「会社人」ではなく「社会人」に。社会的な課題の解決を目指すレノボ・ジャパンの働き方【ダブルワーク活用術】

【2018年は副業で稼ぐ 月収5万円UP!ダブルワーク活用術】

盛り上がりを見せる「働き方改革」や「副業」というキーワード。ビジネスパーソンのライフスタイルが変化を遂げつつある中、この波に乗り遅れるわけにはいかない。そんな人に、副業で稼ぐだけでなく、スキルアップの手段も身につく方法をご紹介!

先端IT企業が考える副業への取り組み【CASE 1 Lenovo】
“会社人”から“社会人”へ

オープンイノベーション実現への合言葉

これからのビジネスパーソンはどういう働き方を求められるのか。グローバル企業として躍進を続けるレノボ・ジャパン代表取締役社長の留目氏に、話を伺った。キーワードは「“会社人”から“社会人”へ」、その意味とは?

【PROFILE】
留目 真伸氏:レノボ・ジャパン株式会社 代表取締役社長
1971年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、総合商社のトーメンに入社。デル、ファーストリテイリングを経て2006年にレノボ・ジャパンに入社。
【DATA】
会社の従業員数:約600人 会社の主な事業:PC・スマホ、及び周辺機器の製造、サーバー
副業解禁の時期:2016年 ☆積極的な推奨は2017年11月より

課題を解決することがレノボ最大の目的

グローバル企業であるレノボ・ジャパンはこの冬、もともとOKではあったが、副業をあえて推奨するよう進言を行った。

「政府は働き方改革として、生産性の低さ・ワークライフバランスの改善を掲げています。ですが実際にはそこに加えて、共創やオープンイノベーションという課題があり、かつテクノロジーがマッチしてきたことによって今まさに働き方が変わり始めてきています。そのことをもう一度、気づかなくてはいけないタイミングに来ていると思うんです」

こう話すのはレノボ・ジャパン代表取締役社長の留目真伸氏だ。2015年には自宅でもどこでも職場を選ばない「テレワーク」を始め、現在は無制限にこれを利用可能にし、新たなワークスタイルを模索している。

「今後は、フリーランスでプロジェクトごとに契約しながら生きていくような生き方が増えていくと思います。だから、そういうふうに働きたい方はやっていけばいいと思いますし、一方で社員としてやっていきたい方はそれでいい。そんな理念を改めて社内に広めるべく、『オープンイノベーションナイト』というのを社内でスタートさせました。社内の中央に広いスペースがあるんですけど、社員に缶ビールが出るようなカジュアルスタイルでそこに集まってもらって。外部から元・日本興業銀行で現在はヤフーにいらっしゃる伊藤羊一さんをお呼びしました。サラリーマンでありながらグロービスの講師をやりつつ、自分の会社も経営されている。そんな伊藤さんの考え方や、どうやってキャリアを作られてきたかをお話ししてもらったりしました。とても盛り上がって、そういうマインドが確実に広まっていっていますね」

2018年はどんな年になる?
「働き方改革と言われて久しいわけですが、我々の社内でもそうですし、これまで『働かせ方改革』だったのが本当の『働き方改革』になっていく。リアルな中身が広がっていく時代になると思います」

社員としてではなくても、レノボの製品が結果的に広がればいい

しかし副業が広まれば、人材流出のデメリットはないのだろうか。

「究極的には、われわれの製品やサービスを顧客の方の課題解決に使ってもらうしかないと考えています。いかに多くの課題解決にリーチができるかということだと思っていますので、ある意味それが社員でなくてもいいと思ってるんですね。外部で協力してくれるようになった元従業員でも、社員だったときより多くの案件を作り出してきてくれていますし、そうなってくるといいなと思います」

社会の課題を解決できるスキルが求められる時代

副業がもたらすものは、個人の収入増などという単純な話ではないと、留目氏は言う。

「いわゆる『働かせ方改革』からの『働き方改革』であると同時に、『会社人』から『社会人』になるということがキーワードになります。これまでの会社人は、社会人じゃないと思うんです。社会で通用しない人は、社会人じゃないわけですから。会社の中だけでは通用するけれども、社会に出たら一切何もできませんという人は、『社会人』とは言えない。みんな社会人になりましょうよ、というのが副業のテーマだと思うんですね」

なるほど。たしかにそう言われると、無目的に会社にいるだけでは社会人としてのスキルは成長しない。

「社会人って何をするかというと、社会と価値交換をして生きていくわけです。それは社会の課題を理解して、社会の課題を解決するからこそ、対価がもらえて生きていける。これって当たり前のことなのに、『会社人』というのは社会を忘れてるわけです。誰のために仕事をしてるかと言うと、社会のためではなく“上司のため”とか”誰かに何かを言われたから”、という……これって社会人じゃないんですよね。だから働き方改革って、『会社人』から『社会人』になるということだと思います。今後は確実に社会人がいる会社が伸びていく会社だと思いますね」

これは一個人だけの話ではない。企業そのものが、何のために経営しているのかを理解することが大事だという。この考えを理解しないと、闇雲に副業をしても意味がないだろうと留目氏はさらに言う。

社内では開放的な打ち合わせスペースや、フリーアドレス用のデスクが。自身のデスクにいながら、ヘッドセットで電話会議をしたり個々の働き方が尊重されていると感じた。

「AIやロボットが仕事を代替しても人間が生きる限り“課題”は尽きません」

「自分で課題を見つけてそれを解決できる能力を身につければ、リストラに怯える心配なんてなくなる。いかにテクノロジーが発達しようと、AI(人工知能)が活用されていこうと、世の中の課題は必ず一定量の人間が思いつくだけはあると思いますし、われわれはそれを解決していくということだと思うんです」

副業を通して、自らの課題を見つけ、社会の課題を解決していく。これからの「社会人」に求められのは、そういったスキルになっていくのだろう。

レノボが求める人材・働き方のポイントとは!?

1.オープンイノベーション
「モノ」から「コト」に顧客体験を求められるようになり、一社で完結せず、いろいろなパートナーシップを組むことで新規事業をする必要がある。コラボというレベルではなく、すべてがクロスするような人材が必要だ。

2.テレワークの全面活用
ライフワークバランスを考える上で、いつまでも残業体質でいることは、かえって生産性を下げる。在宅でも業務が可能なテレワークなどをどんどん活用し、人生における仕事の在り方も考えなければならない。

3.プロジェクト単位で考える
もともと東インド会社が、航海をするために株式を発行したのが「会社」の起こり。プロジェクトがあるから事業が起こるわけで、課題を解決していくためのプロセス。これからの仕事は全てプロジェクト単位で考えていく。

4.仕事の「課題」を考える
どれだけテクノロジーが発達しようとも、社会的な課題というのは一定量、存在する。これを見つけ解決していくことが仕事であり、今後のビジネスマンにとって求められていく重要かつ必須スキルになる。

5.会社人から社会人へ
自ら課題を見つけ、社会貢献できるようになれば副業であろうと本業であろうと変わりはない。ただ会社に居座るだけの時代は終わりを告げ、能動的に働くことこそ、「社会人」としての生き方といえる。

『デジモノステーション』2018年2月号より抜粋。

  • photo下城英悟(GREEN HOUSE)