フォト&ビデオグラファー下城英悟の偏愛的逸品 -bicycle-

デジモノステーションに関わる識者やスタッフ陣はモノへのこだわりは人一倍強い。なぜ彼らは数多あるものからそれらの逸品を選んで使っているのだろうか? そこには目利きとして、どうしても譲れない想いや選ぶに至ったストーリーがそれぞれある。表面的な価格などに左右されず、選ぶべき人に選ばれた逸品。真に「安くていいもの」とは、彼らのように永きに渡り、これしかないと愛し、使い続けられるからこそ生み出されるのだ。ここに登場する逸品たちのように、ぜひ読者諸兄にも自分だけの偏愛的逸品を見つけてほしい。

Genrebicycle

  • Selected by
  • Name :

    下城英悟

    Occupation :

    photo&videographer

    広告から報道までジャンルレスに活動する広義のカメラマン。殺し以外なんでもするとは本人談。趣味が高じた自転車に没頭し片道100km程度の通勤なら迷わず自転車で向かう。専門誌への寄稿も多数。

ともに旅して深め合った
ボクと愛馬の鉄の愛

普段からほとんどの移動を“人力”で貫く、カメラマン下城と申します。なので乗り物となると当然自転車になります。自転車は趣味でもありオン/オフロード問わず10台近くを用途に合わせ乗り込んでいます。自分で組んで徹底的に乗り込み、人馬一体のケンタウルスになるのが自転車趣味の至上の喜びと感じ、なかば取り憑かれています。これはその一台。ボストンの老舗カスタムビルダー、Independent Fabrication社のハンドメイドクロモリ“旅”バイクです。キャリア用ダボ穴を備えた堅牢なストレートフォークが特徴的で、クラシックなツアラーながらアメリカの新しい風を感じる野心作です。

昨年、11日間で2500kmを走る超長距離レース“ザ・ジャパニーズオデッセイ” に個人参戦するために組み上げ、実戦投入しました。写真はその際撮ったもの。クロモリ製なので軽さは望めませんが、積載性が高く、高速でも驚くほど安定性があり、かつしなやかで超長時間長距離ライドでも嫌な疲れが残りづらい。極限だったライドの中でたびたび性能に感嘆し、以来、僕の旅の“バディ”の定位置につくことに。

普段から金属パーツへのフェチズムを大事にしたい自称変態ということもあり、アッセンブルパーツも鉄だ銅だ真鍮だと、お気に入りの金属製でまとめています。一方、高性能ハブダイナモとライト、フレームバックに仕込んだ大容量モバイルバッテリで回生充電のシステムを組み、テクノロジーとエコロジー、そして大事な“じこまん”のバランスにも心を砕いています。

旅仕様にこだわったバッグ類には、フェアウェザーの防水フレームバック、オルトリーブの防水フロントパニア。走行中でも容易な荷物へのアクセスを考慮したスィフトインダストリーズ製ハンドルバッグPALOMAもお気にポイント。おしゃれ感重視で大型サドルバックは使わず、フロント荷重のクラシックルックを目指しました。実戦ではウルトラライトなキャンプ用品を搭載しても総重量28kg超。3本のボトルに水を入れると30kgの重戦車となり、急峻な日本の峠で何度も悶絶死を経験しましたが、根っからのM男として愛馬への愛おしさが深まるばかりでした。一生付き合いたい鉄の彼女、アイアンメイデンです。

※愛車のアセンブルにあたって多大なご尽力をいただいたBlueLugさん、CruiseBicycleさんにここに感謝の意を記します。

  • No.28
  • Product Name :hand built sportif tourer(700c)Brand: Independent Fabrication
    Price: 約80万円
  • photo下城英悟(GREEN HOUSE)
  • design一ノ瀬基行(LO&MARM)