僕らが工場! 内部メカから組み立てれば「ドラえもん」がもっと愛おしくなる|今日のレコメンド

バンダイの「Figure-rise Mechanics(フィギュア-ライズ メカニクス)」は、マンガやアニメに登場するビークルなどを、内部構造から製作できるプラモデル・シリーズだ。これまで、「ドラゴンボール」に登場した『サイヤ人の宇宙船ポッド』や『フリーザーの小型ポッド』、『トランクスのタイムマシン』などを商品化してきたが、2017年11月にラインナップに加わったのは、なんと「ドラえもん」。あの“ドラちゃん”を中から組み立てられるなんて、なんだか僕ら自身がネコ型ロボットの製造工場になったみたい。

プラモデルに触れたことのない人たちにも作って欲しい

「もともとFigure-rise Mechanicsは、2016年10月に『ドラゴンボール』でスタートしたシリーズ。“劇中に登場するマシンを再現する”というコンセプトから生まれました。でもこの先、Figure-rise Mechanicsシリーズを展開していくにあたり、やはり“Mechanics”なのでロボットに挑戦したいという思いがあったんです」

こう語るのは、バンダイ ホビー事業部の中原真優さん。メカを作り上げること自体は、シリーズのコンセプトを継承。『Figure-rise Mechanics ドラえもん』は、これまでドラゴンボールで展開してきた「マシン」という枠を飛び出し、「ロボット」を中身から作り上げるという、Figure-rise Mechanicsの発展形という位置づけで誕生した商品だ。

「弊社ではこれまでもプラモデルを数多く展開していますが、ロボットやマシンに興味のない人はなかなか手を伸ばしづらいですよね。だからFigure-rise Mechanicsは、そういった方々がプラモデルに触れるきっかけになるシリーズにしたいと常々考えていました。でも、どんなキャラクターだったら興味を持ってもらえるだろう? そう考えたとき、年齢性別を問わずに愛されている『ドラえもん』が挙がったんです」

内部に踏み込めたヒミツは『決定版 ドラえもん大事典』

ネコ型ロボットが量産されているシーンを記憶している人は多いだろう。でも、ほんのわずかなシーンであっただけに、商品化するうえでは相当ハードルが高かったはずだ。

「いざ、ドラえもんを商品化しようと決まったとき、当然、ロボットだから構造を描いた資料があるだろうと考えて、ひたすら探しましたね。そこで出合ったのが、小学館の『決定版 ドラえもん大事典』。ほかにも、内部構造が描かれた雑誌や書籍はたくさんあるのですが、絶版になっているものも多く、どの資料を基に商品を作るべきか版権元と相談しました。結果、この『決定版 ドラえもん大事典』に掲載されているイラストをベースに進めていくことになったんです」


「今回のコンセプトは“組み立てながら内部構造を知る”というもの。ですから大事典に載っていた設定に則って、できる限り、ドラえもんに内蔵されている部品ごとにプラモデルのパーツも分けるようにしました。プラモデルって、全く作らない人にとっては面倒な印象がありますよね? それがプラモデルのハードルだと思うんです。そのハードルをなくして、組む時間が楽しいと思える商品にしたい。『Figure-rise Mechanics ドラえもん』なら、自分がドラえもんのどのパーツを組んでいるのか、名称をたどりながら作っていける。プラモデルを組み立てている……というよりは“ドラえもんを作っている”という気持ちになれる商品だと思うんです」

ガンプラで培った技術を利用しているので、塗装は不要。すべて、パーツのみで色を再現できるようになっている。しかもこの商品では、付属のシールがたったの1枚という、ドラえもんのルックスばりのシンプル工程というところも見逃せない。

「初めてプラモデルに触れる方も多いと考えて、シール再現を最小限に抑え、貼り位置による完成度のバラつきを極力なくしました。ドラえもんのヒゲも黒目もパーツ。テクニックは全く要らないんです」

中身より難しかった、ドラえもんの“ルックス”

内部構造の資料は確保。外観についても、バンダイでは過去にドラえもんのおもちゃを商品化したことがあるから、そのノウハウを使える。そのうえ、プラモデルといえば同社の主力製品のひとつだから、この先の展開はさぞかしスムーズ……かと思いきや、思いもよらない難関が待ち受けていたという。

「内部メカも含めて、設定資料がたくさんあるからすぐに商品化できそう……って思われてしまいそうなのですが、実はシンプルなルックスなので、テレビで観るドラえもんに似せるのは本当に大変だったんです。頭のカーブをはじめ、目の形状やサイズなど、前から見ても、横から見ても、みなさんがマンガやアニメで見ているドラえもんと同じフォルムにするのは、実は最大の難関でした。もちろん、弊社でも過去にドラえもん関連の商品を作ったことはあるのですが、ホビー部としてはあまり手掛けたことはなかったんです。だから、イチから作り上げるのに等しい状況でしたね」

とはいえ、内部構造だって簡単にできたわけではなかったようだ。

「表面から見た情報しかないので、実際に立体化したら二次元と三次元の矛盾が生じてしまう個所が出てきました。そういう部分については、プラモデルのパーツにする際、誤差を修正して立体化する工夫が必要になりました」

ドラえもんがいるなら、ドラミちゃんも欲しい!

ドラえもんの商品化が決定した時点で、中原さんの頭の中には「ドラミちゃん」や「タイムマシン」のラインナップも描かれていたという。

「Figure-rise Mechanicsがもともと“マシンを作る商品”というコンセプトでしたから、ドラえもんを企画した時点で『タイムマシンを作りたい』とは考えていました。だから当然、主人公ののび太くんもいて、それならドラミちゃんも……という感じでラインナップが広がったんです」


「そしてドラえもんとドラミちゃんには、クリア外装と通常外装の2種類を付けました。ご存知のとおり、プラモデルが好きな方は塗装にもこだわります。でも、いろんなカラーや塗装技術がある中で、再現が難しいのがシースルー。今回は、最初からクリア外装を用意して、組み立てた後でも中身を見られるようにしたんです。基本的にはどちらか一方の外装を選んでいただくことになりますが、後から外装を変更することもできます」

通常のドラえもんもいいけれど、せっかく内部メカを組み立てるのだから、中身を見られるようにしたいという仕様も、作り手の琴線に触れるポイントだ。

「また、これは余談なんですが、ドラえもんはネズミに耳をかじられちゃいましたよね? でも、頭部に“高感度音波測定イヤー”というパーツが内蔵されているので、普通の音は聞こえるんですよ。そして、ドラミちゃんは、ドラえもんよりも聴力が高いんです。リボン型の耳が存在しているからなんですね」

リボン型の耳の内部には、確かにスピーカーのようなパーツが収められているのが確認できる。内部から作っていくことで、マンガやアニメの設定をより詳しく理解できるようになるというわけだ。



「ドラえもん自体もそうですし、その秘密道具も見た目がすごくシンプルな分、中身がこんなふうに詰まっているなんて、普通は考えないと思うんです。だから、実際に内部構造を知ると、そのギャップに驚かれる方は多いですね。『Figure-rise Mechanics ドラえもん』をきっかけに、私自身もドラえもんの設定をひとつひとつ、明らかにできたのは楽しかったですね」

誰もが夢中になったドラえもん。この冬休み、子供といっしょに、または子供の頃にタイムスリップして、ドラえもんのヒミツを改めて解き明かしてみる……なんていう過ごし方もいいかも。

バンダイ
Figure-rise Mechanics ドラえもん
価格:2700円

Figure-rise Mechanics ドラミ
価格:2700円

Figure-rise Mechanics ドラえもんのひみつ道具 タイムマシン
価格:4104円

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