学校では絶対教えてくれない
子供もフィッシング 詐欺に合うの?

子供にスマホを持たせるとき、気になることのひとつに「ネット詐欺」があるでしょう。「子供が詐欺のターゲットになるなんて」と思うかもしれませんが、スマホを持つと必ずメールアドレスと電話番号を持つことになります。詐欺グループからは、大人も子供も区別が付きません。子供でも詐欺の被害に合う可能性があるのです。NTTドコモが2020年3月に発表した調査によると、中高生の5人に1人が「フィッシングメール」を受信したことがあり、架空請求をされた経験がある人も約9人に1人いるそうです

「中高生のスマートフォン事情」調査
(出典:NTTドコモ)

金融機関などを偽る「フィッシング詐欺」

フィッシング詐欺とは、偽のメールアドレスからメールを送り、用意したウェブサイトにメールアドレスや電話番号、クレジットカード番号などの個人情報を盗み出す行為を指します。

最近急増しているフィッシング詐欺は、金融機関を装ったものです。実在する金融機関の名前を名乗り、パスワードの更新をするようにとメールを送ってきます。メールのリンクからウェブサイトに移動させ、インターネットバンキングのIDとパスワードを盗み出すのです。

金融機関を名乗るフィッシングメール

リンク先のウェブサイトはいかにも金融機関らしく作られており、詐欺だと見破りにくくなっています。ついうっかり情報を入力してしまうと、口座の情報が詐欺グループに渡されてしまうため、残高が他の口座に振り込まれてしまう可能性があります。

こうしたメールが来た際には、決してメールのリンクをタップせず、ブラウザで検索して金融機関のサイトに行くか、金融機関が用意しているアプリを使ってアクセスして確認してください。10代はクレジットカードを持っていませんが、アルバイトをきっかけにインターネットバンキングを利用する高校生もいるので要注意です。

また、コロナ禍で利用が広がる通販サイトを装うケースも増えています。Amazonや楽天の名を語り、「アカウントに不正アクセスがありました。情報を確認してください」などの文章とともにリンクが表示されています。リンク先に行くと、専用のサイトがあり、メールアドレス、住所、生年月日、電話番号、クレジットカード情報、身分証明書のコピーのアップロードなどを求められます。これらの情報が悪用されると思うと、ゾッとしますね。

宅配便の不在通知を装うフィッシング詐欺もあります。「お荷物のお届けにあがりましたが不在のため持ち帰りました」というSMS(ショートメッセージ)が来ます。表示されているURLをタップすると、金融機関を名乗るウェブサイトや、不正なアプリのインストールを促す内容が表示されます。宅配便は中高生でもフリマアプリなどで使う機会があるので、うっかり引っかかってしまいそうです。注意しておきましょう。

ワンクリック詐欺の被害も報告されている

詐欺はフィッシング詐欺だけではありません。スマホを見ていたら突然表示された画面をタップしてしまうことで、金銭を要求される「ワンクリック詐欺」もあります。国民生活センターに寄せられた事例には、女子高生がスマホの広告を誤ってタップしてしまったところ「登録」と表示され、不安になって業者に電話すると「20万円払わなければ学校に連絡する」と脅されたそうです。お金がないことを伝えたところ、5万円に減額され、指示通りにコンビニエンスストアでプリペイドカードを購入し、そのカード番号と学生証の写真を撮ってメールで送ってしまったとのこと。

Amazonを装うフィッシングメール。相手のメールアドレス部分をタップしてみます。明らかにAmazonのメールアドレスではないものが表示されました。フィッシング詐欺だとわかります。

こういうとき、子供は親や学校に知られることを恐れます。でも、広告をタップしただけでは何も起きません。しかし連絡をしてしまうと、相手に個人情報を知られてしまいます。間違ってタップしてしまっても無視すれば大丈夫だということ、スマホで不安なことがあったら隠さずに親や学校に連絡することを話しておきましょう。

その他、「大金をあげるから手続きするためにお金を振り込むように」といった詐欺、芸能人を装って会話をすることで出会い系アプリなどに誘導するメール、怪しい通販サイトやアダルトサイトに誘い込むLINEなど、危険なメールやメッセージはよく送られてきます。大人も最初はびっくりしたり、焦ってサイトにアクセスしそうになったりしたこともあるでしょう。もしスマホにそのような詐欺メールが残っていたら、「こういうメールは詐欺だからタップしてはダメ」と伝えましょう。残っていない場合は、フィッシング対策協議会に事例がたくさん掲載されています。こうした詐欺は日々新手のモノが登場するので、時々チェックするようにすると安心です。


text : 鈴木朋子
スマホ安全アドバイザー、ITライター。SNSやスマホなど、身近なITに関する記事を執筆。著書「親が知らない子どものスマホ」(日経BP社)、「親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本」(技術評論社)。