生誕60年で生産台数は1億台を突破!すっごく楽しい新型『スーパーカブ』試乗体験記

その名を聞けば誰もがその姿形を想像できる。そんな日本を代表する乗り物は、ホンダが生んだ『スーパーカブ』を置いて他にはない。1958年の初代モデル発売から今年で60周年となるバイクだ。2017年には累計生産台数1億台突破という快挙も成し遂げている。

既報のとおり2018年2月23日にはその新型『スーパーカブ50』『スーパーカブ110』が発売された。久しぶりに生産拠点が国内に戻され、馴染みのある丸目デザインになってカムバック。また、新たに厳しい排出ガス規制への対応を果たしつつ、さらに走りの性能も磨き上げられているという。そんなわけで、さっそく新型カブに試乗し、その魅力を体感してきたので、その模様レポートしていこう!

まずは進化のポイントをチェック!

実は前モデルの『スーパーカブ』はグローバルモデルという位置付け。そのため、海外人気の高い角型ヘッドライトを採用し、車体も直線基調のデザインだった。それが今回の新型では、国内でも馴染み深い丸型ヘッドライトかつ、丸みを帯びたシルエットに戻されている。これが今回のモデルチェンジにおける最大のトピックスだ。以下の写真で、歴代主要モデルのスタイリングを比較してみてほしい。

まさに原点。1958年式の「C100」。現在まで続く『スーパーカブ』シリーズの初期型モデルだ。
一方のこちらは、前モデルに当たる2012年式の『スーパーカブ50』。角型ヘッドライトと直線的なデザインが特徴だが、多くの日本人がイメージする『スーパーカブ』像からはいささか遠ざかったか?
そして最新型のヘッドライト周り。丸目のLEDライトを採用し、伝統的なデザインを最新の技術で復活させた。

もう1つ、大きく手を入れられているのがエンジンだ。シリンダーを前傾させた“横型”レイアウトは初期型からの伝統を踏襲しつつ、新しい排出ガス規制にしっかり対応している。燃料供給はもちろん電子制御のインジェクション。“エンジンオイルを入れなくても走った”など、逸話や伝説も多い『スーパーカブ』。持ち前の耐久性はそのままに、環境性能が向上した格好だ。

なお、今回のモデルではレッグシールドを外さなくてもオイル交換が可能となっており、メンテナンス性が高められている。『スーパーカブ50』は最高出力が3.7PS、燃費が1リッターあたり105km。『スーパーカブ110』では8PS、燃費が62km/Lとなる。

基本レイアウトはそのままに各部がブラッシュアップされ、排出ガスもクリーンになった空冷エンジン。

そして、走行性能の向上に大きく寄与している新しいフロントフォーク。過去の『スーパーカブ』ではブレーキをかけた際にフロントが突っ張られるような足回りだったのが、今回の新型ではフロントが沈んで曲がれるため、自然なハンドリングが行える。これは前モデルから一般的なバイクと同じテレスコピック式に変更されたことによる恩恵だ。

テレスコピック式で自然なハンドリングを実現したフロントフォーク。

実際に走らせてみると……?

エンジンの始動性はインジェクション化のおかげですこぶる良好。セルボタンを押せばいとも簡単にエンジンがかかる。キックでかける場合でもキックアームを降ろすだけでOK。やろうと思えば、アームを手で降ろしても楽々エンジンがかかるほどだ。

変速は前側のペダルを踏めばシフトアップ、後側を踏めばダウンという伝統的な形式で、クラッチ操作は不要。簡単操作でありながら自分で操っている感覚が味わえるのが、スクーターとは一味違う良いところだ。

シーソー式のシフトペダルは軸部分にベアリングが追加され、スムーズなフィーリングに。

ちなみに『スーパーカブ50』の50ccエンジンと『スーパーカブ110』の110ccエンジンでは性質が大きく異なる。50ccは高回転まで回すと実力を発揮するタイプで、110ccは低回転からのトルクが太く、発進から車体を押し出すようなパワー感が味わえるタイプだ。

110ccエンジンは余裕のトルクで、急な坂道も楽に登って行ける。

電子制御化による進化をより強く感じたのは50ccのほう。幹線道路などでパワー不足を感じる場面があった旧50ccに対し、高回転まで回せばきちんと交通の流れに乗れるようになった印象だ。伝統的スタイルを踏襲しながら、必要な部分はしっかり進化していることが体感できるはず。

50ccのほうは高回転まで回すとパワーを発揮するタイプ。タコメーターがほしくなる。

それよりも実際に走ってみて強く感じたのは、“曲がることが面白くなっている”という感覚。『スーパーカブ』にコーナーリングの楽しさを期待する人はそれほど多くはないかもしれないが、フロントフォークがテレスコピック化されてからのモデルは、普通のバイクと同じようにコーナーが楽しめるバイクになっているのだ。しかも小回りが効くため、狭い路地の曲がり角だって楽しい! 普段使いでここまで走りを楽しめるバイクはなかなかないので、「通勤のルートだって楽しく走りたい!」という人は、ぜひ一度乗ってみていただきたい。

街中の狭いカーブですら、曲がるのが楽しくなるマシンなんて、ほかにはそうそうない。

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スーパーカブ50 / 110(Honda)