MWC開催中止でスペイン親子旅に急変更!?<前編> バルセロナで乗りまくったシェアライドは超絶いい思い出?

スペイン・バルセロナに最初に来たのは2006年、それ以来、年に1〜2回(2月のMWCと秋のエンタープライズ系イベント)、合計で25回ぐらい来ていることになります。といっても全て仕事。そのため、今回「MWC 2020 Barcelona」が中止になったと聞いて、真っ先に頭に浮かんだのは”子供を連れてこよう”でした。初めて(まともに)観光気分で過ごすバルセロナ、それも子供も一緒……。いったいどんな楽しみ方ができるのでしょうか?

2人の子供といきなりバルセロナへ飛ぶことに

MWC中止のニュースを聞いたのは出張先の米国。早速子供に連絡を取り、帰国してすぐ緊急家族会議を開くことに。子供は高校生と小学生、共に女の子です。高校生の子供の学年末試験に引っかからないことを確認すると、すぐに航空券探し。まだまだ駆け出しだった時から使っているスコットランド発ベンチャーのSkyscanner(Trip.com傘下)で探しました。

候補は色々出てきましたが、値段と利便性を考慮してエミレーツ航空にしました。ドバイ経由でのヨーロッパは遠回りですが、子供はそんなことよりも”映画がたくさんある””機材がA380””子供だけの旅行のサポートが充実している”(上の娘は、以前エミレーツを利用して一人旅を経験しています)と大喜び。私は予定通りのチケットで先にバルセロナに入り、ちょこっと仕事。3日後に子供たちを迎えに行きました。

スリが多いとか物騒な街とも言われるバルセロナ(私個人も、バックパッカー時代にマドリードで襲われてからは、2006年までスペインにいく機会はひたすら断ってきました)、キャンセルもできたかもしれません。それでも、気候(よく晴れるし、この時期は日本より暖かい)がよく、アクティブになれます。また、カフェに数時間座っているだけで、この国の人たちののーんびりした雰囲気を味わうことができます(東京にいると大人は忙しいんだって思ってしまいますが、ここの大人たちはどうして暇そうなのかなんて社会勉強にもなります)。

アパートは一人を想定して借りていたので、ちょっと狭い(表記では30平方メートル)。それでも定員は一応3人。シングルとダブルベッドになるソファベッドがあり、起きている時はソファにしてスペースを確保しました。狭さを我慢できた最大の理由は広いテラスです。滞在中はここが食事の場、高校生の勉強の場になりました。

テラスの様子。解放感があって部屋みたいにリラックスできる。

キッチンは必要なものは全て完備。バルセロナはコーヒー1杯からして安いのですが、それでも毎食外食だと高くつきます。それに、スーパーに売られている食材を試してみることもできるのでいい経験になります。そして洗濯機! これがあれば、最小限の洋服で何日でも過ごせます。

この苺、赤々として美味しそうですが、子供には不評。品種改良された甘い日本の苺には勝てませんが、私は不揃いなところも含めこれはこれでアリだと思っています(ちなみに、スペインは苺の産地として有名で、ヨーロッパ中でよく見かけます)。
スーパーには名物の生ハムがこんなふうに売られています。ラ・ボケリアなど有名なマーケットもありますが、スーパーも楽しいです。
肉に負けずと魚売り場が大きいのもバルセロナならではかも。せっかくなので、ムール貝を500グラム買ってみました。

そしてWIFI。3人がそれぞれタブレット、PC、スマホを使っても大丈夫です。なお、外出時は日本で借りてきたポケットWIFIが役立ちました。市が提供しているWIFIが至るところで利用でき、これもなかなか使えます。TVもあり、サッカー大好きな娘はずーっと「バルサTV」を見ていました。なんと、バルサにはバスケ、ホッケー、ラグビーとたくさんのチームがあり、コンテンツは無限にあるようです。

お金の話を少し。ここ数年、スペインではVISAなどのクレジットカード会社が提供するタッチ式(非接触決済)が普及しており、Apple Payがあちこちで使えます。サグラダファミリアのお土産ショップで1ユーロの買い物をするときもApple PayでOK。現金を求められたのは、タバコ屋(Tabacs)で切手を買う時と、街のキオスクで葉書を買った時だけでした。スリ対策として、Apple PayやGoogle Payを使うと決めて、現金は小銭を少し持ち歩くのがいいかもしれません。でもスマホに集中しすぎると、やはりスリをおびき寄せてしまうので注意しましょう。

