変わらぬ理由を編集長が直撃! ルーロにとって○でも"D"でもなく、やっぱり△であることが大切な理由。

世代が変わっても、ルーロは独特の三角形状をキープしている。丸型やD型、四角形よりどこが有利なのか? 三角形を採用し続ける理由と最新モデルに込めた思いを、機構設計と制御・センサー関連を担当したふたりの開発者に聞いた。


やはりベストなカタチは三角形状

滝田:ルーロが登場して5年目になります。最新モデルでもこの独特な形状を踏襲しているのはなぜでしょうか?

古賀:まず2015年の初代ルーロを開発する際に、日本の家庭環境にマッチしたロボット掃除機であることを重視しました。日本では泥や小石などの大きなゴミより、洋服の繊維や埃などが部屋の隅に溜まりやすくなります。実は当時の開発者は、以前にキャニスター掃除機のヘッドにルーロの三角形を応用する案を考えていました。ロボット掃除機の開発時にそれを思い出し、隅まで掃除するのに適していると提案したところ、採用されたのです。

土屋:それに一般的な丸型では、どうしてもゴミの吸引口が部屋の隅から遠くなり、隅で強い集塵力を発揮できません。また鋭角な三角形では壁や家具を傷つけやすくなる。その点でも丸みを帯びたルーロの三角形は、ロボット掃除機に適した形状だと言えます。

古賀:メインブラシが本体の前端に近いこともメリットになります。壁際の近くまでブラシが届き、隅のゴミを吸い取りやすくなるのです。

滝田:とはいえ当時のロボット掃除機は、丸型や四角型が一般的でした。三角形状を採用するに当たって不安はなかったのですか?

古賀:パナソニックはロボット掃除機の分野では後発だったので、他社と明確な差別化をしたいとも考えていました。その点でも隅まで掃除しやすいというメリットを打ち出せるこの形状は有利だと判断したのです。

土屋:ただ、方向転換や家具への当たりにくさといった制御や、パーツの配置については丸型が有利です。その辺を制御プログラムや基盤配置の調整を重ねることで何とかカバーしました。

古賀:D型を採用するモデルもありますが、回転時に後部が家具にぶつかりにくい形状を追求すると、やはりこの三角形状がベストだと考えています。

  • ルーロの三角形とは?運動学の父と呼ばれる19世紀のドイツの機械工学者、フランツ・ルーロが開発した定幅図形。回転時の径が変わらず、正方形に内接して回転できる。
掃除機として頼れることが何より大切

滝田:最新モデルはレーザーSLAMを搭載したことで、少し形状が変化しました。それに伴って他のパーツなども変更を加えたのでしょうか?

古賀:基本的な構造は同じですが、細部に改良を加えています。例えば、サイドブラシは従来より若干外側の位置に配置して、より隅のゴミまで届きやすくしています。実は床にしっかり密着する角度にもこだわっています。微細な埃までかき込むには、サイドブラシの角度や長さの調整が重要です。

滝田:日本人は家庭では靴を脱ぐので、床の細かな埃には敏感ですよね。

古賀:その点は日本で掃除機を作り続けてきたメーカーならではのこだわりがあります。日本の家庭では細い埃や繊維ゴミが溜まりやすいので、中央のブラシも細い毛束をV字状に配置した方がしっかり吸引できますね。フローリングを裸足で歩いてもらうとその差が実感できると思います。

「日本の家庭に適している機能は
次世代になっても変えるべきではない」

滝田:従来から採用しているクリーンセンサーも日本の家庭に向いた機能なのでしょうか?

土屋:約20μmのハウスダストまで検知するので、絨毯の奥にある目に見えないゴミまで見つけ出します。大きなゴミをパワフルに吸引できることをメリットとする他社製品もありますが、やはり日本の家庭では微細なゴミをいかに取り逃がさないかが重要になってくると思います。

古賀:日本人は基本的にきれい好きなので、細かな埃を気にする人も多いと思います。ダストボックスを掃除しやすくしているのも、そういった傾向を考慮しているからです。すべてをきれいな状態に保ちたいという、掃除の本質を捉えた機能は、長年掃除機を作ってきたメーカーとしては守りたい。その上で、さらなる使いやすさを追求していきたいですね。

  • パナソニック アプライアンス社
    ランドリー・クリーナー事業部
    クリーナー事業 クリーナー技術部
    クリーナー開発課 主幹技師
    古賀理基さん
  • パナソニック アプライアンス社
    ランドリー・クリーナー事業部
    クリーナー事業 クリーナー技術部
    クリーナー制御技術課 主任技師
    土屋武士さん

 

微細な埃も掻き込む2種のブラシ

サイドと中央のブラシは、日本の家庭を研究して開発したもの。床にぴったり密着するサイドブラシが微細な埃までかき集めて、中央のV字型ブラシでしっかり吸引する。

 

見えないゴミも探し出すクリーンセンサー

従来から採用するクリーンセンサーは、目に見えない約20μmのハウスダストまで検知。ゴミの量に応じてパワーと動作を制御し、微細な埃までしっかり掃除する。

 

きれいな状態を保てる優れたメンテナンス性

ダストボックスは簡単に取り出せて、ゴミ捨てもスムーズ。内部を掃除するブラシが付属し、ボックスとフィルターは水洗いも可能だ。中央のブラシも簡単に外せて、水洗いできる。

  • text高橋 智
  • photo田口陽介

profile:電子雑誌「デジモノステーション」/web「ds」の編集長 滝田勝紀

「楽天ROOM」家電公式インフルエンサーとしてフォロワー数67万人(2020年3月現在)。IoTなどの最新分野やデザインに精通する家電スペシャリスト。