの存在を隠しているかのようなデザインでもある。

4つのカメラを円形の台座に配置したMate 30。

iPhoneよりもデザイン面でも先を行く中華スマホたち

ファーウェイの2019年春のフラッグシップスマホ「P 30」シリーズでは、Mate 20やMate 30とは異なり背面の片隅にカメラを縦に4つ並べたオーソドックスなデザインをしている。PとMateという2つのモデルは、「Pがカメラ特化」、「Mateは最新技術搭載」と区分けされており、そのMateはさらにデザインでも一歩先を行く製品に仕上げられている。たとえばMate 30 Proのディスプレイ側面はほぼ直角(88度)に折れ曲がっており、側面のディスプレイ部分をタッチすることでボリュームキーを画面に表示させることができる。

一方で、正方形の台座にカメラを搭載するデザインはその後アップルが「iPhone 11」シリーズで採用。3つのカメラを目立たせたデザインで「タピオカカメラ」とも呼ばれるが、ファーウェイは1年前に採用したそのデザインを自ら捨て去った。それはアップルがファーウェイに追従することを内部情報でつかんでいたかもしれない。Mate 30の円形のカメラデザインは「うちはアップルよりさらに先を行く」というメッセージが含まれているようにも感じられるのだ。

また、正方形デザインは他のメーカーにインスパイアされている。たとえばVivoの「S5」のカメラを見てみよう。

ひし形にカメラを搭載するVivoのS5。

VivoのS5も4つのカメラを搭載する。そのうち3つとフラッシュを正方形の台座に配置しているが、角を上下左右に向けることで、ひし形の形状としている。さらに被写界深度を測定する4つ目のカメラはその下に独立して配置。撮影に必須のカメラは近づけることで望遠倍率を変えたときの画角のずれを最小限にし、さらにフラッシュの光を効果的に使うためにこんなデザインにしたのだろう。

一方、Mate 30のいいとこ取りをしたようなデザインがシャオミの「K30」だ。4つのカメラは背面中央に縦に並べられている。そしてそのカメラを囲むように円形のデザインが施されている。まるで円形の部分が盛り上がっているように見えるが、これは表面処理でそう見えるだけ。実物を見ると4つのカメラは縦に配列されているだけで、その周辺部はフラットな仕上げだ。視覚的にはカメラの存在感を高めるデザインであり、これはなかなか考えられている。

背面仕上げでカメラ部分を目立たせているシャオミのK30。

なお、実はカメラを円形にまとめたデザインはVivoの「NEX3」が先に製品化している。Mate 20の正方形なカメラ周りを丸くした形状だが、ぱっと見てみるとカメラ部分はあまり目立っていない。四角を丸にしただけではカメラ部分のアピール度は弱いのだ。このNEX3とMate 30、K30を比べてみると、ちょっとしたデザインの差で背面の印象が大きく変わることがわかるだろう。

VivoのNEX3はカメラ周りが円形ながらサイズが小さく目立たない。

カメラは4眼からさらなる増加傾向へ

2019年12月に日本で発売されたシャオミの「Mi Note 10」はマクロレンズも備え、合計5つのカメラを搭載している。この5つのカメラをシャオミはそのまま縦に並べた。さすがに5つ目のカメラは目立たないようにしているものの、背面の左半分にカメラがずらりと並ぶ様はやや工夫が欲しいところだ。

OPPOはスマホ本体の背面中央縦に色の異なるラインを入れ、その上に3つ、4つとカメラを並べている。さらには机の上に本体を置いた時にカメラ部分に傷が付かないようにと、カメラの上または下(モデルによって異なる)に小さい丸い突起「O-Dot」を配置している。カメラやフラッシュ、そしてO-Dotなど円形のものをずらりと並べてあえて目立つようにしているわけだ。このあたりのデザインセンスはシャオミよりOPPOが一歩リードしている。

OPPO Reno2 Zの背面は縦にカメラやO-Dotが並ぶ。

とはいえ、いずれカメラは5眼、そして6眼と増えていきそうだ。そこで増えたカメラを2列に配置し、それを長方形の台座の上に乗せるスタイルのスマホが2019年末ころから出てきている。一昔前のコンデジのようなデザインでもあり、複数のレンズがまとまって配置されるためレンズ切り替え時の画角のずれも少なく済む。

ファーウェイのHonor V30、カメラを2段にまとめている。

スマートフォンの外観はいまやどれもが似たようなものになっているが、実はカメラの数が増えたおかげで背面を見るとデザインの種類は多彩になっている。また数年前までならiPhoneをまねたデザインのスマホが多かったが、今では真似されるのはファーウェイになっており、スマホメーカーのパワーバランスが年々変わってきていることが実感される。今後スマホのカメラはどこまで増えるのか、またさらに新しいデザインが生まれてくるのか。カメラの進化と共に、スマホのデザインはもっともっと面白くなっていくのだ。

スマホの背面デザインはまだまだ新しくなっていく。