リビングや玄関にちょっと置いておきたくなる「アンティーク調クリスマスツリー」の作り方(前編) | 半日DIY

12月に入り、そろそろクリスマスツリーを飾っている家も多いはず。もちろん、今持っているクリスマスツリーも十分に満足だけれど、今年はもうひとつ、小さなツリーをリビングや玄関、寝室に飾ってみる……なんて、どうだろう? 近所のお店で簡単に手に入るような雑貨にひと手間加えるだけで、来年も、再来年も、せっかくなら毎日だって飾っておきたくなるツリーが完成する。たった半日でできちゃう、手軽で本格的なDIY。まずは、木箱のアンティーク塗装から。

材料は100均やホームセンターの雑貨!?

「こんなチープな雑貨が、本当にアンティーク調になるの!?」

「半日DIY」をスタートするにあたって協力を仰いだのは、“住”にまつわるあらゆる価値をリデザインするプロジェクト「HowScope(ハウスコープ)」が開催している親子参加型のワークショップ「親バカDIY」。講師を務めるのは、エイジングアーティスト協会のアートディレクター・高橋 健さん。有名テーマパークをはじめ、店舗や住宅の内装にもエイジングの技術を取り入れている“エイジングの達人”だ。

作業台に並ぶのは、今回のテーマ「アンティーク調クリスマスツリー」で使用する各種材料。なかでもひと際目を引くのが、チープな木箱と造花の入ったブリキのプランター。多少なりともインテリアに興味のある人なら、これらを目にした瞬間、冒頭のように考えてしまうはず。

材料

木製ボックス、ブリキのプランター、ゴールドクレスト、各種オーナメント

工具・道具

刷毛、筆、サンドペーパー(粗目から細目まで各種)、ターナー『アンティークメディウム』、ターナー『ミルクペイント』、ターナー『クラッキングメディウム』、ヌーロ『水性工作用塗料』(ライトカーキー、赤、黄、黒)、塗料カップ、スポンジ、使い古した布

STEP 1:サンドペーパーや刷毛の柄を使って木箱にダメージを

作業はまず、木箱のアンティーク加工からスタート。100均やホームセンターなどで手に入る木箱の中には、写真のように文字やロゴがプリントされているものもあるが、「こうしたプリントはサンドペーパーで削ってしまえばいい」と高橋さん。

「完全に削ってしまってもいいですが、文字がうっすらと見えるくらいに残しておいても『いつの時代に、どんな板材を使って作られた木箱なのか』を想像させる、まさにアンティーク雑貨の雰囲気を出せるんですよ」

わずかにプリントを残す程度にサンドペーパーをかけたら、次は木箱全体にダメージを加える作業。

「長年使用している木箱はいろんな人の手に触れて角が丸くなっているし、さらに、落としたのか、または何かをぶつけたのか、ところどころにキズもついていますよね」

使い込んだような雰囲気を持たせるため、木箱の角や縁にサンドペーパーをかけて丸みを持たせるとともに、目の粗いサンドペーパーや刷毛の柄、ドライバーなどの鋭利な道具を使って、木箱の各所にキズをつけていく。この後に塗料を塗っていくので、深いキズが入ったり、少しくらい表面がえぐれたりしていても問題なし。むしろ「ところどころに大きなキズがあったほうが“味”になる」のだとか。

さらに「どんな使われ方をしてきたのか、ストーリーを想像しながらダメージを与えていくといい」と高橋さんはアドバイス。たしかに「うっかり落としたらここにキズがはいるだろう」とか「大きな荷物を運んでいたら、うっかりぶつけた」なんていう“日常と木箱のシーン”を思い描きながら作業を進めていくと、いろんなダメージを加えられる。

角や縁にほどよい丸みを持たせ、表面や縁にいくつものダメージを施したら、この作業は終了。

STEP 2:まずは、下地となる色を塗装

次の工程は下地となる色の塗装で、使用するのは塗るだけでアンティークの風合いにしてくれる、ターナーの『アンティークメディウム』。水性塗料なので油性のようなイヤな臭いがしないし、手に付着しても水洗いで簡単に落ちる。しかも、乾燥した後は耐水性になるのも特徴だ。

