iPhoneユーザーにおすすめのスマートスピーカー・IKEAとSonosのタッグが生んだ「SYMFONISK」

近年、オーディオの世界ではコラボが真っ盛り。アーティストがサウンドチューニングを手伝ったモデルや、アニメとのタイアップで生まれた限定モデルなどが市場を賑やかしています。しかし北欧家具メーカーとオーディオメーカーのコラボというのは、なかなかに珍しいのでは?

ハマると危険なIKEA沼

“本棚にも置ける”という意味でつけられたブックシェルフ型のSYMFONISK(14990円)

北欧テイストのシンプルモダンなデザインの家具がお手軽プライスで手に入るIKEAは、実のところ世界最大の家具量販店でもあります。「IKEA沼」という言葉があるように、いちどIKEAの家具たちにハマってしまうと、家の中に置くものすべてをIKEAで統一したくなる。ムラッと、そういう気持ちが沸き立ってくるんですよね。

いやー、わかる。僕も昔はそうだった。

と、おじいちゃんぶりたいわけじゃないんです。だってまたハマりそうなんだもん改めてIKEA沼に。ブックシェルフ型のスマートスピーカー「SYMFONISK」を買っちゃったから。

IKEAで売られるITスマートアイテム

アンボックスしてみると、中に入っていたのは本体、薄いマニュアル2冊、ケーブル2本。このシンプルさもIKEA流。

近年のIKEAは、ネットやスマホにつながるスマートホームなアイテムが増えました。気分に合わせて照明の色を変える、窓のブラインドを自動で開ける、スマホアプリや音声でもコントロールできるから、いちいちリモコンやスイッチのある場所まで動かなくていい。

スイッチを順番に入れていく。そのプロセスを楽しむのもいいんです。レコードをかけたり、コーヒーをドリップしたりするのといっしょだもの。でも世界最大の家具量販店であるIKEAは、新しい住環境も提供したいと考えているのでしょう。トラディショナルとイノベーティブがそこには共存してるんだ。

必要最低限のことしか触れていないマニュアル。近年のITガジェットはマニュアルを端的にまとめるものが増えましたが、アプリのダウンロード方法すら記していないのは凄まじい。

SonosとIKEAという強力タッグ

2月1日、新たにWi-Fi内蔵のスマートスピーカー「SYMFONISK」が販売開始となりました。海外では昨年にリリースされたモデルですが、コイツを待ってた。コイツの割り切った作りに興味があったんです。

グリルカバーに燦然と輝くSONOS&IKEAのダブルネーム。

本来は家具メーカーであるIKEA。デジタルや通信技術に明るいわけではありません。そこでタッグを組んだのがSonosです。

2002年に生まれたオーディオメーカー、Sonos。古い歴史を持つオーディオメーカーのなかでは明らかに新興です。しかし彼らは既存のスピーカーやアンプを作る気はまったくなく、未来を見据えたネットワークオーディオシステム、スマートオーディオシステムを提案し続けてきました。

サウンドの傾向もラウンジトーン。優しげで、甘くて、聴き疲れのしないもの。設定もカンタンでわかりやすく、コストパフォーマンスも高い。そりゃ、受け入れられますよ。着実に存在感を高め、Apple Storeでも取り扱われるようになり、既存のオーディオファンのみならず広いユーザーから支持されるようになります。

そんなSonosがIKEAのスピーカーを作るって、これはオーディオ好きにとって一大ニュースでした。時空の裂け目こんにちわ。世紀の分かれ目こんにちわ。オーディオを使いこなすためのプロセスって難しいし面倒だよねと思っているみなさまに、「いいスマートスピーカー入ったんですけど、奥さんお姉さんお子さんがた、いかがっすか」と大々的に展示するんですもん。IKEAの店内で。

マイクはないがAirPlay 2にも対応する最新仕様

本体に備わるコントローラはボリュームアップ/ダウンと、再生/一時停止のみ。細かい操作はすべてスマホアプリで行う。

「SYMFONISK」のエクステリアは、大きめのBluetoothスピーカーのよう。でもコイツはWi-Fiオンリーのスマートスピーカーです。Amazon Music、Apple Music、Spotify、YouTube Musicなど、海外で普及しているメジャーストリーミングサービスの多くに対応し、AirPlay 2もサポート。iPhoneやiPadに入れた音楽を再生したり、YouTubeの音声を鳴らすこともできます。

で、ですね。

みなさまのイメージするスマートスピーカーって、「ジャズをかけて」と話しかけると自動的にプレイリストを探してきて音楽を鳴らしてくれるマイク内蔵タイプだと思うんですよ。

でも「SYMFONISK」にマイクはありません。本体に備わるコントローラは必要最適元。すべての操作はスマホアプリから行うといって過言ではありません。むしろ面倒くさい? いやいや、慣れたらこっちのほうがラクなのよ!

割り切りっぷりがむしろ心地いい。真空管アンプもタンテも大好き派ですけど、スマートフォン全盛期にリリースされるスピーカーとしてこの作りは見事だと讃えたい。

低音ボリューミーだけどタイトな鳴りなSonosトーン

ブックシェルフタイプはツイーター・ウーファーの2WAYバスレフ構造。ボリュームを上げていくと、振動板が小気味よく動くのがわかる。

「SYMFONISK」のサウンドは低域にエネルギーを寄せてベースの存在感を高めつつも、ボーカル・メロディラインの中域も、メタルな楽器の高域もしっかりと鳴らしてくるタイプ。さすがにアコースティック楽器の倍音をフル再現できるほどの解像力はありませんが、それだけに各楽器・ボーカルのメイントーンの輪郭がクッキリしていて聴きやすいものです。

フルボリュームにするとダイナミックレンジが安定しないながら音割れが少なく、不要振動がテーブルや棚に伝わることも少なく、パワー規制をしたデジタルアンプを使っているんだなという印象。こういうところもSonosのいいところ。無理矢理なパワーをかけて音を劣化させるなら、その手前でカットしましょうよってことだもの。

もちろんボリュームが小さいってわけじゃないですよ? ウチの13畳の部屋で聴くぶんには十分な音量が出せますから。

ダブルネームが刺繍されたタグをひっぱってグリルを外すと、ツイーターとウーハーがこんにちわ。この状態でパワーをかけてみると、ウーハーが軽やかに動くなあ!

家具メーカーらしい配慮が気持ちいい

電源コネクタ部に凹みがあり、ケーブルを通すスペースも用意されている。壁掛けができるアタッチメントもオプションとして用意されている。

SonosのサウンドをIKEA流に使いこなすとしたら? そりゃもうインストールのカンタンさと見た目の美しさでしょ、とばかりに、IKEAはブックシェルフ型の「SYMFONISK」に壁掛けブラケット、キッチンラックブラケットを用意しています。

「SYMFONISK」の背面はケーブルを逃がすスペースが用意されており、隙間なくインストールできる作りなんですよ。これ。これが古くからのオーディオメーカーができないとこ!

 

音楽を聴くことを楽しみにしている人は世界各国にいます。でも近年、据え置きタイプのオーディオ機器は売れなくなってきている。なぜか? その答えの一端が「SYMFONISK」にある気がしてならないんですよね。

各部屋にSYMFONISKを置いて連携させることもできるし、2台のSYMFONISKでワイヤレスステレオ再生もできちゃう。これはハマると危険。家の中のすべてのオーディオシステムをSYMFONISK、しいてはSonosのシステムにまとめたくなっちゃう。最初に「またハマりそうなんだもん改めてIKEA沼に」と書きましたが間違えてた。「新たにSYMFONISK沼にハマりそう」と書くべきでした。

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