競泳水着ブランド「Speedo」のワークアウトウェア。その実力を検証!

今月テストしたギア

競泳の世界におけるトップブランドの地位を確固たるものとしているSpeedo。『Fastskin LZR Racer X』のデザインを踏襲し、『Fastskin LZR Racer Elite2』の高ストレッチマテリアルを使用したジャケット&ロングパンツ。身体全体の動きに合わせて伸縮するため、生地の伸び止まりによるストレスを感じにくい構造となっている。

Speedo
Speedoジャケット & ロングパンツ
実勢価格:3万1320円(ジャケット)2万520円(ロングパンツ)

SPEC
サイズ:M、L、O
素材:LZR PULSE+ (ナイロン65%、ポリウレタン35%)

水の世界で培った技術を陸でも応用することに成功した!

2008年、着用したスイマーが新記録を連発したことで、一躍誰もが知る存在となった水着『レーザー・レーサー』。イギリスに本拠地を置くSpeedo(以下スピード)社が開発した最先端技術を結集したハイテク水着で、特殊な超音波接着で生地をつなぎ合わせることで、縫い目がなく、水の抵抗を最小限にまで減らすことに成功。

さらに表面のLZR Panelsが身体を締め付けることでも筋肉の凹凸を減らし、この構造も水の抵抗を減少させることに貢献した。そして、前述の通り『レーザー・レーサー』を着用したアスリートが世界記録を次々と更新し、2008年の北京オリンピックはまさに記録ラッシュの大会となった。

『レーザー・レーサー』を着用した選手すべてが記録を伸ばしたわけではないが、『レーザー・レーサー』を入手できたスイマーとそうでないスイマーの間の不公平さも指摘されたこと等々により、2010年になると国際水泳連盟(FINA)は水着の素材を布地のみとする新ルールを制定。これによりオリジナルスペックの『レーザー・レーサー』は競技会では着用することができなくなった。

だが、これを契機に着用禁止にまでなる高性能水着を開発したスピードの技術開発力に注目が集まったのも事実である。

スイムウェア『Fastskin LZR Racer X』で培ったテクノロジーをワークアウト用アパレルにも応用。従来のスポーツウェアにはない着心地の提供に成功している。

あれから月日は流れ、2017年、スピードは水着の世界で培ったテクノロジーを陸上でも応用すべく、ワークアウト用アパレルコレクションの「Speedo Workout(スピード ワークアウト)」を発表。このコレクションはリリース間もないながら、その優れたパフォーマンス性能から、早くもランナーを始めとした陸のアスリートから高い評価を得ることに成功している。

今回筆者がトライしたのは、SpeedoジャケットとSpeedoロングパンツとネーミングされた伸縮性に優れたマテリアルを使用したトレーニングアパレル。このモデルは現在スピードが展開する高性能水着の『LZR Racer X』のデザイン、そして同じく同社の水着のラインアップで上位にランクされる『LZR Racer Elite 2』と全く同じ素材を使用する。

実際に着用して走ってみると、まず感じるのが絶妙なフィット感。タイツとパンツの中間ほどの締め付け感は、脚の動きにクイックに対応しつつ、カラダのラインがくっきりと出過ぎることもないから気恥ずかしさもないし、途中スピードを上げてもパンツが適度にフィットしているからばたつくこともなくて快適。日本のランナーは欧米と違ってタイツの上からショーツを履くことも珍しくないが、このロングパンツくらいのフィット感ならショーツは不要だろう。

太腿まわりはタイツと比較するとゆとりがあるので、ボディラインがくっきりと見えすぎないので、恥ずかしいことはない。ショーツを重ね履きしなくても問題ないだろう。

ジャケットの方はパンツよりも多少ゆとりがあるので、長袖のトップスを合わせても窮屈さはない。ちなみに今回はパタゴニアの『キャプリーン・ミッドウェイト・ジップネック』をインナーに合わせたが、腕振りもしやすく、まだまだゆとりがあったので、ワンランク厚手のサーマルウェイトのベースレイヤーを着ても支障はないと思う。

ジャケットとロングパンツに使用された伸縮性と速乾性に優れた生地は共通であり、それほど厚くないので、真夏を除く10カ月ほどは活躍してくれそうだ。

このプロダクトの唯一の欠点はそのプライスだろう。上下で5万円を超す価格は誰もが購入できるわけではない。筆者も最初は驚いたが、実際にプロダクトを体感すると、その価格設定も納得。

日本国内で生産されたこの製品は機能性の高さはもちろんのこと、細部の仕上げまでキレイに処理されており、筆者がここ3〜4年の間で着用したスポーツウェアで最も高級感があったからである。この洗練された雰囲気ならランニング後にそのまま街に出掛けても恥ずかしくないだろう。機能性とスタイリッシュなデザインを高いレベルで両方求めるユーザーに最適な1着だ。

ジャケット、パンツともにジッパー付ポケットを装備しているので、激しいエクササイズ時にもスマートフォンetc.が落下する心配がないのはありがたい。
南井正弘(みないまさひろ):ランニングポータルサイト『Runners Pulse』編集長。某スポーツシューズブランドに勤務し、クイズ番組『カルトQ』のスニーカー部門チャンピオンにも輝いた実績を持つ。

『デジモノステーション』2018年4月号より抜粋。

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