自転車とキックボードでシェアライド三昧

本題に入ります。バルセロナで子供と何をするかーー。定番の観光スポットはたくさんありますが、我々はサグラダファミリア、グエル公園に行き、グラシア通りにあるカーサバティリョを外から見たぐらいです。子供たちが一番喜んだのは、ラ・バルセロネータという海岸エリアです。

長さ4キロ近くあるというビーチで、平日も夕方ともなると人がやってきて、走ったり、歩いたり、運動したり。土日はジョギング、自転車、ビーチバレー、ビーチテニス、ビーチボクシング、サーフィン、スケボーとスポーツをする人で混み合います。水泳、パデルというテニスのようなスポーツの運動施設もあります。

日常で海から遠いところに住んでいるので、子供たちは地中海を見るだけでも喜びます。せっかく海岸がまっすぐと広がっているので、自転車と電動キックボードを借りてみることにしました。

バルセロナを歩いていると、自転車シェアリングをよく見かけますが、専用のステーションを持っているBicingは居住者でないと使えないと地元の友人に聞き。旅行者でも借りれるサービスを調べたところ、Donkey Republicというのを見つけました。

こちらはバルセロナ市内のあちこちにあるBicing。居住者じゃないと使えないようです。

利用は簡単。アプリをダウンロードしてメールアドレスでサインアップし、クレジットカードを登録します。Donkeyは専用の駐輪施設を持っていないので、アプリにある地図で最寄りの自転車を探します。自転車には名前が付けられているので、その自転車を探します。自転車の開錠はBluetoothを使っており、アプリで開錠ボタンを押すとカチっという音がしてチェーンが外れます。

Donkey Republicの自転車。
Bluetoothで自転車のロックを解除。
Donkey Republicのアプリ。最寄りにある自転車を知らせてくれる。

これで自転車に乗れます。好きなだけ乗ったら、終了ボタンを押します。するとDonkeyが近くの駐輪エリアを指示するので、そこまで自転車を持っていきます。自転車を止めてチェーンを巻きつけたら、再びBluetoothを使って施錠します。Donkey Republicは2015年創業のデンマークの会社で、この施錠・開錠技術が同社の強みのようです。料金は時間制で最初の15分は1.7ユーロ。30分は2.2ユーロ。日単位でも借りるようです。

乗り心地は、というと普通。欧州の自転車シェアリングに多いのですが、車体が重たく、駐輪エリアを探して押して歩くのもちょっと面倒。それでも異国で自転車に乗るというのは楽しい体験だったようです。

次の日は、日本では道路交通法により公道で体験できない電動キックボードに挑戦しました。Rebyという地元の会社のサービスです。そういえば、電動キックボードはマドリードでも大流行、Limeをよく見かけましたがバルセロナではLimeはあまり見かけず。同じスペインでも地域により好みが違うのか、マドリードとバルセロナの敵対がここにも現れているのか。。。

Rebyも、Donkeyと同じようにアプリを入手してサインアップし、クレジットカード情報を入力します。屋外に駐輪されているDonkeyと違ってきちんと管理されており、基本的に専用の置き場(無人)に行って借ります。この置き場探しが厄介で、住宅地に紛れているのでちょっと見つけにくかったのですが、アプリの地図を信じて無事たどり着くことができました。そこで、自分が借りたいキックボードを選んで、アプリを使ってロック解除。料金は1ユーロから。そのあとは1分0.15ユーロで加算されます。Donkeyと違って先にクレジットを購入する必要があります(クレジットは10ユーロから)。デフォルトでは料金が少なくなるとオートチャージされてしまうので気を付けましょう。

Rebyは地元企業の電動キックボードシェアリングサービス。
Rebyのアプリ画面。リアルタイムで現在地がわかるので、子供がどこにいるのかがわかりました。

自由に動けるシェアライドは親子旅の強い武器

電動キックボードは安全が問題になることが多いためか、Rebyもサインアップ時に色々と誓約にチェックする必要があります。その1つに、「ヘルメットを装着する」とあったのですが、私たちはヘルメットをつけず、しかも二人乗りをしてしまいました(1人の契約者で2台借りれなかったため)。街中の道路は狭いし、石畳だと危ないですが、バルセロネータの海岸はきちんと整備されているので、電動キックボードはまずここでヘルメットを着用して練習することをお勧めします。

返却は最寄りの保管所にいかなければなりませんが、どうしても、の場合は追加で2ユーロ払えば、町中にある指定エリアに置くことができるようです。そうそう、返却時、状態が保たれていることを示すために、写真をとって送信する必要がありました。

お子さんの年齢や好みにあるでしょうが、観光はどうしても受動的になりがち。バルセロナは晴れることが多く、能動的に体験できる自転車シェアリングなどはお勧めです。

  • Text by 末岡洋子