欲しいのは、価格満足度の高い高性能ウォッチ

No.1
Sinn
U50

オーバースペックな時計は男性を魅了する。日常生活では必要十分すぎる性能だからこそ、オールパーパスな時計だと言えるし、その時計がプロにとって価値ある1本だという事実は、所有する喜びを与えてくれる。

ホッタ
03-6226-4715
https://sinn-japan.jp/

十分すぎる性能を確保しながら
使いやすさを格段に高めた、ジンの新傑作

ジンの創業は1961年。そもそもは、ドイツ軍のパイロットであり飛行教官でもあったヘルムート・ジンが、フランクフルトでパイロット用の時計を製作したのが始まり。当初は旅客機や軍用機のコックピット・クロックをメインに腕時計も製造していたが、やがてその主軸は腕時計へとシフトしていく。創業者がパイロットであっただけに、スタートこそパイロットクロノグラフであったが、次第にダイバーズウォッチやミッションタイマー、ファイナンシャルウォッチなど領域を次々と広げ、探検家や救急医、金融関係者といったプロフェッショナルたちの信頼を獲得していく。なぜか? それは創業以来「視認性、機能性を最重要視したプロユースで堅牢な作り」をアイデンティティとしながら、絶えず新しい技術を開発し続けているからだ。

その技術とは、5000mの防水性能を実現するハイドロ・システムや、時計内部を湿気から保護する除湿機構Arドライテクノロジー、さらには80,000A/mの高耐磁を誇るマグネチック・フィールド・プロテクションといったもの。一般的な時計の性能を考えるとオーバースペック極まりないが、ジンはこれらの性能を具現するために厳しい耐久試験を行い、プロユースに耐える時計を実直に作り続けているのだ。

こうしたジンのクリエイティビティを実感でき、なおかつデイリーユースにも適しているのが、2020年の新作ダイバーズウォッチ「U50」だ。

現在、ジンのダイバーズウォッチは、5000mの防水性能を備えた「UX」がその頂点。さらに「UX」以外のUシリーズにおいても、防水性能は1000m以上をマークしているのだが、「U50」が備えている防水性能はその半分。500mだ。しかし冷静に考えれば、浅海で潜水を行う空気潜水用の時計に求められる防水性能は最低100m。つまり「U50」はスペックダウンしても、十分な性能を備えているというわけだ。

防水性能を抑えこそすれ、それ以外はUシリーズの特徴を踏襲。ケースとリューズにはドイツの潜水艦に使用される鉄鋼Uボート・スチールを採用し、高強度と非磁性、海水への耐水性を実現。また、逆回転防止ベゼルは特殊結合方式によって脱落を防ぎ、さらに表面を硬化させるテギメント・テクノロジーを用いて耐傷性も確保している。これだけの性能を盛り込みながら、シリーズのなかで最もマッシブな「U1」(ケース径44㎜、本体重量113g)と比較すると、ケース径は3㎜、重量に至っては39gもダウンし、装着感を大幅に向上させているのは、このモデル最大の特徴と言えるだろう。つまりが「U50」は、オーバースペックと実用性が両立した、“一般”男子垂涎の時計というわけだ。

  • 「U50」に加え、ベゼルにブラック・ハード・コーティングを施した「U50.SDR」(写真手前/39万6000円)、ベゼルとケース、リューズのすべてに同様のコーティングを施した「U50.S」(写真中央/45万1000円)もラインナップ。
  • ジン
    U50
    38万5000円
    突出した耐久性をキープしながらも、ケースを41㎜にスケールダウンすることで、日常での使いやすさを高めた新作ダイバーズ。自動巻き。Uボート・スチールケース、50気圧防水、ケース径41㎜。
ケースバックはねじ込み式。こちらも素材にUボート・スチールを用いることで優れた耐久性を実現している。
手の甲に当たらないよう、ねじ込み式のリューズを4時位置に配するUシリーズの特徴はしっかりと継承。
ベゼル12時位置のマーカーやインデックス、太い時分針にはそれぞれ蓄光塗料が塗布され、暗所でも高い視認性が得られる。

 

No.2
NORQAIN
ADVENTURE SPORT JP

仕上げの美しさと、確かなクオリティ──。高級時計に求められるこれらの要素を確保しながら、真の適正価格を実現したブランドが今、話題を呼んでいる。2019年にデビューした新鋭、ノルケインだ。