アンティークメディウムを水で希釈したら刷毛を使って木箱をペイントし、すぐさま布で拭き取っていく。これによって、重ね塗りした塗料が風化してはがれ落ちてしまっても下地の色が見えるという、まさに長年使ってきたかのような雰囲気が出せるようになるというわけだ。

下地の塗装は大雑把でも大丈夫だが、注意したいのは本来の木の色が見えないようにすること。特にキズをつけた部分は、筆などを柄って丁寧に着色を。そうすることでキズに塗料が染み込んで色が濃くなり、ダメージがより強調される仕上がりになる。

STEP 3:クラッキング加工で、経年劣化した雰囲気に

次は木箱のカラーリング。1色で仕上げるのもいいし、面ごとに色を塗り分けるのも面白い。テープを使えば、ラインを入れることも可能だ。また、面で色を塗り分ける場合も、違う色がはみ出さないようにテープを使用するといい。

そして、ここでも「箱のストーリーを考えること」が重要なのだとか。ちなみに編集部では「1950年代。イギリスに住むおじいさんが、孫にせがまれて、納屋に転がっていた端材を使って組み上げた木箱」をイメージ。「ただ、あいにく白い板は枚数が足りなかったので、たまたま横に落ちていた赤い板を組み合わせたら、なんだかクリスマスっぽい色に仕上がった」なんていう、架空の物語を考えながら、色をセレクトした。

また、下地の上に直接ペイントしていくだけでも十分だが、塗装をクラック(ひび割れ)させれば、長年使ったことで劣化したような表情を演出できる。ここで使用するのは『クラッキングメディウム』。下地が乾燥したら、ひび割れさせたい個所にクラッキングメディウムを塗布する。

厚めに塗ると大きなひび割れが、薄く塗ると細かいひび割れができるので、場所によって塗り方を変えてみるといい。塗ってから10〜15分ほど待つと、表面が乾き始めてペタっとしてくるので、このタイミングでクラッキングメディウムの上に水性塗料の『ミルクペイント』を塗る。しばらく経つと、塗装の表面がみるみるひび割れてくる。それはまさに、風化した板のペンキがはがれているようだ。その後は、ほかの面も順番にクラック加工と塗装を繰り返していく。

STEP 4:仕上げは再び、アンティークメディウムとサンドペーパーで

すべての面を塗装し終えて十分に乾燥させたら、再びアンティークメディウムを使用。こちらも水で薄めて、筆などで色を着けていく。塗ったらすぐ、塗料を伸ばすように拭き取っていくと、一転、鮮やかな白や赤がくすんだようになる。

さらに、クラック部分にサンドペーパーをかければ、ほどよく塗装が剥がれ落ちて、下地のブラウンが顔を覗かせるように。汚したり、削ったりを繰り返すことで、アンティーク・テイストの木箱が完成!

ここまでの作業時間は約2時間。使用した塗料はいずれも水性で安全なので、週末のちょっとした時間に子供といっしょに作るのもいい。また、このアンティーク塗装は、ウッドであれば、いろんなプロダクトにも応用できるテクニック。「もう、古くなって使わないかも」なんて考えている雑貨や家具も、アンティーク塗装を施せば、また愛着をもって使えるようになるはずだ。

ちょっと休憩をはさんで、次はブリキのプランターのサビ加工にトライ!(後編へ)

高橋 健/エイジングアーティスト協会代表理事。エイジングをこよなく愛し、ライフスタイルに着目した作品を数多く手掛ける。有名テーマパークをはじめ、店舗や住宅の内装にもエイジングの技術を取り入れ、さまざまな空間を演出してきた。エイジングを通じた若手アーティストの発掘・育成、さらに「ライフスタイル×エイジング」を広めるべく、エイジングアーティスト協会を設立。