サムスンの透明Galaxyがいよいよ実現か!? ブランドコラボで100万円くらいの価格になるかも

「スマホが透明なガラスでできていたら面白いのに」と思ったことはないだろうか? ところがサムスンは本気で透明スマホを作ろうとしているらしい。サムスンが世界知的所有権機関と米国特許商標庁に出した特許によると、技術的には透明ディスプレイのスマホが実現できるらしい。本当に製品化されたらスマホの使い方も大きく変わるだろう。

スマホを背面からも操作可能
透明スマホが使い方を変える

スマホをガラス板のような透明ボディーにする特許をサムスンが出した。特許の名前は「Transparent Display Device and Method of Manufacturing the Same」。透明スマホのアイデアだけというのではなく、透明スマホを実現するための技術特許のようだ。つまりサムスンは「他社がこんなアイデアを出しそうだから、先に特許だけ出しておこう」という防御特許ではなく、実際に透明スマホを作ろうと意気込んでいるのだろう。

サムスンが出した透明スマホの特許。

ちなみによく「XX社がこんな特許を出した! すごいスマホが出てくるぞ!」なんて話がネット上に出ることがあるが、その特許の多くがアイデアを先に出しておくというもの。実現できるかはさておき、将来技術的にそのアイデアが実現されたとき、他社からライセンスを得ようと考えて出されるものだ。もちろんこれも正式な特許だが、その製品がそのメーカーから出てくるかどうかは別の話。

だが、サムスンの特許は透明なスマホのディスプレイやタッチパネルの技術そのもので、これを実際に製品として商用化される日がいつかくるのだろう。とはいえ、技術を製品にするにはコストがリーズナブルである必要があるし、大量生産できる製造技術も必要だ。さらに製品としての耐久性も必要である。サムスン自慢の折りたたみスマホも、初代の「Galaxy Fold」はディスプレイ表面が柔らかく、最初に市場に投入されるはずだった製品はユーザーテストで不具合が多発。発売が半年遅れた経緯がある。新しい技術の商用化は難しいものなのだ。

この技術を商用化できれば透明スマホが誕生する

さて、特許の最初の図を見て、何か気が付かないだろうか? 一般的にスマホの操作は、本体を片手で持って親指で画面をタッチするか、もう片方の手の人差し指で画面をタッチする。ところが透明スマホならばアプリのアイコンが透けて見えるため、スマホを保持している手の人差し指で裏からタッチすることもできるのだ。その気になれば人差し指と中指の2本操作もできる。

つまり透明スマホは裏面をタッチパネルにする、という使い方も可能になる。さすがに両面をタッチパネルにすると、スマホを握るだけでどこかしらかが反応してしまうため、ひとまずは片面だけが操作可能になると思われる。またスマホが透けて見えるため、歩きスマホをしていても地面や向かいから歩いてくる人が来るため、今のスマホより安全だろう。歩きスマホは現在は奨励されず、禁止や注意するエリアもある。しかし、透明スマホが登場すればその意識も変わっていくかもしれない。

透明スマホのこの図はLETSGODIGITALによる完成予想CGだ(出展:LETSGODIGITAL)。

実現するには大きな課題
技術の進化に期待が必要

ディスプレイを透明にするだけならば、透明TVなどがすでに商用化されている。たとえばシャオミはLGの透明パネル使った世界初のコンシューマー向け透明テレビを製品化している。他にもデジタルサイネージ用途に透明ディスプレイはすでに使われており、大型サイズのディスプレイでは透明なものはすでに商用化されている。ただし、これらは単なる表示するだけのディスプレイだ。タッチパネルを搭載する透明スマホのほうが技術的に難しいのは当然だ。

シャオミの透明テレビ。

また、透明なディスプレイを持ったケータイはすでにソニーやレノボが10年以上も前に製品化している。ソニーの「Xperia Pureness」やレノボの「S800」、さらに中国の無名メーカーが透明ディスプレイのケータイを出していた。しかし、これらの製品を見ると気が付くことがあるだろう。ディスプレイは透明だが、その下の10キー部分は非透明なのだ。

Xperia Pureness(左)とS800(右)。

10キー部分にはチップセットやバッテリーなどが搭載されている。そのためこの部分は透明にできないのである。ケータイはもちろんのこと、スマホを動かすには電源が必要だ。さらにスマホとして動くためにはチップセットなどのパーツが必要だ。ガラス板を切り抜いてもスマホにならないように、透明なディスプレイを作ってもそこにアイコンやアプリを表示・動かすための回路が必要であり、その電力供給のためにはバッテリーが無くてはならないのだ。

サムスンの透明スマホの完成予定図は、リーク情報などに詳しいLETSGODIGITALによるCGにすぎない。実際に透明スマホが商用化されたときは、本体の下側にチップセットやバッテリーを搭載する部分として、非透明な部分が数センチくっついた形になるだろう。ちょっと興ざめかもしれないが、現時点ではチップもバッテリーも透明化は不可能だ。完全透明スマホが生まれるには、まだあと5年か10年くらいはかかるかもしれない。

透明スマホは100万円になる?
高級ブランドが発売するか

透明スマホの値段はいくらくらいになるのだろうか。昨年から出てきた折りたたみスマホは20万円を超える価格になっている。これは折りたたみディスプレイのコストが高く、販売後も故障率が高いだろうからアフターサポートにかかる費用も含まれているため、どうしても高価になってしまう。しかし、最新技術を搭載し、しかもデザインも美しいとなれば、あえて高い価格にしても買う人は買うだろう。

サムスンの折りたたみスマホはファッションブランドとコラボした製品も出ている。「Galaxy Z Fold2 Thom Browne Edition」は約42万円だが、それでも購入者が多数いるそうだ。

42万円でも売れているブランドコラボの折りたたみスマホ。

ハイブランドにとってもデザインが美しい製品や、見栄えがいい端末ならどんなに高くても製品化したいと思うところだろう。ラグジュアリースマートフォンやケータイを手掛けるMobiadoはアストンマーチンとコラボして、2011年にコンセプトスマホ「CPT002」を発表した。当時の技術では実現は不可能と思われたに違いない。しかし「100万円出しても欲しい」と思った人も中にはいたはずだ。透明スマホはデザインが美しいし、近未来感も味わえる。人前で出せば注目を集めるだろう。

Mobiadoが2011年に発表した透明スマホCPT002

透明スマホはLGも特許を出すなど、ディスプレイも手掛けているメーカーにとっていつかは実現したい技術の集大成と言える製品だ。もちろん新しい技術を開発しても、それが使い物にならなければ製品化は難しい。「透明スマホ、どうやってつかうの?」と思う人が多いだろうが、今のスマホのユーザーインターフェース(UI)は、そもそも透明スマホを意識した作りにはなっていない。透明スマホの実現には、全く新しいUI開発が必要なのだ。

透明スマホの待ち受けモードやスリープ中は、透明なディスプレイにブランドのロゴを表示しておく、なんて「ブランドスマホ」も出てくるかもしれない。スマホの概念を変えてしまうかもしれない透明スマホ、ぜひ実現してほしいものだ。