ノルケイン・ジャパン
03-6864-3876
https://www.norqain.com/

妥協のないクオリティでまとめ上げた
ハイコストパフォーマンス・ウォッチの新鋭

2019年春、スイスに新たなブランドが誕生し、ここ日本の時計業界でも話題となった。他のカテゴリーと同様、時計も例年いくつものブランドが新たに生まれてはいるが、ここまで注目されるのも珍しい。それもそのはず。この新鋭「ノルケイン」は、時計愛好家が驚く錚々たるメンバーが、高い志を掲げて立ち上げたブランドなのだから。

そのキーパーソンが、ノルケインのCEOであるベン・カッファー氏。時計ファンなら誰もが知るインディペント・メーカーでブランドマネージャーを務めた人物だ。しかも、カッファー氏が会社を設立するにあたって声をかけたのが、彼の幼なじみであり、同じメーカーに勤めていたテッド・シュナイダー氏。ブライトリングのオーナーだったセオドア・シュナイダー氏の長男というサラブレッドだが、カッファー氏の父もまた、年間数十万本を生産する時計製造会社の代表を務めるほどの人物だ。

そんなスイス時計界の若きサラブレッドは2017年にメーカーを退社し、翌’18年に新会社を設立。そして’19年には早くもファーストコレクションを発表する。あまりにもスピーディーな展開だが、それは新ブランドの方向性が明確だったからに他ならない。その方向性とは「強力なデザインと独自の個性を持つ、高品質かつ適正価格のスイス時計を作り、愛用してもらうこと」で、これに則って製作されたモデルはSSケースのクロノグラフでも40万円台、三針モデルなら20万円台前半からという驚異的な価格設定を実現した。

しかも、有力なサプライヤーとのパートナーシップによって製造された時計は、美しく研磨されたケースに高品質なサファイアクリスタルを組み合わせ、テキスタイルを想起させるダイアルのパターンも実に個性的。デビュー直後から注目を集めたのも納得だ。

そんなセンセーショナルなデビューから約1年が経った今夏発表されたのが、日本限定モデルの「アドベンチャー スポーツ JP」。最大の特徴は、現在、スイスで高い信頼を得るムーブメントメーカー、ケニッシ社と共同開発したムーブメントを搭載している点だ。スイスの公式検定機関であるC.O.S.Cクロノメーター認定を取得した高精度ムーブメントで、パワーリザーブは70時間をマーク。そのうえ頑丈な構造を採用することにより、アクティブな状況下で使用しても優れた計時パフォーマンスを維持するという。また外観をモノトーンでまとめ、余分なアクセントカラーを省いたクールな雰囲気も、日本人が好むところだろう。

多くの美点を備えながら、マルチパーパスで着用できる端正でスポーティーな佇まい。これで価格は30万円台というのだから、すでに機械式時計を数本所有していても、うっかり財布の紐が緩みそうになる。

仕上げの美しさと、確かなクオリティ──。高級時計に求められるこれらの要素を確保しながら、真の適正価格を実現したブランドが今、話題を呼んでいる。2019年にデビューした新鋭、ノルケインだ。

  • ノルケイン
    アドベンチャー スポーツ JP
    34万8700円
    ケニッシ社と共同開発したマニュファクチュールムーブメントを搭載した第1弾モデルがこの日本限定。ケースからベゼルまで、ステンレスで統一されたデザインが実にインダストリアルでクール。自動巻き。SSケース、100m防水、ケース径42㎜。
ノルケインのアイコンとも呼べるテキスタイル調のダイアルはブラックとグレーの2色が用意され、各色50本限定。ブレスレットのほか、ブラックラバーストラップ付きモデル(32万8900円)とコーデュラストラップ付きモデル(32万6700円)もラインナップ。
ステンレス製ベゼルの側面にはノルケインの共通デザインであるローレット加工が施され、インダストリアルな雰囲気を強めている。
ケースの9時側にはノルケイン プレートを配置。名前や記念日などを刻印できるという。
シースルーバックからはマニュファクチュールムーブメントNN20/1の姿が確認できる。そのローターにはスイスアルプスを想起させる「double-N」ロゴを刻印。
  • Text竹石祐三