2018年は「音声」の年?m-flo ☆Takuが今年のアップルに期待すること
m-flo ☆Takuさんが期待するアップル製品は、ずばり『HomePod』。アメリカなどでは2018年2月9日に発売されますけど、日本はいまだに発売未定なんですよね……。使い勝手も含めて、どうなるのか気になります!
m-flo ☆Takuのare you Apple holic ?
2018年はさらなる「音声」の年になる?
──ではまず、2018年、☆Takuさんが最も期待しているアップル製品は何かを教えてください。
ずばり、『HomePod』です。先月お話したように、ホームITの世界において、昨年はAmazonのAlexa(☆1)が大飛躍した年でした。ずっとアップルと生活家電の相性が良いと言い続けてきた僕としては、今年はぜひ逆襲してほしい。

Amazonが開発した音声アシスタント。2014年11月に発表され、国内でも昨年末に対応スマートスピーカーが発売された。音声よる音楽操作や個人情報管理が可能なほか、「スキル」を追加することで、家電操作など様々な機能を付与できる。
──本当は昨年末発売だったのが延期になり、しかも国内では発売未定ですからね……。もたもたしていたら周回遅れになってしまいそうです。
Alexaは新年早々、トヨタ車に導入(☆2)されることが発表されれるなど、勢いも圧倒的。こうした音声アシスタントの立役者であるSiriにはがんばってほしい。あと、これはSiriだけの問題ではないのですが、日本語対応をもっとしっかりと。英語版と比べると認識精度や速度に歴然とした差があります。

今年1月9日、米国で行われたCES 2018において、トヨタおよびレクサスの一部車種でAlexaが利用可能になるとアナウンスされた(北米にて年内中に)。車の中に居ながらにして自宅の家電コントロールなどを行えるようになる見込み。
──Macなどのハードウエアについてはいかがでしょうか?
昨年の話になってしまいますが、長らく放置されていたプロ向け機材として『iMac Pro』(☆3)を出したのは良かった。値段に文句を付ける人が結構いて、確かにWindowsならもっと安く作れるんでしょうけど、シンプルな一体型ボディやアップルならではの洗練されたエクスペリエンスも“込み”と考えれば、充分に納得できるレベルだと思います。

最大18コアの超高速プロセッサーを搭載したプロ向けiMac。18コアモデルはまだ未出荷だが、現在入手可能な10コアモデルの時点で、従来『Mac Pro』を越えるスペックを実現。黒光りするボディも目を惹くポイントだ。お値段は約56万円〜。
──☆Takuさんのスタジオには導入しないんですか?
実のところ、音楽制作だけなら無印の『iMac』でも充分なんです。ボンダイブルーの初代『iMac』の頃は、iMacで仕事をする日が来るとは思ってもいませんでした(笑)。
──モバイルについてもお話を聞かせてください。次のノート型Macには何を期待していますか?
以前であれば、重さや軽さ、パフォーマンスと言っていたのですが、そのあたりはもう充分に満足できる水準になりました。今、不足を感じているのはストレージ容量。今は1TB SSDを搭載しているのですが、新モデルには2TB、3TBのSSDを搭載できるようになってほしい。
──ただ、アップル的にはそのあたりは「iCloud Drive」などのオンラインストレージで解決させようという方針のようです。
アップルのやりたいことはわかるのですが、近年のファイルサイズの大容量化などによる通信事業者の負担急増や、米国で大議論を巻き起こしたネット中立性規制撤廃(☆4)など、現実は理想通りに動いていません。なにより、いちいちネットに繋げるのはやっぱり面倒。現時点では手元に大容量SSDが欲しいです。

混み合う深夜帯に特別料金で一部ユーザーの通信速度制限を緩和したり、インフラ負担の大きな動画配信サービスに速度制限をかけたりすることを禁止する北米のネット中立性勧告が、昨年12月撤廃。その是非について、議論を巻き起こしている。
──なるほど。それ以外の製品についてはいかがですか?
日米アカウントを切り替えながら使わざるを得なくなっている『AppleTV』でリージョンの壁をなくしてほしい。もちろん、コンテンツ配信側のビジネス的な事情はわかるので、そこはお金で解決できるようにするとか。例えば「radiko.jp」では、聴取エリア以外の番組を月額350円のプレミアムサービスで聞けるようにしました。ああいった画期的な解決方法の登場に期待しています。
──最後に、2018年に向けて期待することをまとめていただけますか?
今年の最重要キーワードは「音声」。2011年に登場したSiriが夢みた未来がいよいよ現実のものになりつつあります。これによって、家電の、IT機器の、車の操作方法が劇的に変わっていき、それに伴い製品やサービスも違ったものになっていくでしょう。「コーヒー作って」と言うだけで、淹れたてのコーヒーメーカーが出てくるような時代も近いかも知れません。
※『デジモノステーション』2018年3月号より抜粋。