365日走り続ける南井正弘が装着して試す
ランナーズ ギアマスター

地球に優しい素材を結集した軽量な裸足感覚シューズ!

今月テストしたギア
ALTRA
TORIN4.5 PLUSH
実勢価格:1万8700円
サイズ25.0~32.0cm(男性用)


こ数年、優れた反発性能や推進力を謳うランニングシューズが増えている。一般には厚底シューズとして知られ、今年の箱根駅伝でも80%を超える選手が同タイプのシューズを履いていたのも記憶に新しいところ。かくいう筆者も、2018年のゴールドコーストマラソンを厚底シューズで走り、3時間52分00秒でゴール。7年半ぶりにフルマラソンの自己記録を更新した。というわけで、厚底の推進力重視のタイプは、ランニングシューズのスタンダードとなったといっても過言ではない。

しかしながら、そういった靴ばかりを履いていると、人間本来の脚の機能を失ってしまうような気がして、1カ月に2回ほどは、ほとんど裸足の感覚で走ることができるルナサンダルのモノという極薄ソールのランニングサンダルで走り、脚の状態をリセットすると、翌日からの走りが調子よくなることを覚えた。だが、ここで大きな問題が発生する。このルーティンを続けて半年ほどが経過したとき、通っているスポーツジムのトレッドミルで走っていると、スタッフが「サンダルでのジム内の運動は禁止されています!」というのだ。このサンダルはランニング用に設計されていて、世界中のランナーが愛用していることを説明してもダメなものはダメという返答。

サンダルランは雨の日にトレッドミルで行うことが多かったので、思案に暮れていたときに出会ったのが、Vivo barefootという裸足感覚シューズの専業ブランド。かつて日本でも展開されていたブランドで、創業は1997年。裸足ランニングのバイブル的な存在の「BORN TO RUN」が出版されたのが2009年で、ベアフットシューズがブームとなったのは、それからしばらくしてからだったことを考えると、このブランドはかなりの先駆者だったことが理解できる。日本では取り扱いがしばらく中断されていたが、今年より展開が再スタートし、今回ピックアップしたのはプライマスライト II リサイクル。その名の通り地球環境に優しい素材を使用した裸足感覚シューズだ。手に取った瞬間に軽さを感じるほどのライトウェイトな1足で、足を入れるとオブリ—クラストというつま先部分が幅広の木型を使用しているので、指を自由に動かすことができる。ミッドソールはなく、足を包み込むアッパーの下がいきなりアウトソール。インソールはあるものの、それほど厚くないので、地面をダイレクトに感じることができる。走り始めると、自然と前足部からの着地となり、いかにして効率よく路面を捉えて走るか? ということを考えながら足を進める。踵から中足部のフィット感がいいので、着地から蹴りだしまでの一連の動作もスムーズに行え、初回と2回目はジムのトレッドミルで、3回目は屋外のアスファルトの路面で走ったが、アウトソールは高いグリップ性を発揮。一日おきに計18kmを走ったが、人間本来の走り方を取り戻すことで脚力が鍛えられ、足裏の感覚も研ぎ澄まされた気がした。やはり時々こういったシューズで脚をリセットすることは必要不可欠だと思う。どちらかいうと運動が苦手という人は、自分のように走るときに着用するのではなく、散歩のときや普段履きにすることでも脚部の強化になると思う。

ちなみにVivo barefootで注意したいのはサイズ選び。筆者は通常US8(約26.0cm)というサイズで、それはEURだと40.5~41.5と各ブランドで異なった換算がされるため、今回はサイズ41を履いたが、走れないことはないものの、若干大きい感じがした。Vivo barefootは他ブランドと若干サイジングが異なり、サイズ41は26.9cm、サイズ40は26.2cmという換算をしているという。というわけで、次回は実際にサイズ40も試し履きし、41と比較検討してから購入しようと思う。

アッパーは通気性の高いナイロンメッシュを採用。オブリークラストというつま先にゆとりのある木型を用いているので、長時間の着用でも足はリラックスした状態。
アスファルトやコンクリートといった舗装路で最高のグリップ性を発揮するアウトソール。足裏感覚を損なわないように薄手だが、充分な耐久性もキープしている。
リサイクル素材を活用した取り外し可能なインソールは、適度なクッション性と通気性を確保。インソールを抜いて着用することで、裸足感覚を高めることもできる。

text : 南井正弘
ランニングポータルサイト『Runners Pulse』編集長。某スポーツシューズブランドに勤務し、『カルトQ』のスニーカー部門チャンピオンにも輝いた実績を持つ。