【ds hands on!】ソニー α7C

シリーズ自慢の高画質・高性能を凝縮した
ウルトラ“C”モデル登場

ソニー
α7C
実勢価格:[ズームレンズキット]26万2900円/[ボディ]22万9900円

有効2420万画素の35mmフルサイズセンサー搭載ミラーレス一眼カメラ。ボディ内手ブレ補正機構など、「α」シリーズならではの魅力をそのままに劇的な小型・軽量化を実現した。ズームレンズキットには新開発のコンパクト標準ズームレンズ『FE 28-60mm F4-5.6(SEL2860)』が同梱されている。フルサイズ「α」初となる2色カラー展開も要注目だ。

スタンダードモデル『α7 III』級の高性能を極小ボディに

α7C α7 III

EVFはペンタ部から本体背面左上に移動。『α7 III』のものよりも表示が小さく(倍率が低く)なっているが、解像度は同等だ(約239万画素有機EL)。120fps表示に対応。

シャッターユニット(写真)や手ぶれ補正ユニットを『α7C』用に新開発。本体もモノコック構造を採用することで機能や耐久性を損なうことなく小型・軽量化している。

スタンダードモデル『α7 III』とのサイズ比較は左写真の通り。ペンタ部がそのままなくなったようなイメージだ。なお、グリップ部もわずかに浅くなっているが、ホールド感は良好。

小型・軽量化を命題としつつも、バッテリーサイズは『α7 III』と同じ大型サイズのものを採用。これによって、液晶モニタ使用時で約740枚もの連続撮影が可能になった。

コンセプトを体現する独自機能も盛りだくさん

Wi-FiはIEEE802.11acに対応。2.4GHz帯と5GHz帯での通信が可能になったことで転送速度と安定性が高まった。NFCを使ったワンタッチの画像転送にも対応している。

Vlogブームなど、動画撮影に対するニーズの高まりを受けてMOVIEボタンが本体天面の一等地に移動。動画撮影をしない場合はCボタンの1つとして任意の機能を割り振ることもできる。

モニタはアングルフリー。天面マルチインターフェースシューもデジタルオーディオ入力に対応した。別売シューティンググリップ(左写真)との組みあわせで高品位で自在な動画撮影が可能に。

もちろんフルサイズセンサーならではの美画質はそのまま

キットレンズ『FE 28-60mm F4-5.6(SEL2860)』は、沈胴構造によって非試用時はコンパクトに。最短撮影距離30cm(ワイド端)と、近接撮影にも強い。なお、単体販売は2021年春から。

キットレンズながら描画は隅々までクリア。『α7 III』はフルサイズセンサー搭載機として業界トップクラスの高感度性能を誇っていたが、その美点は『α7C』にも受け継がれている。作例はISO4000で撮影したものだがディテールは失われていない。なお、撮影時は小雨が降っていたが、本体同様防塵・防滴に配慮した設計となっていたため、安心して撮影できた。

当然のことながら、他のEマウントレンズも装着可能。マウント強度もしっかり確保しており、ぐらつきなどは全くない。

作例は上写真のタムロン『28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD』にてローアングルから撮影。バリアングル液晶モニタのおかげで無理な体勢を取ることなく撮影できた。コンパクトな高倍率ズームレンズだが望遠端でも歪みなくシャープ。登場初期はレンズの少なさに悩まされていた「α」だが、今ではこうしたサードパーティレンズも充実しており、むしろ老舗カメラメーカーのフルサイズミラーレス一眼がこれを追う構図になっている。

中〜上級者のメインカメラとしても充分な実力アリ!!

長らく噂されていた「α7」シリーズの小型・軽量モデル『α7C』がこの10月についに登場。35mmフルサイズセンサーを搭載しつつ、シリーズのスタンダード機である『α7 III』と比べて重量約22%、体積約19%の小型化を実現した、C=Compactの名にふさわしい製品だ。

そのポイントは、本機が「α7」の名を冠するに相応しい高機能・多機能を備えていること。似たコンセプトの他社製品がボディ内手ブレ補正機構や電子ビューファインダー(EVF)などを削って小型化を追求したのに対し、本機は機能をほとんど削っていない。文字通り『α5』ではなく、『α7C』なのだ。そのネーミングは伊達じゃない。

もちろん小型化によって使い勝手が大きく損なわれたということもない。『α7 III』と比べて、前ダイヤルや背面マルチセレクターが省略され、好みの機能を割り振れるCボタンの数が減っているのだが、マルチセレクターによるAF点移動がコントロールホイールの四方向操作で行えるようになっているなど、さまざまなフォローがなされている。Cボタンに割り振れる機能が『α7 III』と比べて増えているのもポイントだ。この辺りは後発の上位機『α7R IV』に近い。個人的にはAF-ONボタン押下中だけ被写体を自動追尾してくれる「押す間トラッキング」対応と、MENUボタンが片手持ち時でも押せる位置に移動したのが気に入っている。

実際に約1週間試用してみて感じたのは、ペンタ部がなくなるだけで想像以上に圧迫感がなくなること。また、新開発のキットレンズ「FE 28-60mm F4-5.6(SEL2860)」が実に良くまとまっており、この組みあわせなら少し大きめのコンパクトカメラ感覚で持ち歩くことができる。大きなフルサイズ機向け大口径ズームレンズなどを装着するとサイズのメリットは小さくなってしまうのだが、その場合もしっかりと張りだしたグリップのおかげで持ちにくさを感じることはなかった。スナップ目的のふだん使いにも、本気の作品撮りにもどちらにも使える懐の広いモデルと言えるだろう。ほどほどでお手軽なエントリーモデルでは、断じてない。


test : 山下達也(ジアスワークス)
photo : 松浦文生

デジタルグッズライター
山下達也(ジアスワークス)
カメラを始め、PC、A&V機器など幅広いジャンルのデジタルグッズ記事を執筆する雑食系ライター。今回は配布が間に合わずレビューできませんでしたが、Webカメラとしての『ZV-1』にも可能性を感じています。