「Thinking of You」から生まれる画期的な製品群の秘密を探る【エレクトロラックスの掃除機が世界中で愛される理由】

エレクトロラックスの掃除機が世界中で愛される理由

100年以上の歴史を持ち、画期的な家電製品を次々と世に送り出してきたエレクトロラックス。特に掃除機の分野では世界初となる製品も多く、革新性と利便性の両面で世界中から高い評価を得てきた。その開発の姿勢と最新モデルの実力を探る。

「Thinking of You」から生まれた画期的な製品と新たな文化

エレクトロラックスの製品開発の根幹にあるのが、「Thinking of You」という考え方だ。革新的な製品を生み出す原動力となり、今も同社の重要な哲学であり続けるこの言葉が持つ意味と、優れた掃除機が次々と生まれる背景を担当者(エレクトロラックス・ジャパン スモールアプライアンス事業部 プロダクト マーケティング・マネージャー 芦田倫子さん)に聞く。

ユーザーを第一に考えてきた製品開発の歴史

海外メーカーの製品は大きく頑丈だが、細かな使い勝手はイマイチ。そんな印象を抱く人もいるだろうが、エレクトロラックス・ジャパンの芦田倫子さんは、同社の製品は「そのイメージと異なる」と話す。

「エレクトロラックスのモノづくりは、性能と使い勝手の両面からアプローチしています。基本性能を高めつつ、日本のメーカーが得意とするような実用的で気が利いた機能も搭載します。例えば、コードレス掃除機のハンドルに設けた立て掛け用フックもそのひとつ。さりげなく便利なアイデアが随所に見られます」

スペックや先進機能だけでなく、こうした工夫を盛り込むことが、製品の評価を高めてきた。その発想が生まれる背景には、エレクトロラックスならではの開発体制がある。

「スウェーデンの本社には、通常の開発部門に加えて、5年、10年先の生活を見据えた技術開発を行う部門があります。そこで見つけたアイデアを直近の製品開発に生かして、新たな便利さを生み出しているんです。また、グローバルで展開する製品は、生活様式が違う各国のニーズを集約しながら開発しています。多様な視点を活かせるのも、エレクトロラックスならではでしょう」

もちろん日本のニーズも、製品に組み込まれている。スティック型掃除「エルゴラピード」に搭載される布団掃除機能は、その最たる例だ。こうしたニーズのリサーチにも、独自の手法が見られる。

「本社からデザインや技術開発の担当者が日本の視察に訪れることも多いですね。事前にピックアップした一般家庭を彼らが直接訪れて、実際の生活スタイルを調査するんです。国ごとの習慣や家電の使い方を自分たちの目で確かめることも、細かな使い勝手の向上に役立っています」

常に使う人の立場で考え、現場の目線を重視する。まさに「Thinking of You」の思想が、掃除機をはじめとする家電製品の中に息づいているのだ。

家事の常識を変えた世界初の家庭用掃除機

1912年、世界初の家庭用電気掃除機「LUX 1(ラックスワン)」を発売。インパクは大きく、当時は掃除機を使うことを「ラックスする」と言う人もいた。

掃除の手間を飛躍的に軽減した可動式モデル

1921年登場の「Model V」は、現在のホイールの起源となった金属製のランナーが付属。掃除機を持ち上げることなく移動でき、負担が大きく軽減された。

実用性を突き詰めて現代的なスタイルを確立

1964年には「Luxomatic Z90」を発売。コード巻き取り、自己密閉式ダストバッグなど、当時は革新的だった機能が、現代的な掃除機の基礎となった。

新たな時代を切り開いたロボット掃除機

ロボット掃除機「トリロバイト」をリリースしたのは、今から17年前の2001年。現在多くのメーカーが手がける製品を、いち早く世に送り出した。

独自技術で実現した驚くべき静音性

2003年に発売した「ウルトラサイレンサー」は、ノイズ軽減技術を採用し、当時、史上最も静かな掃除機として話題に。現行モデルも静音性を追求している。

子どもも掃除したくなるデザインと機能性

コードレススティッククリーナー「エルゴラピード」は2004年に登場。基本性能に加えデザイン性も高く「子どもが掃除したがる」という声が寄せられた。

リサイクル&省電力で環境にも配慮

2008年には再生プラスチックを使い、消費電力を抑えた「ウルトラサイレンサーグリーン」を発売。使用寿命後にリサイクルできるなど環境面に配慮した。

手軽さと吸引力を両立させたコードレス仕様

2013年発売の「エルゴパワー」はコードレス仕様ながら、最大60分間の連続運転を実現。吸引力も強く、コードレス掃除機のイメージを大きく変えた。

新たな才能とアイデアを発掘する「デザインラボ」

エレクトロラックスは、工業デザインを学ぶ大学生や大学院生を対象とした世界規模のデザインコンペティションを2003年から開催。その年ごとのテーマに沿って多彩なアイデアが集まり、新たな才能を発掘する場としても注目されている。

ペット関連の家電や斬新なインターフェースを備えたデバイスなど、毎年、多彩なアイデアが集まってくる。

『デジモノステーション』2018年4月号より抜粋。